Ep-84 魔導巨兵、徹底解析
魔導巨兵の外見は各自で想像してください。
改造後の魔導巨兵は当分出て来ません。
楽しい日々が続いたが、ここからは真面目な話だ。
学院でタツミとベルが戦った魔導巨兵。
こいつは学院での解析は失敗した。
あまりに高度な魔術理論が使われていて、人間の魔術理論では到底解析は叶わなかったのだ。
さて、ではこいつをどうやって解析するのか。
エルフなら出来るかもしれないが俺はエルフの里のハイエルフたちと面識も伝手も無い。
なら次に頼るべきは....
「ユカリ様、例の件についてご報告したいことがあります」
執務室でまた溜まった書類を処理していた俺に、突如キラーバットの秘書が喋りかけて来た。この感じは本人の話じゃないな。
キラーバットに限らずダンジョンの魔物はメッセージを他の魔物に伝える事ができ、
今この秘書は俺に頭に伝えられたメッセージを伝えているのだろう。
「何だ?」
「魔導巨兵の解析がおおむね完了しました。」
「ということは?」
「ダンジョンに出向いていただけると助かる...という事でした」
「どうも」
という訳で、解析を依頼したダンジョンで、何か進展があったようだ。
俺はテレポートにて、直接ダンジョン内へと転移した。
◇◆◇
テレポートすると、俺が転移してくることを見越していたのか、そこには既にナイトが待機していた。
「マスター、依頼されてたことはしっかりと終わらせました」
「ありがとう。お前たちの存在は私にとってとても助かっている」
「有難き幸せ!」
ナイトは未だに俺の力を恐れているのか慎重な姿勢を崩さないが、
俺はたかがレベル100そこら。レベル1000を超えたナイトロードバットに勝てる道理はない。まあ、言わないほうが無駄な争いを避けるのに有効か。
俺はナイトの先導でダンジョンを歩く。
ダンジョンもかなり大きくなり、地下15階まで拡大している。
魔導巨兵を解析・研究しているのは地下7階にある巨大ドックだそうだ。
「あそこには飛空艇や魔導飛行船、魔導戦艦もあるだろう。そんな所に置いていいのか?」
「もう動力源は取り外してあるので、どうやっても動かないというのが技師たちの言い分です」
「ふうん...」
あの魔導巨兵は学院のベテラン解析魔導士達に言わせると『オーパーツ』だそうだ。
全く未知の魔導理論で作られており、中心部分のパーツは全てブラックボックスでいくら調べてもどうしようもなかったとのことだ。
「到着しました」
「おお....」
扉が開かれると、途端に大きな空間を感じた。
ダンジョンとは思えない...いや、ダンジョンであるからこそなのか、空港のロビーかと思わせるほどの広い空間が広がっており、戦闘艦が建造されている。
「これって、何に使うんだ?こんなに建造して」
「そりゃ勿論ダンジョンバトルですよ。あっ、建造の際にマスターの知識を少し拝見しました。」
あー、だからどっかで見たことあるデザインなのか。
まあいいや。
「さっさと案内してくれ」
「はいはいー!こっちです!」
案内に従って歩く。
先ほど広いとは言ったが、これでも一部分だけのようだ。
奥の方には開閉可能に見える巨大な扉があり、その横の扉を通っていくと、巨大な渓谷のような構造の巨大な部屋に出た。...そうか、ここは格納庫だったのか。
しばらく待っていると、小型の飛空艇が静かに降りてきて、俺たちの前に静止した。
「マスター、お乗りください。........運転手、B-32格納ドックまで」
「了解」
飛空艇に乗ると、そのまま飛空艇は下降し、ある場所で静止するとそのまま前に動き出した。2分ほど進んだ先で、飛空艇は止まった。
「到着です!」
「......」
まさか異世界に来てこんなSFな経験をするとは思わなかった。
まあダンジョンが栄えているおかげで俺に入ってくる力も倍増している。
本気を出せばもしかすると本当に気迫だけで周囲を更地にできるのかもしれない。
...しないけど。
格納庫の扉が開き、その奥が露になる。
「これが.......魔導巨兵か」
魔導巨兵という名前で自然にゴーレムを想像していた俺は、面食らった。
これじゃあまるで...
「ロボットアニメじゃないか...」
そのデザインは完全にスパ○ボに居ても違和感のないデザインで、
全身は黒。顔に当たりそうな胸部には十字のモノアイがあった。
直後、上からアームのようなものが3本伸びてきて、モノアイの部分を掴んで取り外した。
モノアイの奥は表面の流線的な感じとは違い内臓と血管のようにコードや機械が並んでいた。
「これが魔導巨兵の内部?」
「はい。私たちは出来る限りの技術で解析を進め、なんとか大部分の解析に成功しましたが...」
「したけど...何?」
「破壊された瞬間かその後にこれを動かしている魔法回路が自爆したらしく、中枢部分の解析はもうできませんでした」
「........しょうがないか。」
まあ素直に正体を明かしてはくれないか。
それならそれで....やりようはあるからな。
「これを私達でも使えるように改造できるか?」
「あ...はい!量産は内部パーツに未知の金属が使われているので出来ませんが、操作できるように改造するくらいならうちの技師で出来ます!」
「よーし、それじゃあ早速取り掛かってくれ」
「はい!!」
俺の指令を受けるや否や、上からリフトが降りてきて数十人が魔導巨兵に群がった。
ん?キラーバット以外もいるような...?
「なあ、キラーバット以外もいるのか?」
「この間技術に優れたエビルドワーフがモンスターとして出現する辺境のダンジョンを征服したので、エビルドワーフと通常ドワーフを工兵として生み出しました」
「.....キラーバットの工兵の総数と他種の工兵の数を報告してくれ」
「えーっと.........キラーバット、アークバット工兵は現時点では102体、ドワーフは32体、エビルドワーフは432体、ゴブリンスミスが89体です」
「ちょっと待って、エビルドワーフだけ数がおかしくないか?」
432体って...キラーバット工兵より多いじゃないか。
これだけデカいドックと大量の飛空艦を管理するなら確かに必要だろうが、それでも多すぎる気がする。
「それはエビルドワーフのダンジョンを高速制圧したからです。ドラゴン部隊に新しく戦力として加わった風魔竜ホロリンが活躍してくれました」
「なんだホロリンって」
「いい名前でしょう?私が直々に考えたんです!」
どうなってんだお前のネーミングセンスは...
ただの風竜ならゲーム時代見たけど、それでもホロリンなんて名前で呼べないほどの巨躯と攻撃性だろうが...
「そういうわけで、ダンジョンを制圧したはいいんですが、エビルドワーフは戦闘向けじゃないのに戦闘に駆り出されていたのが不満で、こっちの技術の高さを知ると全員がこっちに移住したんですよね。お陰で向こうのダンジョンは今鉱石系のゴーレムかガーゴイルしかいません」
「ふーん...」
だからこんな滅茶苦茶な数がいるのか。
これなら確かにドックを完全に管理できそうだな。
「ただ....」
「ただ?」
「仕事が足りないのが現状で、仕事がないエビルドワーフ達も一杯居ます。これからもこういった物を持ち込んでくれると、ドワーフ達もあぶれずに済むので、どうかよろしくお願いします」
「分かった」
まあこんなよく分からない機械を持ち込む機会はそうそう無いだろうけどな。
ただ、部下のために上司に頭を下げる姿に実は上司の俺なんて一瞬で殺せるのに忠誠に則って従い続ける彼女らに好感を持った元高校生の俺は、その頭をつい撫でてしまった。
「ま、マスター!?」
「ありがとう、これからもどんどん大きくなって、私を驚かせてくれ」
「わ、分かりました!」
その後、完全にロボットアニメのロボットと化した魔導巨兵が、新しく作られた青い外装で暴れまわるのを見た俺が驚愕で目を見張るのはまた別のお話であった...
ダンジョン関連はどうやっても他小説に似るので許してください
飛空艦関連は、後々解説しますがユカリの記憶をナイトが読み取り実現させている形です。
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