Ep-104 予選3 シュナ対ゴードン
シュナさんは書くことないんで短めです。
もう1話頑張って書きます。
「お前が俺の対戦相手か?」
「そうよ」
「そのような華奢な手で俺と戦えるとでも思っているのか?」
空き地の中心にて、筋骨隆々の男、ゴードンがシュナへと問う。
シュナはその問いに…
「本当に武人なら、見た目だけで決めつけたりはしないものよ」
「ふむ…そうだな、俺が迂闊だった」
凛とした表情で答えた。
ゴードンも、悪人では無いのかそれで態度を改めた。
高圧的な雰囲気から、対等な姿勢へと。
「いい勝負が出来ることを期待している」
「こっちもよ」
「始め!」
二人はまず、互いに距離を取る。
ユカリのように一瞬で、クレルのようにナイフで戦ったりはしない。
単純な力のぶつけ合い。
それで一番重要なのは…間合いである。
「はぁああああああ!」
「どぉおおおおおお!」
充分に距離を取った二人は、そのまま地面を蹴って互いの方向へと跳んだ。
そしてゴードンは拳を構え、シュナは肩に吊った槍を抜いて構える。
そして拳と槍の穂先が激しく衝突する。
本来であれば根本からべきりと折れてもおかしくない槍は、気力、魔力そして武神の力で強化されているので折れない。よって…
「ぬぬぬぬ…ぅぅうううおおおあああっ!?」
力負けしたゴードンが吹っ飛ばされる。
勿論シュナがそれをただ見ているはずがない。
宙を飛ぶゴードンを追いかけるように地面を蹴って跳ぶ。
「たああぁぁああっ!」
「なんの!」
シュナが突き出した槍を、ゴードンは身を捩り紙一重で避ける。
そして、空いた足で強烈な蹴りを放つ。だが…
ドシッ!
「な、なんだ…何だそれは!?」
シュナの前方に現れた半透明の武神がシュナの胸に向けて放たれた脚を掴み、止める。そして、そのまま場外の方向へと放り投げた。
「なあっ!?ぬおおおおおおお!…仕方ない、空圧握撃!」
ゴードンは拳を進行方向に向け、何かを放った。
それで勢いは落ちたようでゴードンは場外ギリギリに落下した。
素早く立ち上がり、シュナから距離を取る。
『何だ、情けの無い…シュナよ、武神降身で一気に片付け…』
「だめよ」
『何故だ』
パワーでぶっ飛ばして終わろうという武神にシュナは心底呆れたような目を向ける。
「力勝負は戦いの醍醐味、楽しまなきゃ辛い鍛錬が報われないわよ」
『そうか…』
「あ…でも、その状態なら加勢してもいいわよ」
『そうかそうか!やってやろうではないかぁ!!』
武神はそのまま、フィールドの反対側にいるゴードンに突撃するが、シュナから7メートルほど離れたところで何かにぶつかったように止まった。
「ダメよ、武神様。貴方はユカリの言うところでは『近距離パワー』型らしいから、「射程距離」外には行けないわ」
『むむむ、残念…では、シュナ。動くがよい』
武神を携え、シュナは駆け出す。
「おおおおおおっ!」
「らあああぁぁぁ!」
凄い形相の半透明のゴリマッチョと、普通の女が槍を構えて走ってくる光景はかなり異様である。だがゴードンは怯まず、腕をクロスさせ防御姿勢を取った。
だが…
『我が武神の一撃!』
「ぐぼぁ!?」
神の一撃に耐えられるほどではなかった。
ゴードンの腕を容易く貫通し、腹に突き刺さる拳。
そしてそこにシュナのラッシュが入る。
「らぁぁあああああああああっ!」
〈スピアラッシュ〉では無い槍の連撃。
本来であればスキルに劣るはずのそれはゴードンに致命傷を与える。
それは武器に起因する事象だ。
スキルのダメージは通常攻撃より劣るので、どうしてもスピアラッシュよりも通常攻撃の連撃の方が強いのだ。(byユカリ)
「…負けたか」
「両腕を潰されて内臓も傷ついてるけど…それでも戦うならいけるわよ」
「いや、降参しよう…」
「………勝者、シュナ!」
こうして、シュナとゴードンの戦いは呆気なく終わった。
まあ激戦を繰り広げられるのは強者の特権。
地味な力比べといえばこんなものである。
特に歓声が上がることもなく、拍手に迎えられシュナは観客席へと戻った。
↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。




