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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都大会編

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side-05 〈武器使い〉は難しすぎた

何故ユカリ....恭介のように<武器使い>で無双しないのかを解説する回です。

俺の名は竹中次郎。一介の高校生だ。クラス一の陽キャであると自負している。陽キャすぎて誰も俺に話しかけてくれないけどな。

さて、俺は今何をしているか.....

それは、不朽の名作とまで言われた大規模MMORPG、オークストーリーオンラインのキャラメイクだ。

大規模なゲームと言うだけあって、キャラメイク画面もかなり凝っている。

それだけではなく、ランダム生成でもしっかりと整った顔立ちになるのはかなり感心する出来である。

俺は1時間かけて、髪、眉毛、目、鼻、口、顎、耳、首、胴体、胸筋、腹筋、腕、手、尻、足、足先を調整し、最高のキャラを作り上げた。

ふふふ、やっぱり俺は頭いいな。こんな完璧なキャラを作れるんだから。


「さて次は.......?職業選択か」


うーん、俺は[勇者(ブレイバー)]とか[吸血騎士(ヴァンパイアナイト)]とかって器じゃ無いんだよな..........

もっと特別感のある職業は.......ん?[武器使い(ウェポンマスター)]ってなんだ?

これにしよう!

それを選んだ瞬間、キャラメイクのウィンドウが消え、俺の前に荘厳な扉が出現する。

これに入れって言うのかな?

俺が扉に意識を向けると、ゴゴゴゴゴ.....という重厚な音と共に扉が開く。その先は眩い光に包まれてよく見えない。

俺は周囲に扉以外ないのを確認してから、扉に入った。


「おおおお!?」


次の瞬間、俺は落ちていた。

深い深い縦穴を。


『オークストーリーの世界へようこそ!』


そして、そんな声と共に穴の底に光が見える。

俺は光の中に飛び込んで......


◇◆◇


ああ、最悪だ......まさかこんな鬱ストーリーだったとはな。

俺は領主の息子として生まれた武器使いとしてのストーリーを進めていたのだが....

まさかあんなに良くしてくれた夫妻がガルズラインとかいう魔族に惨殺されるとは......

なるほど、リストの端っこにあるわけだ。こんなの、俺じゃ無かったら堪えきれないだろう。


「さて.....スキルが使えるようになったな。きっとド派手な攻撃スキルが.....ってなんじゃこりゃ!?」


スキル画面を見てみると、ゲームのPVで見たような攻撃スキルは一切なく、未開放の[メイクウェポン]という謎のスキルと、移動系のスキルしかなかった。

しかも、武器の欄は空。


「まさかの殴ってレベル上げか!?」


というわけで、俺はひたすらモンスターを殴って削り、経験値を得るという地獄の作業を10分ほど繰り返し、やっとレベル5に到達した。そして、[メイクウェポン]というスキルを手に入れた。


「これで武器が使えるようになるのか.......今は初期武器しか使えないんだな」


ふむふむ、武器を切り替えて戦うのか。いいじゃないか、俺にふさわしいカッコイイ職業だ。


「メイクウェポン、ブロードソード」


スキルの発動ワードを口にすると、手に古びた剣が現れる。

それをモンスターに振るうと、さきほどより速く倒すことができた。

こりゃ便利だな......なんで攻略wikiでおすすめされてないんだろう.....?


「よーし、じゃあまた作るか。メイクウェポン、ストーンスピア!」


また武器を作ろうとすると、ブロードソードは消えず石の槍が空中で生み出されて地面に転がった。


「ん?どういうことだ?」


もしかして、剣と盾の両方持ちも行けるって事か。

凄い職業だな....まさに俺の為にあるような職業だ。

ふふふ、これを使って無双したら、俺はサーバーで1位になれる....

そして配信者として超有名になれるんだ。


「えーと武器を消すには....デリートウェポン!」


俺は剣を消し、槍を手に取ってモンスターを貫いた。

レベルが上がった。

この調子なら余裕だな。

俺はそう思った....この時は。

俺は次のモンスターに襲い掛かろうとして、悪寒を感じた。


「な、何だッ!?」


周辺のモンスターが光の粒子に変わり、1か所に集まっていく。

そして、その場所には黒い光が宿り......


〈ユニークモンスターが出現しました〉


そこには、俺が今倒していた蛇....の何倍もの大きさを持つ巨大な蛇が、

シュルルル...と何かの音を立てながら直立していた。

俺は一瞬その威容に怯えたが、


(だ、大丈夫だ。俺はいずれ英雄と言われる男....!)


俺は蛇のモンスターに向かっていく。


「メイクウェポン!ブロードソード!」


俺は剣で蛇を切りつけ、スキルを発動する。


「ウェポンブースト!.....アレ?」


しかしスキルは発動せず俺は硬直した。

何故?MPは足りている....まさか!


「もしかしてこれ、武器毎に別々にスキルが割り振られてるのか————ぐああっ!」


俺はそれに気づき......吹き飛ばされた。

クソ...........何で俺がこんな目に!


「スキルセットチェェェェンジ!セット....セットヒーロー!ウェポンブースト!」


蛇は俺にまっすぐに向かってくる。

これなら....やれる!

俺はすれ違いざまに蛇に剣を振り.....確実にダメージを与えた。

しかし、俺が蛇から一定の距離をとった瞬間蛇が吠えた。

その鱗が艶めきを増し、何かオーラのようなものを放ち始めた。


「隙だらけだぜ!はぁあああ!......................何!?」


俺の剣の振り下ろしによるダメージは、先ほどと違い1だった。

防御力が高くなってるのか?


「なら!デリートウェポン!メイクウェポン、ストーンスピア!......これで終わりだ!スピアラッシュ!」


しかし、またもやスキルが発動しない。


「ちっ、そうだった!スキルセットチェンジ!セットスピア!」


またもや俺が固まっている隙に、蛇が攻撃してくる。

俺はそれを避けるために移動スキルを使った。


「空転......えーと、雷動!....はぁ!?」


発動が凄まじく早く、俺は間違って見つめていた蛇の前に移動してしまった。


「く、くそぉおおおおおお!バースト・スピア!」


俺は最後の最後に、間違えて別のゲームのスキルを使ってしまい......死んだ。


死亡しました.....


▶近くの街で復活する

 復活する(縛魂の鎖×1消費)

 ログアウトする


そんなメニューが眼前に現れ、俺は愕然とした。

ふつふつと心の中から怒りが湧いてくるのを感じた。

ふざけるな。...そんな感情が。


「ふっざけるなよ!こんなの人間の処理能力でどうにかなる物じゃないだろ!こんなゲーム、どうせクソゲーだ!何か名作だ!やめてやる!」


俺はそう叫びホームに戻り、オークストーリーをアンインストールした。

二度とやるか、こんなクソゲー。

だが、ログアウトする直前、動画配信サイトのウィジットにとある動画が映った。


「武器使い...レベル800プレイヤー?ランキングトップランカー?.........公式で表彰?」


その瞬間、俺の理性はぶちぎれた。

ふざけるな、俺以外が俺より先に武器使いで英雄になるだと!?

許せない、許せない!許せない!

誰だそいつは、必ずコロシテヤル!クソおおおおおお!

俺はVRマシンからログアウトして、既にボロボロのマシンを掴み、床にたたきつけて壊した。........もう知るか。二度とゲームなんかやらない.....

俺は、頭を冷やすため部屋の外へと歩き出した。


他のプレイヤーがなぜ<武器使い>で無双しないのか....その答えは、したくてもできない、です。

大量のスキルを操り、空転術で素早く移動する。さらに、大量の武器とスキルの名称を自由に引き出して使う。....ユカリのような例はかなり特殊なのです。




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