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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都大会編

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Ep-128 本選5 リンドヴルム対アドラー(前編)

お待たせしました。

二日間くらい凄く忙しくて更新できませんでした。

「では、いざ尋常に」

「望むところだ」


リンドと対戦相手が相対する。

今日ユカリ達は「どーせ出来レース、リンドが勝って当たり前だ」

と言って、依頼をこなしに行ってしまった。

なので、剣術大会の出番が明日なので暇な俺、アレックスが観戦することとなった。

対戦相手はアドラー。

別ブロックの「ロイ・カルマン」と同じく、詳細がよくわからず試合展開の読めない選手だ。

だがまぁ、リンドの規格外さに勝てる人間はこの場に一人としていないだろう。

開幕ブレスで全てが終わるだろうしな。


「始め!」


そして、始めの合図が場内に響く。

瞬間、リンドが口を開き.............そこから爆炎が放たれ、

アドラーに向かって雪崩のように殺到した。

だが.............


「消えろ」

「..............なに?」


アドラーが迫り来る炎に手を翳し、何かをつぶやくと、

炎はまるで水をかけられたように消え去った。


「こんな単純な攻撃で俺を........一瞬で倒そうとはな...........舐めるな!」


アドラーの翳した手から、白い閃光から放たれる。

リンドはそれを見た瞬間に消え去った。

いや、違う。僅かに減速したときやっと俺にも見えたが、横っ飛びに回避したのだ。

俺ならあれほどの速度で回避すれば必ず疲弊する。

だが、リンドはそんな様子を一切見せていない。


「ほう、やるな」

「見たことのない魔術だな......貴様、何者だ?」

「何者かと問われたなら、俺は只者だ」


アドラーは両手に白い閃光を纏い、リンドへと殴りかかる。

それをリンドは素早くかわし、空いた胴体に的確な蹴りを入れる。

だが........


「ぬ?足が........」


リンドが足を素早く引き抜く。

すると、その足は少し負傷していた。


「素早くその光を自分に纏ったか。面白い使い方をする」

「お褒めに預かり光栄だ」


アドラーはリンドの後方へと回り込むように動く。

対するリンドも、それへと追随するように方向を変える。


「ちっ、流石は竜族!」

「仕掛けて来んのか?なら.......我から行くぞッ!」


リンドが拳に魔力を纏い、地面に叩きつける。

地面を砕きながら、魔力の波がアドラーへと殺到する。


「無駄だ!」


アドラーが叫ぶと同時に、魔力の波は消え去った。

リンド、恐らくアドラーには放出系の技は...........


「がはっ!?」

「..........」


アドラーが魔力の波を消した瞬間、瞬間的に地面に魔力が集中した。

そして、油断しきっているアドラーに土の槍が突き刺さった。

そうか、魔力の波はフェイントで、拳を叩きつけた瞬間に地面に別の魔術を......

流石はリンド、格が違うな。


「グルォオオオオオォォ!」


リンドが竜の翼を生やし、両腕を元の竜の物へと戻し、凄まじい速度で倒れたアドラーに接近する。

そしてその腕を交差させるように振りぬいた。

X状に深手を負うアドラー。


「やったか!?」


俺が思わずそんな声を上げた瞬間、アドラーが自爆した。

リンドは爆風をもろに受け、あの謎の負傷が全身に広がる。


「危ないところだった。この術を使えなければ負けていたな」

「なる.....ほど、瞬時に自分の術で自分の分身を作り出し、自爆させるか.......!」


そして、リンドの真後ろにアドラーが、濁った光と共に現れた。

アドラーが真上に手を翳すと、そこから鎌のような形をした、朧げな何かが現れた。


「一瞬で倒されそうになった以上、俺も手加減するわけにはいかなくなった、ここで勝たせてもらう!」

「出来るものなら、やってみせるがいい!竜腕緋爪(クロウブレード)!」


リンドの両腕が紅く輝き、そこから外側に向かって幅広の弧状の刃が現れる。

そして両者の激しい衝突が始まる。

片や触れればその部分から傷を負う鎌、片や刃こぼれは片っ端から修復される竜の刃。

俺はそれをただただ、息を呑んで見つめていたが......


「ここだ!」

「させぬ!」


両者が激しく刃を交えた時、

俺は.......


「行け!リンドォォォ!」


つい声を上げてしまった。

だが後悔などしていない。

リンドはそれが聞こえたかは知らないが、ニヤリと笑った。

直後、アドラーに向けて、ノーコンマでブレスが放たれた。

信じられないことに、アドラーはこれに反応し、手から何かを放ってブレスを消し去った。

俺がこの後リンドはどうするんだ?と思って居た瞬間、リンドはもう既に踏み込んでいた。

ブレスを消し去って勢いの落ちた閃光の中を突き進み、

アドラーの前へと現れた。

リンドは地面に足をドンと叩きつけ、力の支点をがっちりと固定する。

そして、両腕を振るった。


ギィイイイイイ!


「やった、防げ.............ぐああああああぁぁぁ!?」


一瞬、リンドとアドラーの一撃は拮抗した。

だが、再び地面から槍が突き出て、アドラーの右腕を貫いた。

利き手を潰されたアドラーに、リンドが迫る。


「終わりだ」


リンドの刃が一振り。

それでアドラーの身体は上下の二つに両断される。

そして、もう一振り。

アドラーは縦に両断される。

これで勝った.....俺はそう思ったが、リンドはアドラーから素早く背を向け、

虚空に刃を構えた。

直後、何かが激しく衝突する音が鳴り響き、虚空からアドラーが濁った光と共に姿を現す。

その手には閃光で形作られた剣のようなものを握っている。


「また、あの術か」

「そうだ」


アドラーがそう言った瞬間、背後でリンドが斬ったアドラーが爆発する。

だがその爆風は.......


「何?」

「来たれ、崩壊の気よ!」


リンドの背後で飛び散った筈の爆風が、意志を持ったかのようにリンドに殺到する。

アドラーの剣か、爆風か。

どちらも受ければ致命傷へと成る。

だが....


竜旋跳撃(ライジングテンペスト)!」

「ぐがっ!?」


リンドがバレエダンサーのように空中へと飛んだ瞬間、竜の翼で加速しながら高速回転した。爆風が全て発生した上への気流で上へと跳ね上げられ、回転に巻き込まれたアドラーは。剣と共に切り裂かれて吹っ飛ばされる。


「未熟だ」

「そうかもしれないな」


素早くアドラーは立ち上がる。

そして、唇を切ったのかそこから流れ出る血を拭った。


「なら、是非とも未熟な俺にご教授願いたい」

「我に任せるがいい」


両者は再び、互いの武器を携え激突するのだった。


総合大会編にしか多分出てこない〈崩死〉のアドラーさん.......

実は、総合大会に幻獣がこだわるのはユカリを排除する以外の目的もあったりします。




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