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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都大会編

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Ep-117 本選1 ユカリ対セシル(中編)

書いてたら3000文字行ってたので分けました。

しょうがないね

「ユカリちゃん!」


私、タツミ・フウカは、ユカリちゃんのピンチに思わず立ち上がった。

紫色の霧を放つ沼が舞台全域に広がり、ユカリちゃんは降り立つ地面を失った。

専門は呪術だけれど、呪王があの沼はまずいと言っていた。

どうするの、ユカリちゃん..........?

ユカリちゃんは成す術も無く落下していき.........


魔龍翼(フリューゲル)!」


その途中で、滞空した。

観客たちが、一斉に沈黙した。

見れば、ユカリちゃんの背から........翼?

鳥の翼のようなものが生えていて、ユカリちゃんを空に漂わせていた。

ユカリちゃんは、翼で羽ばたき、舞台上空へと飛び上がった。

それで、沈黙に包まれていた観客達は、一斉に歓声を上げた。

空気がビリビリと震える。

感情に色があるとすれば、今はきっと、この場所から白い光となって噴き上がっているだろう。

ユカリちゃんはセシルの上空を旋回している。

どうするつもりなの?ユカリちゃん.........?


「レインアロー!」


まだ冬の最中、冷え切った空気を裂いてユカリちゃんが叫ぶ。

空を切り、光る矢がセシルを襲う。

だが.........


「邪なる力よ、我が元に集い、我を永劫なる消滅より護り給へ」


半円の障壁が矢を阻む。


「もう分かってるんだよ!クリムゾンアロー!」


追加とばかりに、紅く光り輝く矢が放たれる。

セシルはそれを当たり前のように弾こうとして.........

障壁を貫いた矢に、右肩を貫かれた。


「かっは........!」


一瞬、矢に意識を取られたセシルに、ユカリちゃんが迫る。

翼を使って加速し、滑空する。

まるで狩りをする隼のように。


「クリエイトウェポン!ルミナイトソード!スキルセットチェンジ、セット.....パラディン!」


光の剣を持ったユカリちゃんは、沼の水面ギリギリを低空飛行しながらセシルに迫った。

だが、当然セシルも大会に出れるほどの腕前。

ユカリちゃんの前に、禍々しい手が組み合わされ立ちはだかる。

今度こそ、どうするの、ユカリちゃん........!?


聖天剣突(ミカエル・ラッシュ)!」


ユカリちゃんが白い光を纏い、さらに加速する。

でも、その程度じゃあの手は破れそうにもないけどな......

心配する私と同じようにセシルも、余裕そうな表情で叫ぶ。


「ハハハハ、その程度の聖術で邪神の護りが........何!?」

「いっけえええええ!」


ドゴン、と激しい衝突の後、セシルが後方に吹っ飛ばされ、手と沼が消え去る。

それきり、セシルは動かなくなった。

勝ったの?......ユカリちゃんの勝ち?

だが、ユカリちゃんは素早く後ろに下がった。

直後.........セシルの身体が大爆発を起こした。

そして、自爆かと思い安堵する観客に、爆心地に降り立った”邪術王”は絶望を宣言する。


「邪神の化身たる邪術に.........不可能など無い」


そう宣言したセシルの身体には、何の傷も残されていなかった。


◇◆◇


なんか、セシルが回復した。


《回復や治癒ではありません。身体を一度消滅させ、全体を再構成したようです》

(そんなのアリかよ!?)


治癒魔法や薬は使っていないので、大会の規則には抵触していない。

けど、これは.........

ズルすぎるだろ!


《神眼発動の結果、対象の身体に変異が見られます。過度の使用は出来ないようです》

(あっそう)


まあ身体を再構成なんて魔術でもできないので、

相応の代償はあるだろうな。


「それなら....クリエイトウェポン、黒鋼槍(ブラックタイトスピア)!クリエイトウェポン、空間盾(ウラヌスシールド)!スキルセットチェンジ、セットスピア!」


回数制限があるのなら.....いくらでもボコって、

限界が来るまで戦おう。


「空転・水月!」


俺は再び波に乗るように移動する。

そして、隙を窺う。


「邪神の封地へと繋がる門よ開け、門より出でよ、邪神の生み出しし者にして至高の生物たる邪兵たちよ、顕現し、我にその力を示せ」


なんか詠唱してるな、と思った時にはもう時すでに遅し。

セシルの前に黒い歪みが現れ、そこから三体の何かが現れた。

凄まじく劣化した風に見える黒い鎧と、剣を持っている。

いや、剣だけじゃないな。左から、剣士、槍兵、盾兵か。

盾兵が一番厄介だが、防御が硬くて狙っている間に他の奴らに狙われたら厄介だな。

ならこっちも行かせてもらう。


「ドッペル・カレイドスコープ!」


俺は分身を三つ出す。

この場合相手の兵士に知能があるか分からないので、全員に自由意思を与える。


「行くぞ!」

「クリエイトウェポン、ホーリーソード!スキルセットチェンジ、セットパラディン!」

「クリエイトウェポン、ルミナイトボウ!スキルセットチェンジ、セットパラシューター!」

「クリエイトウェポン、ジャッジメントクリーバー!セットアックス!」


そうだ、アレを試してみるか。

俺はそれを発動させる。


「リンクスキル!」


本来なら他のプレイヤーが近くに居なければ発動できないこの強化方法だが、

どうやら分身もカウントされるという事に俺は気づいた。

別にアレックスとかクレルでも使えるが、観客席のアイツらは圏外だ。

俺と分身たちを光が包み、力が増幅される。

コイツはメニューの機能なので一切の消費無く使えるうえ、MPも回復する。

だが、これの何がえげつないかというと.......

俺たちをABCDとすると、

俺がBにスキルリンクでバフを掛けたとする。

Bはスキルリンクで俺含むACDに強化されたバフを掛けることができるのだが......俺は強化されたバフを受け取った後、さらにBに強化をかけることができる。

勿論、効果は微々たるものであるし、いかに増幅しようとも数十分かかる。クールタイムがあるからな。だが、時間が立てばたつほど強くなるこの力は、まさに無双で......はないな。

無双ってのは......


「ホーリースラッシュ!うわっ、力強ッ!?」

「アックスブースト!たあああ!うわ、槍で斧を!?」

「光の矢で盾を破れない!?」


こんなんじゃないよな。

何とかMPの減少は抑えられているが.....

俺はセシルから放たれた矢をさっと避ける。

セシルも攻撃を仕掛けてくるんだよな。

あ、そうだ。


「ドレインシールド!」


ついでなのでちょっと試してみる。

セシルの矢が構えた盾に突き刺さったが、とくに何かが回復したりはしなかった。

残念。

俺は変身戦隊よろしく殺陣を繰り広げる分身たちを放置して、一気にセシルに接近する。


「スピアラッシュ!」

「邪神よ我をッ!ぐあああ!」


俺の槍が振るわれ、セシルを襲う。

短縮詠唱は使わないのか、セシルは慌てて防御しようとして失敗し、

左肩、右胸の少し下、脇腹に槍が深く傷を残した。

傷から出血し、右胸には穴が開いているようだ。

アレは相当辛そうだ。


「お、前.........分身を操ってるわけじゃ、無いのか......?」


俺がふと後ろを振り向くと、分身たちが動かなくなった兵士をボコっていた。

もしかしてこの兵士、MOBAゲーみたいに一々操作しないといけないのか?


「さあね」


俺は槍を首に突き刺した。

そして、空転・追憶でささっと後ろに下がる。

セシルが自爆し、爆煙が立ち込める。

そして、その煙を切って、セシルが飛び出してきた。

腕に変異が及んで、某特撮の怪人みたいになっている。

爪の生えた醜い拳が俺に放たれるが....


ガァン、ボゴォン!

盾で弾き、槍で受け流す。

がら空きの腹に鋭い蹴りが飛んで来るが、回避したり防御すれば隙を生む。

ボソボソ何か詠唱してるし、そのまま受ける。


「っく!」

「なっ?」


俺が受けるとは予想していなかったのだろう。

確かに今ので内臓が傷ついた気がする、戦術としては愚かだろう。

だが、それ以上にヤバイ何かを詠唱していると俺は直感で感じた。

俺は腹を抑えながら、空転・雷動で後ろに下がる。

予想通り、セシルが遠く離れた俺に驚きの視線をぶつけた。

直後、セシルを中心に黒い光が発生し、その光は俺を呑み込んだ。


「ま、またか!」


俺は本日二度目のピンチに直面し、自分のできることを慌てて考えた。

しょうがない、アレをやるか................

俺は視界を塗りつぶしていく黒い光を見据えた。


対セシル戦は長いけど他はそうでもないです。

決して戦闘増やして登場キャラを増やしたくないわけではないです。




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