Ep-04 運命の分かれ道
(11/09)少し訂正点を訂正しました
(22/4/08)感想でご報告いただいた点を修正しました。
次の日。
俺は覚悟を決めていた。今日が勝負の日なのだ。
両親は熱病から復帰し、目覚めたウェポンマスターに遠乗りに出かけようという。
しかし、それを阻止することは残念ながらできない。
何故なら遠乗り自体は熱病に臥せるウェポンマスターが言い出したものであるからだ。
ならば、俺にできるのは犠牲をなるべく出さないようにすることだけだ...。
「父さん、母さん。今日はなんだか嫌な予感がする。一応、護衛を連れて行ったほうがいい気がする...」
「お、そうだなぁ。お前が言うのならそうなんだろう」
「そうね。別に減るものじゃないし、連れて行きましょうかしら」
なんとか、護衛を増やすことに成功する。魔族の事前調査によって護衛の数は割れてしまっているため、本来のイベントでは連れていた3人の護衛は手練れによって殺されてしまう。
これで、なんとかリーダーを倒すまでの時間は稼げるだろう。
俺と父母は馬に乗って領都の端まで来ていた。
何気に乗馬服がかっこいい。
「父さん、あれは何?」
「分かってて聞いているのか?娘じゃなかったら馬鹿にされたと思ってお前を不敬罪で処刑しているところだぞ...」
「まあまあ、あなた。あれは....鳥の魔物ですよ。名前は忘れてしまったけれど、たしか肉食だったはずよ」
「どうして襲ってこないの?」
「わからんが...既に獲物がいるんじゃないか?」
その獲物は俺達だけどな...
アレは魔族にテイムされた魔物だ。ゲームの時はいなかったのに...
大方監視だろうが、失念していたな。せっかく増やした護衛の数が割れてしまう。
しばらくすると、森に入った。森の中に道があるのだが、狙ってくれと言っている様なものである。実際ゲーム中でもこのエリアは盗賊系のクエストがたまに発生する。
「お父さん、この森、大丈夫かな?」
「ははは、心配はいらないよ。この魔力羅針盤があれば盗賊や暗殺者なんて簡単に見つけられる。勿論、お前も知る通り、相応に高価だがな。」
お父さん!!それジャミングされてるよ!
と言うわけにもいかないので、納得したふうに黙る。
ちなみにこの魔力羅針盤は魔力を放って戻ってきたものを観測するエコー方式なので、強力な魔素を周辺に撒き散らせば割と簡単に妨害できる。魔族は人間よりも魔力の扱いに長けていて、そういうことも得意であるという設定だ。
「そんなに心配か?なら森の奥の広場までにしよう」
「え、いいの?」
反射的に聞いてしまった。だが父は微笑んで、言った。
「いやなに、幼い頃の嫌な予感は結構当たる。俺もそうだったしな」
「そうだったの?」
「ああ。その時の話でもするか...」
俺と父母を乗せた2匹の馬は森の中をゆっくりと進んでいった...
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