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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都大会編

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SEP-12 魔改造ダンジョンと新メンバーたち

驚愕の四千文字。

下手なことは書けないので設定を練りまくっていたらこんなに遅くなりました。

頑張って読んでください。

「おらあぁぁぁ!」

「グボアァァァァ!」


俺の力の乗った一撃が、翼竜(ワイバーン)をなぎ倒した。

重量のある巨体が、轟音を立てて地面へと倒される。


「とどめだ!」


俺は踏み込み、とどめを刺すために翼竜の元へと跳んだ。

.................俺が今何をしてるかって?

そりゃ.....魔物討伐だよ。

たまには依頼を受けようかな、と思って取った依頼が魔物討伐。

山脈地帯に巣食う翼竜の群れを倒してくれという依頼だが、

数が多く報酬額も低いわで塩漬けとなっていた。

丁度いいから経験値(レベル)に変えてしまおうと思ったのだ。

だが.............


「うわーーーーー、も、もうやめてくれ!」

「お願いだ、命だけは!」

「俺たちは安住の地を探してきただけなんだよ!」


翼竜が喋った。

この世界では知性の有無はある一つだけの違いだ。

そう、こいつらは恐らく、ダンジョンから逃げてきたのだ。


「.......お前ら、どこのダンジョンから逃げて来たんだ?」

「だ、ダンジョン......?ダンジョンってなんだ?」

「俺を見ても俺もわからんよ。....兄貴、知ってる?」

「俺が知る訳ないだろ!」


どうやらマジらしい。

じゃあどっから来たんだ。

それを武器を構えながら問い詰めると.....


「俺たちは南の翼竜の谷から来たんだ」

「あそこはキツイぜ......」

「俺たち第七飛空隊でも、流石にあれはな......」


訊けば、南の翼竜の谷は現在翼竜の住処ではなくなっているらしい。

数十日前に谷に何かが起きて大部分が消失、翼竜たちは安住の地を求めて各地を彷徨っているらしい。まーた幻獣か。


「ふーん.....じゃあさ、お前ら私が安住の地を用意してやるって言ったら何でも言う事聞くか?」

「..........話がうますぎる、怪しい」

「別にお前らをここで肉塊に変えちゃうこともできるんだぞ?」

「.....兄貴、こいつの強さは底知れない.....降参しよう」

「分かった、従おう」


なんか生意気だな....

そうだな。


「私の事を姐御と呼べ」

「「「はっ、姐御!!」」」


どうしてこうなった。

まあ、いいや。

俺はダンジョン通話である魔物を呼びつける。


『お呼びでしょうか、マスター。』

「ああ、呼んだ。早速こいつら全員をダンジョンのエントランスに転移させろ」

『わかりました』


俺の目の前に、スーッとボロ布を着た骸骨が現れる。

アークリッチだ。

本来死霊術を専門とする魔物なんだが、転移術を研究しまくった人間を別のリッチキングが死霊術で蘇生した結果、転移術の使えるリッチが誕生した。

新生魔物なので俺に対する敵愾心はない。


『では、今より皆さんを移動させます』

「「「分かりました」」」


翼竜3体は素直に頷いた後、何かに気づいたように顔を上げた。


「あ......」

「そういえば、他の奴らは?」

「そうだった!」


というわけで、俺がボコボコにした他の翼竜8体も一か所にまとめて転移させた。

内1体は残念ながら普通に経験値になってしまっていたが、


『リッチキング様........お願いします』

『うむ、いいじゃろう......それ、もう蘇ったぞい』


リッチキングによって骨翼竜となって蘇った。

喋ることはできないようだが、進化すれば喋れるようにはなるだろう。

それよりも..........


「なんでこんなに発展してるんだ!?」


俺の視線の先、メニューにはゲームでも見ない規模のマップが広がっていた。


◇◆◇


〈ダンジョン状態〉

ダンジョン名:ユカリ謹製魔改造ダンジョン(薄暗い洞窟) Lv:2512

総モンスター数:882456820191

階層数:1022

平均レベル:35200

獲得マナ:8000/1d

獲得DP:283520/5m


これが今のダンジョンだ。

元は階層数1021だったが、俺が翼竜のためにエリアを作ったので、

一つ増えた。

翼竜にエリアを作ったのは.......


「なあ、お前ら第七飛空隊って言ってたけど、他にも行き場を失った翼竜はいるのか?」

「はい。挙げられるだけでも数十体で構成される数百の部族と、第一から第二百十二まである俺たちと同じく十から十五体で構成される飛空隊があります」

「............それをもっと早く言ってよ!」


という訳で、以前創ったエリアよりデカいエリアを作ったのだ。

勿論地下だが。

何故か青空が広がり、綺麗な空気が吸える。

風もある。

……もう突っ込まないほうがいいんだろうな、この辺は。

今はまだ、第七飛空隊には広すぎる場所だが、いずれはここを翼竜が埋め尽くすこととなるだろう。

俺は翼竜エリアを離れることにした。

渓谷の崖の岩棚にぽつんとあるドア、そこに入ると......


「ふむ、やっぱり凄いな」


未来基地といった風な廊下に出る。

壁には謎の筋が走っていて、そこを光が行き来している。

.....謎だ。


「とりあえず、外に出なきゃな」


そう呟いた瞬間、壁を通り抜けて女の子が出て来る。

上位死霊(アークレイス)か。


『マスター、出口へご案内します....』

「ああ、ありがとう」


俺は死霊(レイス)の案内に従って、廊下を歩く。

途中、


「ガーディアンゴーレムか」

『はい.....』


ガーディアンゴーレムとすれ違った。

死霊が言うには、初期に大量に召喚されたガーディアンゴーレムだが、

現在は上位種に進化した一部のゴーレムを除けば充分な防衛力を持っていないとされて、

基地内の巡回に回されているらしい。


「なんとも......可哀想だな」

『彼らに意思はありません』


そりゃそうだけどさ。


「そういえば、このダンジョンの”出口”って?」

『このダンジョンの出口は、基本的には4つです。地上部分に露出している洞窟の入り口、山岳エリアの頂上付近、そして南の森林地帯に存在する飛空艦発進口、最後に『転移使用可能』なエントランスとなります』


なるほどなるほど。

元々の入り口の洞窟入り口に、そこからさらに東に進んだところにある山の山頂にある入り口か。

飛空艇、飛空艦の発進口は初めて聞くな。

そういうものがあるとは知ってたけど、どこから出ていたかはわからなかった。

そして、このダンジョンはどうやらエントランス以外には転移が使えないらしい。

道理でさっき皆でエントランスに飛んだわけだ。


「お、一気に広くなった」

『ここはこのダンジョンの血管といっても過言ではない、連絡通路ですから』

「ふうん....」


しばらく歩くと、急に天井が消えた。

上を見上げるとビルの5階建てほどの高さの天井があった。

振り返ると、今まで通ってきた道は壁に空いた穴のようになっていた。

道幅も一気に大きくなり、2車線の道路くらいになっている。

恐らく緊急時には[召喚(サモン)]や[転移門(ポータル)]などの魔技を使わずこういう通路を使って移動するからなんだろうな。

そう思っていると、丁度カーブを曲がって、巨大な竜が歩いてきた。


「GURURURURURU.........」

「こいつは.....」


◇風魔竜 Lv:32509

個体名:ホロリン


〈魔技〉

[風魔術][竜眼][飛行][纏魔][察知][覚醒].......etc


こいつがホロリンか。

ホロリンは鋭い目で俺を舐めるように見て.....


「GURURU♡」

「えっそれは.......」


でかい頭を擦り付けて甘えてきた。

しょうがないのでナデナデをして返す。

すると、俺の頭の三倍くらいデカい舌で舐められた。

......まあ、いいか...


「ホロリン、出入り口まで付き合ってくれない?」

「GURAU!」


どうやら付いてきてくれるらしい。

何でこの道を通っていたかはわからないが、まあいいだろ。




その後、巨大ドックを通ったり、

魔物の居住区を見て回ったりしながら、俺たちはこのダンジョンの構造的な中央であるエントランスの近くまで来た。

のだが。


「おい、ホロリン....?」

「...................」


ホロリンがある一点を見つめて立ち止まってしまった。

そっちに何かあるのか?

と思っていると、微かにいい匂いがしてきた。


『.....そちらには食堂があります。死霊には無縁ですが....』

「行こうか」


俺もちょっと腹が減って来たし、

ダンジョンの飯にも興味がある。

俺が行こうかといった瞬間、ホロリンが食堂の方向へ猛ダッシュして行った。

お前......竜の威厳はどこへ.....?

とりあえず、食堂エリアへと入る。

ここも翼竜エリアと同じく、隔絶された圧縮空間のようだ。

滅茶苦茶な大きさのホールのような場所になっていて、

沢山の魔物がいる。

今は時間的に夕方なので、暇な部署の魔物が飯を食いに来ているのだろう。

俺は魔物グルメに期待したが...............................


「何だこりゃ」

『...........効率的に魔物を養うために、マスターの記憶から引き出した情報を元にナイトロードバット様が創り出した合成食です』


宇宙戦争ものに出てきそうなペースト状の食事が出て来た。

一応、ダンジョンの内部で流通している通貨でまともな食事も摂れるようで、この合成食は末端まで栄養を行き渡らせるための手段のようだ。

仕方ないので完食する。

薄味だが味が付いていて、まあまあ美味しかった。

ホロリンは、どうやって払っているのかは知らないが、デカい肉の丸焼きを丸齧りしていた。




そして、俺たちはエントランスへと辿り着いた。


「じゃ、ありがとな。死霊、ホロリン」

『職務ですので』

「GURUU!」


俺は振り返る。

すると、そこには俺の見たことない魔物が溢れかえっていた。

どうやら俺の見た目に引かれて集まって来たらしい。

人間はこのダンジョンにはいないからな。


「じゃあな、皆。頑張ってダンジョンを守ってくれよ」


俺がそう言うと、皆が俺を見る。

多分ダンジョンモンスターが全員持っている[鑑定]で俺を見たな。

そして、ダンジョンマスターという肩書きに気づいたはずだ。


「テレポート!」


俺はテレポートを発動して、その場から消え去った。

ホロリンは未練がましくその場に残っていたが、死霊はさっさと戻って行った。

魔物たちはどうすればいいかよくわからず、固まっていたが、

波が引くように元の場所へ戻って行った。


「GURURUUUU....」


ホロリンは寂しそうに首を振って、エントランスを去って行った。









「うおおおおおお!待ちやがれ、第二飛空隊!!!」

「ユカリ様の命令だああああ!大人しく降伏して傘下に入れ!」

「ヒャッハァァァァ!第二十七果樹部族ゥゥゥゥ!!戦おうぜぇええ!」


その後、第七飛空隊が全力で各地を飛び回り、

全ての各地に散らばった翼竜が回収されたが、

第七飛空隊の面々がやる気を出しまくったせいで、

ほぼ全員が俺にひれ伏して俺が悲鳴を上げるのは、また別のお話。


翼竜たちやこの話で登場した魔物はこの先結構重要です。




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