表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都大会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

140/1053

side-S9 シュナの素質

最近忘れられがちのアノ人。

スキルや魔法無しでも技術でカバーするタイプの人なんですが、敵が敵なのであんまり意味なくなってきましたね.......

さて、俺たちクランの中で一番戦力が低いのは誰だろうか。

仮にもオークストーリーオンラインプレイヤーの端くれとしてこんな言い方はしたくないが、事実なので仕方がない。

一番戦力が低いのは誰か....そう、それはシュナである。

正直、俺たちは皆十人十色の濃いキャラばかりである。

俺.....〈ウェポンマスター〉、

アレックス.......〈勇者(ブレイバー)〉、

クレル..........は一般人だが並外れた武器の熟練と暗殺術を身に着けている。

ユイナ..........〈精霊使い(エレメントマスター)〉、

ベル........も一般人だが、優れた魔術師であり、伝説の魔王ダンタリアンが封じ....というか魔王そのものの魔杖を持っている。

リンドヴルム..........〈竜帝(ドラゴンロード)〉。

そして.......................シュナ。俺が強化した槍を持つ一般人。鍛錬は積んではいるが、火魔法くらいしか攻撃方法がない。

皆は総合大会で十分戦える実力を持っているが、シュナにはいまいち決定力がない。

このままでは余りに可哀想なので........


「という訳でシュナ、武器を強化するよ」

「ななななな、何でいきなり!?」


俺は休日をテラスで机に寝そべるシュナをいきなり叩き起こした。

そして背中に背負ってる槍を奪い取る。

シュナがこちらを不思議そうに見つめて来るので、当たり前の理由を説明した。


「でも.....武器を強化しても私自身が強くならないと意味が無いような気がするけど.....」

「じゃあ、キリカの森最奥で修行でもする?」

「ひっ!?キリカの森って言ったらローカン地方の危険地帯じゃない!私を殺す気!?」

「あ、そう........ちなみに、参考までにシュナのレベルって今幾つ?」

「........14よ」


うっわ.....ひでえ.....

この間のCランク昇格戦でよく活躍できたな。

あ、武器の性能か.....なら....


「レベルを上げるのが嫌なら、武器と防具を完璧にしようよ」

「えっ....ユカリ、何その鎧.....私そんな重そうなアクセサリーも付けられないよ.....」


俺はインベントリからレベル10代でも装備可能な防具やアクセサリーを取り出す。

こいつを最大強化してそこそこ使えるようにすれば行けるはずだ。

あ、そうだ!


「シュナには本番前にありとあらゆる魔法をかけてあげるよ」


全職業のバフをたっぷりかけてあげれば、レベル14でもそこそこ強いこの世界なら十分戦える。うん、これでいい。


「魔法って.....?」

「あ、そうか....仲間には使ったことがあんまりないな。....クリエイトウェポン、ウッドシールド....スキルセットチェンジ、セットシールド、....ロングディフェンシブエンチャント!」


久しぶりのロングディフェンシブエンチャントである。

オークストーリーは別に頭で思うだけでスキルが発動できるので、今までは分身に影の中で発動させていたスキルだ。.....俺がいつも致命傷を負わないのは、ドレスアーマーとこのスキルのお陰でもある。

まあ、復活アイテムなら沢山あるし仮に死んでも復活くらいなら出来るけどね。

もっとも、死んだときの復活メニューが出るかは分からないので、仲間が死んだ時くらいにしか使えないけど。


「えっ.....これ何?」

「えっと...これでシュナは少なくとも馬車が突っ込んで来たぐらいじゃ怪我しなくなったよ」

「はぁ!?....いやいやいや、馬車が突っ込んで来たら幾ら魔法をかけてても無理でしょ....」


はあ....自分も魔法を使えるのに何故実証性を疑うのだろうか....

しょうがないので、俺はインベントリから未来っぽいバイクを出す。


「ユカリ、何それ?」

「何って、未来二輪駆動車(フューチャーバイク)だよ?」


俺はバイクにまたがり、エンジンをかける。

これ、移動に便利なんだけどこの世界って信号とかないから、飛び出しとかで人を轢いてしまいそうで怖いんだよな。...今のところ王都から離れる予定も無いし、今は使わないことが多い。


「さあ、どんと構えて!」

「きゃああああああ!?誰か、誰か助けて!」


俺は初速全開でバイクを飛ばす。

そのままシュナに向かって加速しながら接近し.....


ドゴオォォォンン!


俺の乗っていたバイクのほうが潰れた。

…あーあ、修理できるとは言えこれは余りにも勿体ない。

しかし、おかしいな...........何か効果が強くないか?

本来なら俺の乗ってるバイクはシュナにぶつかった瞬間、全面が少しひしゃげて跳ね飛ばされる程度のはずだ。....何故、丸ごとぐしゃっと潰れたのだろうか....


「え......す、凄い!ユカリ!もっと、もっと掛けて!今みたいなやつ!」

「えー......」


呆れる俺に、シュナに話しかけてからずっと反応しなかったムスビが発言した。


主様(マイスター)、シュナさんに興味深い現象が発生しました。更なる実験をお願いします》

(実験って....まあ本人が望んでるしいいか。)


ムスビが俺を呼ぶときの言い方は俄然模索中だ。

ケーニヒ、ロード、クイーンなどがあったが、俺はムスビ本人の意思を優先することにした。ムスビは俺に忠誠を誓っている間柄ではない。協力関係にある。だが俺は、ムスビのスキルの持ち主であるため、ムスビからすれば俺を呼び捨てにするのは「ルールに反する」らしい。というわけで今はマイスターだ。


「ドッペル・カレイドスコープ!」


俺の頭上から万華鏡のように組み合わさった鏡が落ちてきて、丁度俺に落下して砕け散る。そして飛び散る煌めきの中から4人の分身が出てくる。


「主様!」

「何か!」

「御用事」

「ですかぁ~!」


全員自由意思を持っており....いや、3人目は枠が足りなかったせいで昔のエッジみたいになってはいるが、俺に何用かと尋ねてくる。


「え、ユカリが5人に....!?」

「よしお前ら!総力を決してシュナにバフを掛けまくれ!」

「はいです!」

「よしきた!」

「了解」

「でーす!」


驚くシュナを横目に、俺たちは各自の武器を展開する。

そういえば、分身はスキル行使にMPを使用するのに、ウェポン系能力やエアー系の能力行使にMPを消費しないんだよな。ゲーム時代はしっかりその辺設定されてたのに....


「デリートウェポン!クリエイトウェポン、カーネリアンロッド!」

「クリエイトウェポン!ミリタリーシャープソード!....です!」

「クリエイトウェポン!薬師の大杖!」

「クリエイトウェポン、セイントソード」

「クリエイトウェポン!エレメントブレス!」


俺たちは一斉に武器を呼び出す。

....なんかこうしていると戦隊ものみたいだな。

この世界にも似たようなものがあったし、今度やってみるか。


「スキルセットチェンジ!セットアークメイジ!」

「スキルセットチェンジ!セットマーセナリソルジャー!」

「スキルセットチェンジ!セットメディスンマスター!」

「スキルセットチェンジ、セットパラディン」

「スキルセットチェンジ!エレメントマスター!」


そして俺たちはあらん限りのバフをシュナに掛けまくる。

どれもこの世界だと中、高位魔法にあたるものばかりだ。


「エクストラロングアタックエンチャント!エクストラロングマジックエンチャント!エクストラロングスピードエンチャント!エクストラロングディフェンシブエンチャント!エクストラロングアンチマジックエンチャント!エクストラロングクリティカルエンチャント!エクストラロングヒーリングエンチャント!エクストラロングマナヒールエンチャント!エクストラロングヒットレートエンチャント!........ふぅ」

「戦場の激励!先陣の風!戦神の鼓舞!.....これだけです...」

「エクストラグレートパワフルポーション投げ!エクストラグレートマジカルポーション投げ!エクストラグレートヴェロシティポーション投げ!エクストラグレートディフェンスポーション投げ!エクストラグレートインバリデートマジックポーション投げ!エクストラグレートクリティカルポーション投げ!エクストラグレートクリティカルレートポーション投げ!エクストラグレートサステインヒールポーション投げ!エクストラグレートサステインマナヒールポーション投げ!エクストラグレートヒットレートポーション投げ!..............これ疲れるね」

「聖神の加護、二神の加護、三神の加護、四神の加護!これら四神の加護を以て四神大結界と為す!.....任務完了」

「真・炎霊漲力!真・水霊癒身!真・樹霊護鎧!真・雷霊雷動!真・光霊顕聖!真・闇霊閉瞼!..........終わり、かな?」


俺たちは掛けられる限りのバフを掛けて掛けて、掛けまくった。

ムスビがポーションを補給してくれなかったら先にMPが尽きてたな。

ただ、これでもまだまだ最強のバフには程遠い。

エクストラの次、アルティメットのスキルはまだ使えないし、アルティメットの次には.....いや、今はやめておこう。

とりあえず、シュナを見る。


「え、えっと.......物凄い身体が軽い――——————わっ!?」


シュナは一瞬どもってから、足を踏み出しつつ喋りだそうとして中庭を一瞬で踏破した。

バフの効果で通常の10倍程度にはステータスが跳ね上がっているはずだ。


《予想通りです》

「何が?」


中庭の向こうできょとんとしているシュナを見ていると、ムスビがそう発言した。

何が予想通りなんだ?

すると、俺の目の前にウィンドウが開く。


◇解析結果

バフ効果の効果効率


主様 通常の96%

分身 通常の50%

シュナ 通常の999%


「はぁ!?何じゃこりゃ!?」

《何じゃこりゃも何も、見たままの結果です。シュナ様は通常より999%バフの効率が良いのです。これはボク....私の知識から察するに、魔力伝導効率が並外れてよいということです》

(魔力伝導効率.....?)

《魔力伝導効率とは、魔力を身体に流すようなスキルや魔法の効果をより強く受けられるという事です。昔書斎にてそれについての書籍を読んだことがあります》

「はえ~ってことは、回復とかも....?」

《はい、他人よりもよい効率となります》


うーん、これだけ魔力伝導効率が高いってんなら、精霊を憑依させてみるのもアリだな。

俺はバフで強化された身体を制御できずに辺りを転げまわるシュナを見てそう思う。

「ユカリ―!助けてー!」と声も聞こえてくるが、メニューが無い人間にはバフをはがすことができない。すまんね....


《主様》

「なに?」

《何を精霊憑依などという小さなスケールでものを考えているのですか?》

「小さなスケールって......精霊でも大精霊とかなら神にも匹敵——————ってまさか!?」

《そうです、ボ....私は思いついてしまったのです、神をシュナに降ろすことを!》

「ふふふふふふ、それは面白い、やってみよう!」


本人の預かり知らぬところで、

とんでもない計画が立案されようとしていた........................


結構前に張ったスキル欄の伏線を回収するときが来た....!

前書きでああ書きましたが、どんなに強くなってもスキルや魔法は増えないですからね、

結局技術がものを言います。



↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ