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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都学院編

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Ep-46 不本意な進展

ハンスとその取り巻きの中ではユカリは「滅茶苦茶強くて怒らせたら超こわ~い姐御」になってます。ハンスが自分を負かした姐御について聞かれたときに話を盛りまくったせいです。

ただハンスの自己評価が高いせいで、ハンスはユカリの事を”魔王”すら屠れる存在だと認識しています。

「というわけで、新しい仲間?が加入するよ」

「というわけでじゃないわよ!説明責任を果たしなさい!」


俺は分身(仮にエッジとする)を仲間に紹介した。

単なる能力であっても意志ある存在なら仲間に知らせておいたほうがいいからな。


「簡単です。ユカリ様のスキルである〈ドッペルシャドー〉を同じくスキルである〈並列思考〉の〈並列意思〉が操作しているだけの話です」

「...もう突っ込むだけ無駄かしら?」

「ユカリに関しては常識を当てはめようとするだけ無駄だと思うが...」


ベルとアレックスが呆れたように言う。

お前らその台詞何回言うんだよ...


「まあともかく、クランの正式メンバーとしては扱わない。あくまで影武者みたいなものだと思って欲しい」

「…まあいいか、俺も似たようなスキルはあるしな」


おや?クレルに似たようなスキルがあったかな…

覚えてないけど、本人があるっていうならあるんだろうな…


「影法師…ほらな。ただしお前の非常識な分身と違って俺の動きを真似るだけだな」


クレルが詠唱すると、クレルのすぐ横にクレルそっくりのシルエットの影が現れる。しかし、完全に黒いので影武者には向かなそうだ。


「長く現界し続けると影が薄くなって俺に近づくんだが、俺が逆に影に近づいちまう。そう長く使えるスキルじゃないんだよな…」


そういえば、今日まで色んな戦闘をしてきたけど唯一クレルだけ戦ってないんだよなー。ゲーム時代は強かったはずだし戦ってもいいはずなのに…

しかし、よくよく考えたらシュナもあんまり戦ってなかったし、このチームの偏りが激しいだけか…


◇◆◇


「ちょいと待って下せえ」


放課後、俺が今度は古代弓の解析に勤しむベルの代わりに買い物に行くことになったので、

いつもベルが使うという大通りの商店で買い物をしていたのだが...

出てきたところで見知らぬ男に呼び止められた。

外見からしてチンピラだが、敵意や害意がないことはその油断のない構えでわかった。

只者じゃない...!


「ははは、兄貴の言う通りの女性だ。そう構え無くともいいですぜ」

「何者だ?」

「あー...ハンス兄貴を覚えていやすか?」

「誰だっけか」

「やはり兄貴の言う通り覚えてなさそうっすね...」

「用がないなら帰らせてもらうよ」

「はいはいはい、すいませんな。ハンス兄貴は3日前...ギルドで姐御に返り討ちにされた奴っす。あ、これはハンス兄貴がそう言えと言ったんで...他の幹部、特にイルマ姉貴には言わないでほしいですぜ。」


あー、思い出したわ。ハンスか...

クラフトウェポンとかドッペルシャドーとかの衝撃ですっかり忘れてたわ。

それに、俺のことを襲撃した奴らの事も知りたいし、ちょっと話を聞いてみるか...


「それで?奴は何の用があってあたいを呼びつけたんだい?」

「おっ、思い出しましたかな?」

「ああ。で、用は?さっさとしな!...やるよ」


思い出したから姐御モードに切り替えて話を聞く。

なんかこのノリ癖になるんだよなー。


「はいはいはいはい、姐御、先日襲撃されたでしょう?」

「ああ。返り討ちにしたが」

「はあ...まあいいや。姐御が返り討ちにしたのはうちの過激派どもでしてね。そいつらを姐御の目の前で処刑するからアジトに来てほしいってことなんすよ」


え…?

聞き間違えかと思ったが、目の前の人物は確かに処刑と言った。

異世界とはいえ日本のゲームが元だし、そこまで過激ではないと思っていた俺が間違っていた。人の命が羽毛より軽い…まあ、今更か。


「いくら謝罪とはいえやった奴を殺して終わりってのは気に食わないね」

「そ、そうですかね?」

「謝るならきちんと頭を下げな!殺しは損しか生まねえ」

「わ、わかりました…親分に伝えておきやす」


現実でもマの付く自由業の方達は謝罪を命で代替していた。

流石に日本ではそんなことは無かったが、やっぱりトップが頭を下げるべきだろと思ってしまうのは学生だからだろうか?

ハンスは模範的チンピラだったが、部下までがそうとは限らないようだ。ハンスが頭を下げることに納得しない部下もいるようだ…




その日は普通に帰ったが、数日後手紙が届いた。

あの典型的チンピラと世紀末チンピラが合わさったような集団が律儀に手紙を書くとは笑えるが、内容は笑えなかった。


「すまねえ、姐御。先日は失礼した…だが、俺が謝れというには素直に受けるつもりだった。しかし、それを聞いた幹部の何人かが暴走してな、一応収めたんだが、姐御と決闘しないと納得しそうに無いんだ。改めて...すまねえ」


何で俺がチンピラの組織の内部抗争に巻き込まれてんだそっちで勝手にやってろ!と思うが、どうもハンスの組織は王都で一番大きいらしく、俺のせいで潰れたら恨みを買いそうだし、色々と予想外の出来事に巻き込まれそうだ。...しょうがない、乗りかかった船だ、最後まで落とし前を付けなきゃな…


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