表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【300万PV突破】不人気職の俺が貴族令嬢に転生して異世界で無双する話 ~武器使いの異世界冒険譚~  作者: 黴男
第一章 王都決戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1021/1053

Ep-749 追 撃 戦

「来るよ!」


ニーズヘッグの背が見えると同時に、氷柱針が一斉に飛んでくる。

だけど、ただの氷柱では無い。

飛んでる最中に肥大化して、地面に轟音と共に突き刺さって行く。

シロは激しい回避でそれをかわして行く。


「ユカリ、ごめん!」

「うん、いいよ!」


ベルが私のお腹に手を回してくる。

シロの動きが激し過ぎて振り落とされそうになったのだろう。

ベルはさっきの戦いで超位魔術を数回使っている。

ほとんど魔力が残っていないはず。

魔王クラスが通常魔術のようにぶっ放すから忘れられがちだけど、超位魔術は魔力消費も半端ない。

外付けの魔力タンクを持つ私や、本来魔力を多く持つ魔族ならともかく、純人間のベルに連発できるものでは無い。


「休んでて」

「...ごめんなさい」


私は〈天魔之聖典(グリモバイブル)〉を発動し、神魔術の準備をする。

ハルファスが再び爆発する鳩の魔術を解き放ち、氷柱群を迎撃した。


「発動する! 〈神怒之天雷(トールハンマー)〉!」


空を起点に雷が降り注ぐ。

それはニーズヘッグに直撃...しなかった。

ただし、私の意思に沿い、地面に落ちる前に一度だけ曲がり、発射直後の氷柱を纏めて消し飛ばす。


「うまく収束しない...やっぱり、領域外の神力は反発するんだね...」


雷神の加護を貰ってこれということは、やっぱり光を扱うには光神の加護が要るようだ。

私は私の得意分野で勝負をしないと。


「なァ姐御」

「うわっ、ビックリした!」


気付くと、隣にプロメテウスが並行飛行していた。


「その力はなんだァ? 神力でも魔力でもねェな」

「神魔力。神の力と魔力の融合形だよ」

「...姐御、ちょっと提案なんだけどよォ」

「何?」


プロメテウスが極めてまともなことを言い出したので、私はもしかして幻聴かと疑う。

だけど、聞く価値はある。


「実はオレは、神力を使えるんだぜ」

「え?」

「そこでだ、姐御にオレの力を使って欲しいんだけどよ......駄目か?」

「.....充分!」


理由とか事情は後で聞く!

まずは目の前の事態に対処する。


『スキル〈炎神の加護〉、〈炎神の寵愛〉を獲得しました』

「発動――――〈速流融炎(フルストリーム)砲陣(・メルトキャノン)〉!」


水神と海神の権能は、ニーズヘッグには効きが薄い。

だけど、私は思ったのだ。

溶岩は、液体の性質を持つ。

それなら、海神の権能で流れを速めることができる、つまりは高速で射出できる、と。

それで思いついたのがこの神魔術。

あんまり聖力も魔力も関わらないところがミソかな?


『小賢シイ!』


溶岩は一直線に飛び、ニーズヘッグに直撃すると同時にバラけて張り付く。

氷の鱗と言っても、溶岩の熱を消し切れるほどじゃないはず。


『ガアアアアアッ!!!』

「うそっ!?」


ニーズヘッグの体が再び青白く輝くと同時に、溶岩が一瞬で黒い石になってその体から剥がれ落ちた。

同時に、ニーズヘッグが速度を落としてこっちを向いた。


『失セヨ』

「「〈陽炎(プロミネンス)防界(ウォール)〉!」」


冷気のブレスを、私とプロメテウスが同時に張った結界で防ぐ。

続けてダンタリアンとゼパルが反撃を放った。


「〈閃界斬滅〉!」

「〈十字豪雷撃(クロスサンダー)〉」


一閃によってニーズヘッグの四肢に傷が入り、そこに十字の雷撃が突き刺さった。


「撃ち落とす! ハルファス!」

「はっ! グラビリオン・プレッシャー」


ハルファスが重力魔術でニーズヘッグの翼を無意味なものとする。

それに合せて、私も神魔術の詠唱を始める。


「〈神魔(グリモーテル・)崩爆(ノヴァ)〉!」


体を発光させて魔術を消そうとしていたニーズヘッグを、即時起爆する魔術でぶん殴る形で止めさせる。

ニーズヘッグの巨体が氷の大地に突き落とされ、轟音と暴風が吹き荒れた。


「もう一度囲む、ハルファス!」

「〈万物創築(デミウルゲイン)〉」

「〈閉鎖(クローズド)領域(サークル)〉」


ふたつの魔術が組み合わさり、地上に落ちたニーズヘッグを押さえ込む。

だけど、周囲の氷が急速に溶けていくのを私は見た。


「水神の座を継ぎ、海神の宝冠を戴く我が命じる、悪しき竜の道を阻む固まりし水よ流れを止めよ、しばしの間!」


なら、氷が溶けるという現象そのものに介入する!

ちょっと危ないけど...

基本的に権能の命令は絶対、あんまり雑に扱うとこっちも危ない。


「ダンタリアン、プロメテウス!」

『御意...〈原雷解放〉!』

「行くぜェ! ...〈真炎解放〉!」


飛び出して行った二人は、かつて大会でも見せた大技を使う。

紫と橙色の魔法陣が二人の周囲に浮かび、魔法文字が並び形を成していく。


『...〈紫雷(ダンタリアス)封滅(カバード)〉』

「ウォオオオオオオッ! 〈陽炎(プロメテウス)爆縮(バースト)〉!」


プロメテウスの全身が炎と化して結界に突っ込み、ダンタリアンが続けて雷の爆発を結界内に生じさせた。

光の嵐が視界を蹂躙し、私は慌てて目を瞑った。


「ゼパルッ、守れ!」

「御意! 〈騎士之盾(アイロンガード)〉!」


この光の中で視界を失わないのはゼパルくらいなので、ゼパルに守らせる。

そして、光が収まった時...


「うそ、硬すぎる...」


そこには平穏無事に翼を広げるニーズヘッグがいた。

鱗は全て消えたものの、肉体を破壊できないでいた。


「...全力戦闘、か」


ただの戦闘ではない、そこそこ全力と言った感じなのにこれだ。

魔王クラスでも勝てないのなら、かつての魔王と勇者の最終決戦のように、全力で戦わなくてはいけないんだろうな、と。

そう思ったのだった。

面白いと感じたら、感想を書いていってください!

出来れば、ブクマや高評価などもお願いします。

レビューなどは、書きたいと思ったら書いてくださるととても嬉しいです。

どのような感想・レビューでもお待ちしております!


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ