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【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都決戦編

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Ep-779 義理と同情

翌日。

私はみんなに、調査結果を打ち明けた。


「ジャイアントサンドワーム....あの虫がどこから来たのか分からなかったから、自分で調べたんだけど......地下に広大な遺跡があって、そこにコロニーが出来てたんだ」

「ユカリは....それをどうするつもりなのよ」


ベルが、若干不満げに聞いてくる。

そりゃ、勿論.....


「コロニーを破壊する、ジャイアントサンドワームを全滅させる」

「そんなことする義理、ないじゃない! あんなに恩知らずばっかりなのに。そりゃユカリは優しいのは分かってるわ、でも......」


救うべきではない人間だってこの世界にはいる。

ベルはそう言いたい筈だ。

だから.....


「ミレアの使った伝説級魔術で、ジャイアントサンドワームは燃え尽きた。だから、私は今回手を汚さない、たった一撃で終わらせる」

「そう、それならいいけど......」

「事前調査はするけどね」

「待ってくれ」


その時。

ジングが手を挙げて、私の方に顔を向ける。


「どうしてそこまで、優しくなれるんだ?」

「? どういう事?」

「俺は呪いの子って言われてるし、ユカリさんは魔女って言われたんだぞ。だっていうのに、ユカリさんは.....正直俺は、あんな奴ら.......虫に食われてもいい、って言うと思った」

「まさか」


救いようのない奴を救う方が、私はきっと得意だと思う。

救われたと思っていないような人たちなんて、ごまんといる。

だから私は、


「私は私の中にある正義だけを信じる。救おうと思ったら救う、そうすれば後悔はない.....それに、ベル」

「な、何よ」

「いちいち聞かないで。私は話を聞かない犬みたいなものだと思えばいいから」

「そっ、シロみたいなものだと思うわ」

「ワ、ワン!」


納得しかねるといった様子でシロが咆えた。

私はシロに近寄って、全身を撫でまわして諌める。


「そういう訳だからハルファス、索敵に付き合って」

「ご命令であれば、如何様にも」


私は、ハルファスを伴って、集落の方へ向かう。

集落は巨大な縦穴がその大多数を飲み込み、かつ周囲から集落を守っていた壁や天井はなくなっている。

崩落の危険性もあるし、もう住めないだろう。


「お願い」

「はっ」


爆鳩群翔(ピジョンズビット)〉を使ったハルファスは、鳩を縦穴の下に降下させていく。

普通に戦闘に使うと、ただの爆発するミサイルみたいな感じなんだけど。

意外といろんな機能があって、今回はハルファスが鳩の視界を使って探索する感じだ。


「.........成程、かなり広い空間ですが...出口はほとんど無いようですね...」

「じゃ、行けそう?」

「お待ちください、結界の起点を作ります」

「わかった」


私が魔術を使うのに合わせて結界を張り、逃さない気だろう。

やっぱりハルファスは凄い...血も涙もないと言えばそれまでだけど。


「終わりました、すぐに為されますか?」

「いや、一旦戻ろう」

「はい」


準備は出来た。

お昼ご飯でも食べに戻ろう。

それに、プロメテウスに協力してもらえばもっと完璧にできる。


「ユカリ様、私はここに残ります。何かあった際は、結界を張りますので」

「...分かった」


私はハルファスの創造した『乗式飛翔場(ライドアーツ)』に乗り、集落を離れるのだった。







お昼ご飯を食べた私は、プロメテウスと共に再び縦穴を訪れた。

使う魔術はもう決まっている。

というか、プロメテウスが教えてくれた。

彼曰く、究極にして最強の一撃...周囲の影響を考えないなら、らしい。


「私の結界でも耐えられない可能性がありますので、〈六芒昇華〉をお借りします」

「分かった」


ハルファスの結界で耐えられないって、どれだけの威力なのか...

とはいえ、割とハルファスの結界は壊れやすいのは確かだ。

修復速度が速く、展開までも速いのが強みで、強度に重きを置いていないのだろう。

六芒昇華(ヘクサライズ)〉で修復速度と展開速度をそのままに、強度だけを底上げするつもりだ。


「じゃ、やる?」

『応とも、姐御!』


この魔術は、超位魔術でかつ新しく使う魔術なので詠唱が要る。

短縮詠唱や詠唱破棄ができない条件として、存在から力を借りるというのもある。

今回はプロメテウスの炎神としての力を借りる形になる。


『オレ様の絶対かつ究極の破壊の力よ、荒れ狂え! 全てを灰燼へと変える種へと流れ込め!』

「受け取った! 我が願いを聞け、炎の種よ、殻を打ち破り、爆ぜ狂う未来を夢想せよ...〈広滅火焔爆種(ノヴァ・シード)〉」


私の手に、プロメテウスの炎の権能でブーストされた炎の魔力が流れ込み、魔力によって封じられる。

...これは、長く維持できないな...


「落とすよ?」

『ああ!』


途中で暴発しそうだ。

私は穴に向けて種を落とし、制御のため右腕を左手で抑えた。


「行きます! 〈六芒昇華(ヘクサライズ)〉! 〈魔王結界(ロードディフェンダー)〉!」


直後、轟音が響く。

ハルファスが一瞬で冷や汗をかき、手が震える。

すぐに魔力が動き始めるのを感じた。

轟音と振動が収まった直後、私は魔眼で地下を見る。

飛散した魔力のせいで上手く看破できないけど...魔力反応はない。


「よし、殺した」

「お見事です」


私は魔術の効果が終了したのを確認すると、オハンを呼び出して縦穴に水を流し込んでいく。

流石に遺跡全部を満たす事はできないので、


「水神の継承者であり、海神の宝冠を戴く我が命じる、理よ屈服し、水を起点として穴の底を清めよ」


聖水をばら撒いて適当に浄化していく。

そうしたら、もうここでの仕事は終わりである。


「おやつ食べに帰ろう」

『ああ!』


私はハルファスとプロメテウスを伴い、再び乗式飛翔場に乗って帰るのだった。

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