Ep-121 本選3 シュナ対ディーラ(前編)
前後編に分けます。
ガーランドさんと違ってディーラは割とストーリー多いので待遇イイです。
一触即発。
まさに、舞台の上はそんな感じであった。
凄まじい圧力と、畏怖を抱かせる殺気を放つディーラと、
それを受け流しつつ、背後からそれに匹敵する殺意を放たせるシュナ。
「女が戦いに............か。」
「なんか文句でもある?」
ディーラはシュナが返答を返してくるとは思っていなかったのだろう。
少し驚いた顔をして、すぐにニヤリと笑った。
「ふむ...........どうやら、少しは骨があるようだ。全力を出すに値する」
ディーラはそう言い、頭の少し上に触れた。
直後、そこから王冠が現れ、ディーラの全身が変化していく。
何の変哲もない茶髪はくすんだ金髪に、
瞳は茶目から金眼へ、
そして、肌の色も肌色から紫色へと変化する。
最後に、頭に二本の角を生やして変身が終了した。
「貴方........魔族なのね」
「そうだ、俺の名はディーラ。魔王候補だ!」
ディーラはそう言って、先程とは比べ物にならない圧力を放った。
「始め!」
「.............」
「恐れたか?今からでも棄権するか?」
魔王がじっと動かないシュナに優しく声を掛けるが..........
シュナはそっと槍を抜き、軽く突いた。
ズドオォォォォン!!!
「ぐぼぁっ!?」
「大丈夫―—————————私、強いから」
シュナはそれだけ言って、先程のディーラのように、いや、それ以上に
真っ白な歯を剥き出しにして笑った。
「.........な、なるほど...王国の女は強いって事か」
「行っていいかしら?」
「ああ......来い!」
ディーラがそう言った瞬間、シュナの姿がかき消えた。
観客はシュナの姿を見失うが.........
ディーラは、シュナの姿を捉えさっと避けた。
シュバァオオオオオオン!!
だが、ディーラが避けなかったことでその突きは甚大な被害をもたらした。
地面を抉り取り、結界に激しく衝突する。
そして、結界が明滅した。
「け、結界損耗率47%!結界班!新規結界展開用意!」
そのアナウンスを聞いた魔王が蒼褪めた。
もし、今の一撃を食らっていたら.........?
自分の皮膚より結界の方が柔らかいのは事実だが、
深い傷を負うのは確かだろう。
そう感じたディーラは、早急にシュナを潰さないとヤバイと実感し、
一瞬にして音速に達してシュナの前へと現れ、剣を振りかぶる。
シュナはあまりの速度に反応しきれていない。
(殺った!)
ディーラは凶暴な笑みを浮かべて剣を振り下ろした。
だが........
ガイィィィン!
「なに!?」
虚空から現れた筋肉質な拳が、ディーラの大剣を受け止めていた。
すぐに虚空から現れるように、筋肉の塊のような男が虚空より現れる。
「助けてくれたの?武神」
『音速に達したものを知覚できないとは、まだまだだな、シュナよ』
「あう......私は子猫じゃ無いのよ!」
『似たようなものだろう』
男はシュナの頭を撫で、前を向かせた。
ディーラは、天性の勘で武神の底知れない強さを感じ取っていた。
「お、お前........なんだ?何なんだそれはッ.....?」
「何って......武の神、武神だけど」
『シュナよ、素直に会話に乗るでない。直ぐに排除してやろう』
そう言って、武神は戦闘形態へと移行する。
腕が二本から六本へと増え、
全身から凄まじい力が溢れ出る。
それと同時に、シュナにも変化が現れる。
黒髪と茶髪は金髪碧眼に、全身に幾何学模様が浮かぶ。
「武神.........勝手に私まで強化しないでよ。皆が見てるんだから恥ずかしいでしょ」
『すまぬ.....どうやら我が戦闘形態へと移行すると、繋がっているお前も同じようになってしまうようだな』
「くっ..........素早く終わらせる!」
「させるか!こーなったら、たっぷり衆目のもとに晒してやるぜ!」
ディーラは音速で後ろに下がる。
だが..........
「素早く、って言ったでしょ?」
「速すぎだろ!」
今度はディーラの動きを追っていたシュナが、同じく音速でディーラへと迫る。
そして、シュナとディーラの腕が同時にかき消える。
ガァアアアン!
槍と大剣が激しくぶつかり合う。
本来なら柄が折れて直ぐに負けるはずの槍は、大剣を変わらず押し返している。
そして...........
ビキッ
「おいおい、俺の大剣にヒビが入ったぜ!?」
「脆い剣ね、打ち直した方がいいんじゃない?」
「これでも伝説級なんだがな........ボロっちいから、そろそろ修繕がいるとは思ってたぜ!」
ディーラは放たれた突きを横っ飛びに躱しながら、無数の魔力の斬撃を放つ。
『そのような小手先だけの攻撃など無駄無駄無駄無駄!』
だが、それらは全て武神が弾き飛ばす。
六本の腕から放たれる正確無比な一撃は高い威力を誇り、
傷を負うことも無く全てを弾き飛ばした。
「ちぃぃ、ダークフレイム!」
ディーラの周囲に4つの黒い炎が浮かび、次々とシュナの方へ飛ぶ。
だが......
『無駄だ』
全ての炎は六本の腕に受け止められる。
だが、ディーラは既に次の詠唱に入っていた。
「タイダルウェイブ!」
大波が発生し、シュナを襲う。
だが.........
『ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラァ!!』
押し寄せる水を全て弾き飛ばし、シュナだけを守り切るというまさに神の業にて
それらは無効化された。
だが.......
「お次はこれだッ、サンダーボルト!」
空より雷が落ち、シュナを襲うが..........
「私は別に動けないわけじゃないし」
魔法は武神降身シュナや武神の領域からすれば、「遅い」ので、
発動前に避ければ何の意味も無い。
だが、武人であるにも関わらずそれに気づかない魔王は、
ひたすら魔法を放つ。
だが...........
「私たちが」
『負ける道理などありはせぬ』
全てを跳ね除け、シュナと武神は徐々にディーラを追い詰めていく。
そして.........
「これなら......」
「勝てる?」
「魔王が、負ける!?」
観客席に、シュナへの期待の波が広がっていく。
誰もが、シュナが勝利すると思った瞬間..........
「あーあ、面倒臭せえ」
槍に貫かれたディーラが、ふとそんな言葉を漏らした。
直後、武神はシュナをぶん殴った。
吹っ飛びながら、シュナの顔が驚愕に染められる。
「武神........ッ!?」
シュナに向かって、武神がにっこり笑った。
直後、膨大な魔力が爆発し、周囲を魔力の嵐が蹂躙した。
結界が一瞬で破砕され、観客席にまで余波が及び悲鳴があちこちで響く。
膨大な魔力は雲を吹っ飛ばし、天高く噴き上がった。
武神によって距離を取ったとはいえ、触れるだけで致命傷を負う濃密な魔力はシュナを呑み込み..........
50人も読んでくれてるなら、1人くらい率直な感想が欲しいな.......
と思ったり。
べ、別に感想が欲しいわけじゃないんだからねっ!
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