Ep-21 魔法学
ウェポンマスターは魔法職ではないので、MPは特に伸びません
なので、レベル差が無ければ未来の英雄の中の魔法職に(未登場キャラ含む)余裕でMP負けします。
2時間目。
魔法学の時間だが、これも別に特に難しいわけでもない。
ウェポンマスターは当然、武器である〈本〉や〈法器〉を扱えなければいけない。
そのためにも、魔法のマスターは必修科目だ。
...あ、〈魔導士〉という職業もあるが、こちらは全ての魔法への適正と、魔法使用時の補正がかかるだけである。
「それでは、魔法学の授業を始める...っと、時季外れの新入生がいるんだったな。校長自らが招待したなら魔法の授業は必要ないのかもしれないが、一応おさらいをしていこうか」
先生がそう言うと、アレックスが小声で「魔法学は苦手なんだ、ノートをまとめる時間が作れた、感謝する」と言ってきた。
どうでもいいけど囁かないでくれるかなあ...
そして先生が今までの学習内容を解説している間、アレックスは教科書の内容をノートにまとめていた。アレックスは勇者肌のイケメンだけど、どうも論理的ではないからこういうところで苦労するんだよな。実際ストーリー中の武器使いともしょっちゅう意見の違いで対立する。
「さて、これでおさらいは終わったな。それでは本題に入ろうかな?教科書の17頁を開いてくれ。応用水魔術の理論授業だ。実技はまた今度だな」
水魔術か...やっと水が飲めるぜ。
俺はインベントリから「空のポーション(MP)」を取り出した。
そして、呟く。
「ビルドウェポン、中級魔法書」
俺の手元に中級魔法書が出現する。
おっと、ズルいとか言うなよ?
これも立派なウェポンマスターの実力さ。
「ウォーターボール」
俺が詠唱すると空中に水の球が浮かぶ。
俺はそれを瓶に落とし、中身を飲んだ。...うーん、やっぱ魔力で作った水は不味いな。
なんというか、生命を感じさせないというか。
それを見て、先生が言った。
「皆、気づいたかな?今、ユカリさんは水魔法を制御した。この水魔法を制御する方法を使えば、他の魔法にも応用が利くんだ。例えば、この王都を覆いつくすような巨大な光の竜を...ライトボールで作り上げたりとか。」
へえ、ライトボールでそんなことができるのか。
そう思って俺がライトボールの大きさを拡張しようとすると、先生が慌てた風に言った。
「あはは、流石にライトボールじゃ無理かな...広範囲の光魔法...ライトウォールとかなら変改させられるかもしれないけど。」
だよな...流石に元の魔法の大きさを拡張するのは難しいようだ。
無理矢理ならできないこともないが、消費魔力が増大する。
今の俺のMPは1800。もしウォーターボールを水の竜にしようとした場合、1秒間に消費するMPは元の10の10倍の100。18秒しか持たない。
残念ながらウェポンマスターは魔法職ではないので、魔法チートは無理かな。
そう思いつつ、未来の英雄たちの方を見ると...
「ぐぬぬぬぬぬぬ...形が変わらない」
「これおかしいわよ!なんで毎回宙に浮かないで落ちちゃうの?」
クレルは全力で念じているが形を変えるには至っていないようだ。
そしてシュナはそもそも魔法を制御できていないようだ。
「................うわっ!?」
バシャ!
「アレク、集中を切らしてはいけませんわ。いえいえ、この程度の濡れなど...火の精霊よ、乾かせ」
アレックスは集中を切らして水珠を爆発させ、周囲に被害を及ぼしていたが、
ユイナが火の精霊に頼んで乾かしていた。
あのコンビ良いよな。ちょっと抜けてる男としっかりものの少女のコンビ。
黄金コンビだ。パーティ組んだら永遠にやっていけると思うよ俺は。
◇◆◇
「あ、魔力尽きそうだな...ごくごく」
練習をしていたらMPが尽きそうになったので、インベントリからMPポーションを取り出して飲む。するとそれを見ていた先生が叫んだ。
「く、収納空間!?それに、その飲み物は一体...?」
「えっと、MP...魔力回復ポーションですけど」
俺はわざと[収納空間]の部分を無視した。
答えれば面倒臭いことになるからだ。だが、魔力回復ポーションも同様に面倒臭かった。
「魔力回復ポーションだって!?あの超希少な!?」
「ど、どこで手に入れたの!?」
まずい。魔力回復ポーションは確かストーリーでも誰も使っていなかったプレイヤー専用アイテムだ。しかし、プレイヤー専用であるわけで店では売っていない...つまり。
「自分で作りました」
「馬鹿な!あれを作れるわけが無いだろう!」
「嘘じゃないんだけどなあ...」
ああもう、面倒臭い今作ってしまおう
はいはいデリートウエポンデリートウエポン。
魔法の本を消し、ワンドを呼び出す。
「ビルドウェポン、薬師のワンド」
俺の腰に地味な杖が出現する。
これで武器スキル「調剤」が使用可能になったはずだ。
強化もしてあるのでステータス画面では、
◇調剤-LvMAX
・調薬-LvMAX
・魔法薬製造-LvMAX
・薬剤鑑定-LvMAX
・目利き-LvMAX
と表示されているはずだ。
ちなみにこの目利きというスキルは、小説とかだとよく見る【鑑定】スキルと似たような効果がある。目利きの熟練度を上げれば、「物質鑑定」、「生物鑑定」、「鑑定魔術」の3つが手に入るはずだ。だけどそれは今はどうでもいい。
「調剤!」
俺が詠唱するとインベントリから勝手に材料が差し引かれ、俺の手に魔法陣が出る。
そうか、ゲームだと瓶に入って生成されるけどこっちだと容器が無いんだな。
俺は慌ててさっきの瓶に魔法陣をかざす。
すると陣から青色の液体が溢れ出て、瓶に落ちる。液体は瓶に落ちた瞬間濁った透明の液体に変化した。これで完成だ。
「これで完成ですが...」
「あー、もう突っ込むだけ無駄だな。授業を再開する」
人がせっかくMPを消費してポーションを作成したのに、教師は呆れた風に授業を再開してしまった。
「とりあえず、今日は水魔法の応用ができれば問題ない。後は自主練習とする」
そして、その後俺たちは水魔法の応用の練習をし、
クレルとユイナがなんとか水魔法の形を変えることに成功したのだった。
これと言って新たな発見は無かったが、それでも十分に糧と成り得る授業だった。
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