Ep-101 大会説明と参加者たち
前置き回です
時間がないので編集は後回し
「では、皆様頑張って下さい」
そんな言葉と共に、大会の説明会は終わった。
俺たち参加組は一箇所に集められ、大会の日程や行程、ルールなどを説明された。
もっとも、この大事な説明に不参加のヤツも居るみたいだが…
「………」
「アレックス、どうしたんだ?」
「お前は気楽でいいな」
「剣術マニアのお前には剣術大会なんて楽々だろ?」
「馬鹿言え、剣術大会にはかの剣聖も出場するんだぞ。そう楽に行くか」
俺の一個前の席ではアレックスとクレルが言い争いをしている。
仲良いなあ…
「シュナちゃん、予選大丈夫?」
「先輩こそ大丈夫ですか?」
さらにその横でシュナとタツミが話し合っている。
そして、
「ベルよ、大会では腕に覚えはあるか?」
「勿論よリンド。ダンタリアンも居るし、魔力操作の練習は欠かしていないから」
かなり前の方の席では、リンドとベルが話している。
ラブラブだな。この場で喋るわけにはいかないので黙っては居るが、ダンタリアンの魔杖が強く発光している。…プッツンするなよ……?説明会場が吹き飛んでしまう。
俺が会場を見渡していると、両肩を叩かれた。
慌てて振り向くと、
「ユカリ、明日から頑張ろう」
「アラド…」
「姐御も出るんだな!…当たったら手加減してくれると助かるぜ!」
「馬鹿者、カイ貴様本当に戦士か?勝てない相手にも全力で立ち向かうのが戦士の気心というものじゃろう」
「カイ、ノーラ爺さん」
俺の身長と同じくらいの大剣を担ぎ、こちらを見てくる長身の男。
…皆さんご存知、アラドである。
そして、槍は持っていないが耳が水棲生物の鰭のようになっている、一目で魚人族とわかる少年と、熊のような印象を受ける巨体と筋骨隆々とした体を持つ老人。
カイとノーラだ。
「団長は出ないのか?」
「団長は表に出ないからなぁ…」
「抗争相手が団長の事を狙って大会に出ないとも限らんのだぞ、無理に決まっとる」
「いや、でもなぁ…」
あの男ならばそうそうやられたりはしなさそうだ。
ドラゴンに踏み潰されても生きてそうなヤツだし。
「他には誰か出るの?」
「いや、解放団メンバーでは俺と爺さんだけだな。」
「カイに良き経験を積ませたいというジジイの勝手な願いじゃよ」
「爺さん....」
しんみりしている二人と、ぼーっと立っているアラドを尻目に、俺は周囲を見渡す。他に知ってるやつはいないかな~........あ、いた。
「アスキー!どうしてここに......?」
「おお!?.....誰かと思えば姐御ではないですか!」
アスキーがいた。
一番意外な人物かもしれない。
「アスキー、大会に出るの?」
「ハッ!出場します......ご迷惑でしたか?ご迷惑であれば大人しく棄権しますぞ」
俺がそう尋ねると、アスキーはどこでどうそんな結論に至ったのかは知らないが、
恭しく礼をして棄権すると言い出した。
「ダメダメ!アスキーの実力も見てみたいし、本当にダメなら予選落ちでしょ?」
「.......そうですな、姐御の言う通りやってみたいと思います」
何とかアラドは俺の提案を聞き入れ、棄権の件を忘れてくれた。
しかし、毎度思うけどぶちのめされる→俺の使った魔法を見る→ぶちのめされる(2回目)の流れでどうしてこんなに恭順を誓ってくれるんだろうなぁ.......
俺を恐れての行動なら、もっと恐々とした手つきや物腰だが、アスキーからはそれらは感じられない。
「とにかく、頑張ってね」
「恐悦至極の至り!姐御の言葉とあらばどこまでも!」
俺が励ますと、ビシッと敬礼をして、走って会場を出て行ってしまった。
多分鍛錬でもするんだろうな.......
あ、アスキーがどうやって戦うか聞くのを忘れた。
◇◆◇
ユカリが去ったアスキーの代わりにアラドと話している最中…
リンドはフィーナと話をしていた。
「お前も出るのか。覚悟はできているか?」
「はい!竜帝様!…明後日のために頑張って練習をしてきました!」
「よろしい」
二人は日程を話し合い、相手の技に対する攻撃や返し技など、様々な計画を練った。
「もし我と当たった場合…」
「棄権します」
「するな。先の模擬戦のように全力でかかって来い」
「………はい!」
リンドの声に、フィーナは強く頷いた。
そして、フィーナの横に一人の少年が立つ。
「ぬっ…ゼイン、お前も出るのか?」
「はい、リンドの兄貴。…フィーナ程じゃ無いですけど、俺も鍛えてもらったんで!…やはり、ダメでしたか?フィーナより弱い俺が武道大会なんて」
「ダメでは無い。…お前が挑戦したいというのならすれば良い。竜族は力を重視する。だが我はそれに疑問を持ち里を飛び出したのだ。力だけではダメなのだ、挑戦する心、それもまた力となろう」
「兄貴…!やるだけやってみます!」
ゼインはそれだけ言うと礼をして去っていった。
リンドはその背中をチラリと見て、フィーナの方を向いた。
「お前は共に帰らんのか?」
「私はお買い物があるので…」
そう言いながらチラリチラリとリンドを見るフィーナ。
誰が見ても分かる催促であった。
リンドは…
「人族の求愛はそう行うのか?悪いが、我にはすでにベルという最優秀な番の候補が居てな」
「あっ…!そう、ですか…」
すっかり意気消沈してしまったフィーナであったが、
リンドはフッと微笑んで言った。
「もっとも、何の邪心も無い買い物にならば付き合ってやっても良い」
「本当ですか!?」
「ああ」
フィーナは尻尾が付いていたならおそるべき勢いで振られていたであろうといった風に、狂喜乱舞してリンドの太い腕を持つ。
「今から行くのか?」
「はい!…リンド様は荷物持ちです!」
「…仕方ない。しかし、我も落ちたものだ。弟子の荷物持ちとは…」
リンドはフィーナに連れられ、会場を出て行った。
それを見ていた男がいた。
その男はコインを弄びながら壁に寄りかかっている。
「ふーん、〈竜帝〉ねぇ。…“ユカリ”がどんだけ規格外なのかと思ったけど…まあまあやるね。これは楽しめそうだ…」
男はそれだけ言うと、コインをポケットに仕舞い、壁から離れ会場を出て行った。
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