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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都大会編

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Ep-88 Cランク昇格戦(中編)

ちょっと遅れました。

今日から12月ですね。今年の終わりも近づいてきました。

でも第一章はまだまだ終わりません。

「クリエイトウェポン、シューティングスターボウ!」


俺の手に上下にそれぞれ星を象った飾りのついた弓が現れる。


「ミルキーウェイ・ショット!」


俺の弓から矢が山なりに放たれ、戦闘にいた魔物を貫く。

倒れた....多分ダークボア(闇の猪)っぽい魔物が邪魔になり、魔物が一瞬立ち往生する。

その一瞬で、俺は敵陣の真ん中に飛び込んでいた。


「デリートウェポン!クリエイトウェポン、混沌槍!スキルセットチェンジ!セットスピア!......スピニングスピア!」


俺は槍を円を描くように振り、周囲の魔物を攻撃する。

だが、それらは致命傷にはなり得ない。

恐らくだが、相当のレベル差があるんだろうな.....

直接攻撃で心臓や魔石を貫かないと即死しないようだ。

まあ、混沌槍なら余裕だろう。


「ガトリングスピア!」


俺は目にもとまらぬ槍の連撃によって、前進してきていたスケルトンを破壊する。

さて、悪魔系がメインのこのダンジョンでスケルトンが出るという事は....


「デビル・ソーサラーッ!」

「ギギギ....」


大型の魔物の少し後ろに隠れるように立っている悪魔の召喚術師。

俺はそいつに素早く肉薄する。

もらった!

と思った瞬間、俺は横から体当たりを受けて吹っ飛んだ。


「なっ!?」


ダークボアに体当たりされたのだ。

脳内でHPが3分の1ほど持っていかれるのを感じた。

そして、デビル・ソーサラーは後ろに下がりながらスケルトンナイトを召喚する。

ゲームにはなかったパターンだ....

まさか、こんな油断でやられるとは.....

体当たりの衝撃で一瞬動きの鈍った俺に、魔物たちが殺到し....


「リヒト・カノーネ!」

「ニュークリアフレイム!」

黒王召雷(ダークサンダー)!」


俺の仲間が放った技で一瞬にして消滅し、焼き尽くされた。

俺はインベントリからポーションを取り出し、飲む。


「ユカリ、無理をするな。いつでも俺が行こう」

「ありがとう、アラド」

「俺達も忘れるなよ!」

「アレックスより俺の方が頼りになるぜ!」

「私だってこの槍で....」

「まあ、シュナさん、やる気があってよろしいですわね。私も全力でサポートしますわ!」

「ユカリ、共に行こう」

「行くぞ!ユカリ!竜の血が滾るわ!」

『トカゲなんぞに美味しいところを持って行かせるか!我こそが魔王なり!我こそがアムドゥスキアス.......ベルを嫁にするのだ!』

「ま、待って!リンド!ダンタリアン!暴走だけはしないでね!」

「『了解だ!』」


そうだ、俺がオークストーリーを始めた理由を思い出した。

それまではずっと、1人用のVRゲームばっかりやっていた俺は、

”仲間と共に戦いたい。血の通った本物の仲間と”という理念のもとオークストーリーをインストールしたんだ。

俺に付いてきてくれた仲間たちの攻撃、魔物ごときが受け止められるわけ無いよな!


「クリムゾン・スラストッ!」

「リヒト・カノーネェェッ!」

「メテオスラッシュ!」

「ブラッドレッド・ロケットスピア!」

「光の精霊よ、我が声に応え我が敵を討て!光霊閃(フラッシュレイ)!」

「ハァァァァッ!真・呪之鎌鼬(ノロイタチ)!」

「ォォォォォォォ!喰らえ、我が竜の息吹(ブレス)!」

『こちらも負けんぞ!黒王貫衝雷(サンダーブレイク)!』

「ああもう!他の人を巻き添えにしないでよね?.....タイダルウェイブ!」


一斉に仲間たちの遠距離攻撃が炸裂する。

俺も同時に攻撃する。

階層入れ替えで長い回廊を作り出していたのが相手にとって失敗だったようで、

通路にいた魔物たちは貫かれ、消滅させられ、切り刻まれ、風穴を開けられ、焼かれ、風で切り刻まれて呪いに蝕まれ、雷に黒焦げにされ、絶命していった。そして、リンドのブレスが全てを焼き尽くし、ベルのタイダルウェイブが残った残骸をすべて洗い流した。


〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉

〈レベルが上昇しました〉.......etc


そして、流れる大量のレベルアップ通知。

仲間たちも同じくらいレベルが上がっているはずだ。

ちなみに俺はレベル124まで上がった。

そういえば…


「あ…そういえばさ、魔石、どうする?」

「「「「「「「あ」」」」」」」


..........というわけで、カッコよく遠距離攻撃でカタをつけた俺たちであったが、

魔石を取るためにより深層へと向かうのであった...


◇◆◇


「そこだ!やれクレル!」

『そうだぞクレル!この賭けは負けられぬのだ!』


俺たちは、地下四階層にて戦っていた。

…というのは少々語弊がある。

魔杖・ダンタリアンを床に突き刺して、ダンタリアン本人曰く極大魔術をいくつもぶつけられても壊れないという結界を構築し、ミノタウロスっぽい魔物…多分ダークミノタウロス...とクレルの戦いを観戦している最中だ。

何しろこっちには推定レベル3000クラスの魔王と、レベル530の竜帝がいる。

何かあっても問題ないだろう。

クレルはナイフを投げて相手の急所を狙い、たまに外れたナイフと自分の位置を入れ替えて回避や奇襲を行なっている。

地味だが、俺みたいな能力頼りの人間からすればそれなりに辛いだろうな…


「フェイント!」

「ブモ!?ブモオオオオアアアア!」

「ポジションスワップ!もらった!スレッドコネクト!」


フェイントで自分の動きを誤魔化し、単純な思考のミノタウロスが乱暴な動きで手に持つ巨大な斧を振るうのを待ち、位置入れ替えで後ろに回り込んで、的確に配置したナイフから魔力のワイヤーを飛ばしてミノタウロスを縛る…

凄いな、こんな戦いが出来るのか。

クレルの事をちょっと舐めてたかもしれない。


「トドメだ!闇討ち!」

「グモオオオオオ!」


クレルは魔力の硬糸で動けなくなったミノタウロスに飛び乗り、確実に首筋に一撃を入れ絶命させる。


「な、何と....まさかこんなにやるとは」

『ハハハハハ!魔王たる俺の勝ちだあああ!』


ダンタリアンの魔杖が輝きを増している。喜んでんだろうな。

にしても、リンドとダンタリアンの賭けって何を賭けたんだろう?


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