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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都学院編

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Ep-29 ギルドに行こう

このまま学園編を続けると方向性がおかしくなるので一旦別の展開を入れます

それから1週間が経った。

その間、どこからともなく現れた女子が


「私は見ましたよ!竜帝リンドヴルムと貴公女ユカリは主従関係!私はこの目で見たんだから!」


などと食堂で一緒に飯を食べる俺とリンドヴルムに向かって叫び、その後2日にわたって質問攻めにあったり、リンドが食堂でドワーフの生徒と飲み比べをして勝ったり(勿論お酒は自前)、アレックスチームとリンドヴルムチームが剣術の模擬試合で激戦を繰り広げたり、色々なことがあった。

そして、ついに学校始まって初の休みがやって来たのだ!


「今日は、ギルドに行くよ」

「ちょっと待った、ギルドって言うと3つくらいあるが、そのうちどれだ?」


俺の発言にクレルが突っ込む。クレルの言う通り、ギルドは3つあって

冒険者ギルド、商業ギルド、探索者ギルドとなる。冒険者と探索者は同じものに見えるが冒険者は何でも屋、探索者はダンジョン探索者という違いがある。

商業ギルドはゲームでは用がなかったが、さまざまな高報酬のクエストが転がっていたはずだ。

今回用があるのは冒険者ギルドの方だな。

ゲーム時代もここでクランを結成できて、そこに沢山のプレイヤーが集っていた。

だが今回はクエストクリアの方に用がある。冒険者ランクを上げれば行動範囲が広がるので、そうやって帰る方法を探そうと思うのだ。

一応心当たりはあって、ゲーム時代メタアイテムのうち一つ、異界の呪文書というアイテムが存在している。これはフレーバーテキストによると、


◇異界に接続するために必要な手順が記された呪文書。

武器に使用すると異界との接続を介して強化を行い、AKシステムと同期する。


というもので、専門用語を訳して説明すると、

武器を異世界のAKシステム(アーカーシャ)と同期して強化するといったものである。ここで重要となるのは異世界のAKシステム、つまりゲーム中で説明される世界の基幹となる世界樹に接続できるという点。

俺はよくわからない理由でこの世界に来た。しかし、元の世界の記憶は当然存在する。ならば、この世界と元の世界は世界樹によって繋がっているはずなのだ…本当に、多分。

これらは全て俺の憶測だが…この世界についてまだ何も知らない俺にとってはこれでも小さな希望となる。そして、異界の呪文書はクランランクがSに到達した時にランダムで受けられるクエストで入手できるのだ。


◇◆◇


「ギルドに行くと言うのはわかった…だが、なんで我まで」

「いいだろ、お前も仲間カウントだし」


俺たちは学院を出て、ギルドに向かって歩いていた。

当然リンドヴルムも一緒だ。竜帝だろうとなんだろうと、俺が一度召喚したんだ、

地獄の果てまで付き合ってもらうぜ。


「はあ、改めて見ても可憐な女性が竜帝を顎で使う光景だけは信じられねえなあ」

「だが、古王国の王女は普通に竜をペットにしていたと言う伝説が残っている…だから別に、おかしいことではないのだろうな」


クレルが俺の方をじとーっと見ながら呟き、アレックスがそれに蘊蓄と共に賛同する。シュナとユイナは、俺の方ではなくリンドヴルムの方を見つつ、質問をしてくる。


「ねえ、リンドってあなたとどういう関係?」

「主従…というよりは雇用契約かな」

「じゃあ私の物にできる可能性もあるってことね!?」

「あっ、シュナさん、抜け駆けはずるいですわよ!」


どうしてこいつらって面食いなんだろうなあ…

お前らにはクレルとアレックスがいるだろ!と思うが、クレルもアレックスもまだ友達以上恋人未満だったな。悪いことしちゃったかなあ…

思い切って俺はフォローに出てみる。


「シュナとユイナにはクレルとアレックスがいるよね?」

「にゃにゃにゃ、にゃに言ってるの!?く、クレルと私が!?」

「ユカリさん、アレックスと私はいわば幼馴染といった関係でして…ああ、でも故郷は同じではないので…擬似幼馴染と言ったような物で…」


しかしフォローは地雷だったようだ。

まだ2人とも恋愛フラグが立ってなかったのか…

特にシュナ、お前クレルとラブラブじゃないか…気づけよ…


「まあそういうことだから、とりあえずギルドに行くぞ!」


こういう色恋の処理が苦手な俺は無理矢理切り上げて足を速めたのだった。

逃避だとかその場しのぎだとか言いたきゃ言え。ただ、俺はそういうことには興味はない。

正直元の世界に戻らないと元男の俺には恋愛に厳しすぎる世界だ...


◇◆◇


「へえ、ここがギルドか...」

「来るのは初めてですわね。立派なたたずまいですこと」


俺たちはギルドの前に立っていた。

ギルドは木造と石造りの融合のような建物で、王都のものだけあって立派だ。

扉は観音開きだが、閉まっている。

いちいち開けなきゃいけないのか...

じゃあ、西部劇のあれでもやるかな?


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