Ep-19 授業開始
土日は投稿しないと言ったな!あれは嘘だ
繋ぎ回なのですんごく短いです。
(21/07/12)ルビが正しく適用されていなかったので修正しました
(22/05/23)アレックスが「大剣使い」になっていたので修正。
魔法学院初日。
俺は何度聞いたか分からない言葉を聞かされていた。
「それではユカリさん、入ってください」
プレイヤーが学院に招待されると、必ずシーズンオフなので途中からクラスに入ることになる。そして、ストーリーで必ず言われる台詞こそ、「それでは●●さん、入ってください」
なのだ。
言われた通りに、教室に入る。
見慣れたメンツが記憶通りの配置で席に座っている。
そして、クレルとアレックスの姿もあった。
「ユカリ・アキヅキです。よろしくお願いします」
そう挨拶すると、クレルが顔を赤らめた。
ゲーム中でああいう反応は見せないので、今回だけのイレギュラーなのだろう。
そして、クレルを横からつついて止める少女。
槍使いの英雄シュナだな。なんて思ってるか当ててみようかな。
多分、
『クレル!いきなり新入生にナンパするんじゃないわよ?』
こんな感じだろう。
シュナはクレルの事が好きだが、結局死ぬまで言い出せない設定だ。
それでも、最後までちょっとだらしないクレルの傍にいてお世話を焼くのはシュナだ。
「さて、新たな生徒が加わったところで朝会は終わろうか」
先生がそう言い、今日の時間割を読み上げた。
語学、魔法学、世界史、武術、薬学、数学で、女子は武術の時間に家庭科があるようだ。
この国は男尊女卑だしどんなに魔法の才があっても前衛に女が出るなんて...といった感じだからな。そして武術と薬学の間にお昼休みがあるようだ。ゲーム時代もここはこの5種類から教科が決まり、ミニゲームを遊ぶことができた。しかし、ここは現実だ。はあ、異世界に行ってまで学校に通う羽目になるとは...
◇◆◇
10刻砂(分)の休み時間が始まり、俺のもとにクレルとアレックス、そして何人かの未来の英雄たちがやってくる。
「なんでお前が3年生の教室にいるんだ!?」
「クレル!知り合いだからってその言い方はないでしょ!」
クレルが言うように、何故俺は3年生になったかというと...
原因はアスキーだ。奴はこの学院の重鎮をやっている。その彼が俺をガン推ししたので、能力十分として飛び級制度を使って3年生まで上がったのだ。
まあ、この学院で習うことなんてレベル800クラスのプレイヤーからしたらチュートリアル中のチュートリアルだから学力に問題はないはずだ。
「ユカリ、まさか君が学院の生徒だったとは」
「アレックス、この方が先日共闘したというユカリさんでしょうか?」
金髪イケメンの剣使い、アレックスと、
〈精霊使い〉のユイナが俺を見つめて喋る。
イケメンに見つめられるとドキドキするな...
これは別に俺が今女だからとかは関係しなさそうだ。
向こうもそんな気は微塵もないだろうし。
「はい、私がユカリです。よろしくお願いします」
「ええ、よろしくお願いいたしますわ、ユカリさん」
ユイナと挨拶を交わし、クレルに話しかける。
「クレル、よろしく」
「ったく...俺は後回しかよ...まあ、よろしく」
なぜかクレルは文句を一回言っただけで普通に挨拶をしてくれた。
少し不思議だったが、問題ない。
「クレル、あなたがデレるなんて珍しいじゃない、何か理由があるんでしょ?」
「う、うるせえ!...ちょっと昔の知り合いに———」
クレルが何か言おうとしたその時、始業の鐘が鳴り響き、語学の先生が教室に入ってきた。
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主人公が女性になった理由はラスボス関連なので言えませんが、近日中にスペシャルエピソードでちょっとだけ話します




