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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都学院編

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Ep-36 仮面との戦い(前編)

久しぶりの長い戦闘描写なので変なところがあるかもしれませんので、気になった方は感想で教えてください


前設定が存在した事は確かですが、無かったことにします。

よって修正前のタツミの名前は忘れてもらいます。

とりあえず、俺は奴と距離をとる。

俺がすぐにタツミ先輩の身に起こってることに気づけなかったのは、

これが”学院で起こるイベントではない”からである。

本来学院では発生しないイベントで、このタイミングで起こるとも考えづらかった。

しかし、昨日の襲撃の後よくよく考えてみればそうだったなと思い返し、今日は少し警戒していたのだが。正直なところ拍子抜けだった…


「昨日の勢いはどうした?天裂破断・十文字連斬!」

「………流刃」


俺の水竜刀が唸り、何重もの死の刃が十文字状にタツミに迫る。

しかし彼女はそれを、スキルで受け流してしまった。

昨日よりも体の使い方を知っているな。


「……朧半月」

「おっと危ねえ!踏み込み斬り!」

「合わせ刀」

「やるね!」


奴が繰り出してきた見えない斬撃を避けながら踏み込み斬りという前方に瞬間移動して斬りつけるスキルを使うが、それをタツミは二刀を合わせることで受け止めた。ギィンと耳障りな音が鳴り響く。


「…返刀(かえしがたな)

「バックステップ!」


そして、受け止めた刀を梃子の原理で跳ね上げてきたので、

エアースライドの上位スキルであるステップ系統スキルで避ける。


「真空斬り!」

「…鎌鼬(かまいたち)


また弾かれた。

一応レベル差はあるはずなのだが、『呪王の仮面』の効果でタツミが超強化されているのと、タツミ自身の技量の高さがレベル差を覆している。

仕方ない、大技を一気に出すしかないな!


◇◆◇


やばい。

私はそう思っていた。

ユカリちゃんは強すぎる…!

昨日放ってきた下手を打てば蘇ることも叶わぬ損傷を負って死ぬ一撃を、

最初に連続で放ってきた。

なんとか流刃で弾けたようだが、1つでも受け流せなければ死んでいただろう。


「……朧半月」


私のそれなりに強い攻撃ですらユカリちゃんは紙一重で躱してしまう。

その上で、こちらに瞬間移動して斬りつけてきた。仮面も慌てているのか咄嗟に刀を合わせて防御した。そして、一気に跳ね上げて攻撃するがユカリちゃんには通じない。ユカリちゃんに殺されるなら本望だけど、やっぱり死ぬのは嫌だ。いつしか私は、仮面を応援していた。


「真空斬り!」

「…鎌鼬」


何度目かの衝突の後、痺れを切らしたのかユカリちゃんの雰囲気が一変した。

まるで戦いを楽しむかのような軽々とした足の運びが、重々しく慎重な物へと変わり、私をまるでイノシシ狩りのように追い込み始めた。


(なに…?)


仮面もその動きに警戒をし始めたが、そもそも仮面も私もユカリちゃんの手札を全く知らない。警戒しようにも、あの十文字の攻撃くらいしか警戒出来ないのだ。

次に彼女がなにをしてくるか、何もわからないのが怖かった。


竜爪連覇斬(りゅうそうれんはざん)!」

「…風壁」


ユカリちゃんが繰り出してきたのは、無数の鋭い斬撃だった。

仮面は慌ててそれを風壁で防ぐが…


「…っ!」


斬撃はいとも容易く風壁を突き破り、私に傷を負わせた。

仮面に力が集まり、傷が治癒する。

しかし、ユカリちゃんはその隙を見逃さず私の頭上へと翔び上がった。


「天衝・飛翔剣」

「…ッッッ!」


ユカリちゃんはそのまま空を蹴って地面に刀をぶつけた。

その衝撃で私の身体がほぼ真っ二つに分かれ、激痛が走る。しかしすぐに傷は治り、痛みは引く。

...ユカリちゃんはわかってるのかな。これ、治るとはいえすっごく痛いんだよ?

もう慣れたけどさ…

勿論そんな事はわかっていないだろうユカリちゃんは、わたしが傷ついたのを確認すると後ろへと下がった。

今更後退?どうして?

私の思考は疑問に埋め尽くされた。


◇◆◇


まずい。

俺は焦っていた。呪王の仮面タツミの強さがゲームの時とは段違いに跳ね上がっていた。

まず、その耐久性。

纏っている霧ローブはゲーム時代では天衝・飛翔剣で十分貫くことができたはずだ。

それに、回復能力も何かがおかしい。ゲームではMP制限のせいで3回しか使ってこなかったはずだ。もし魔力が足りない場合に魔力を使うと何が起こるか...

考えるのもおぞましいものである。あの仮面は...


「ささっと倒さないと…朧十字」


俺はさっきタツミが繰り出してきた朧半月の上位版を使用して一撃を入れる。

見えない攻撃や軌道の読めない攻撃を避ける時、大きな隙ができる。

そこを利用してなんとか仮面に一撃を叩き込もうとするが、仮面は上手く顔を逸らしてタツミを盾にする。仮面ごとタツミを叩き斬るという方法もある。

1番確実で不確定要素のない方法だが…


「前世でもこっちでも、人を殺めるのは嫌だね!」


よほど仕方ない事情でもなければ人を殺すことはしたくない。

ましてや敵でもない尊敬する先輩を。

しかし、このままイタチごっこを続けても収穫が得られないのも事実。

どうすればいいんだ…?


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