表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/53

るー君と自動的に開くドア

 るー君、自動ドアが大好きです。


 ひとりでに開いたり閉じたりするところを飽きずに眺めています。


 あまりに好きすぎて、お散歩にいくと、自動ドアが目に入るたびに突進していきます。

 危なっかしいったら。


 四歳から小学校入学まで通っていた療育施設では、たまにお散歩につれていってくれました。このときも、あとから聞いたら涙ぐましい先生方の努力がありました。


 例えば、お散歩ルートは出きるだけ自動ドアの少ないコースを選ぶ。

 あるいは、さすがのるー君も道路を渡ってまでは自動ドアに突進はしないので、車道を挟んだ反対側を歩く、それが無理なら歩道の車道側を歩かせ、先生方御自らるー君の視界に自動ドアが入らないよう盾になる…などなど。


 結局、やらせないことが一番いいのです。

 一度でも許可すると、「この間はやってよかったのに、今回はどうしてだめ?」と混乱するからです。

 私もずいぶん参考にさせていただきました。


 しかしそこはるー君。

 簡単には諦めない。


 彼は一計を案じました。


 自動ドアが目に入ったとたん、履いている靴を脱いで自動ドアに向かって放り投げるのです。


「ほら、僕の靴があそこにいってしまいました。取りに行かないと」


 と、自動ドアのところへいかなければならない用事を自ら作り出してしまったのです。


 そんな悪知恵に回す知能ばっかり……


 施設の先生方は複数で行動してるので、一人がるー君を押さえて、他の先生が投げた靴を取りに行くことで対処なさっていましたが、私一人の時は使えない方法ですね。

 仕方なくるー君をつれて靴を取りにいって、まんまとるー君の計略にのるはめになるわけです。





 さて、わざわざタイトルに「自動的に開くドア」と書いたのは、るー君が執着するのが他にもあるからです。


 それは、エレベーターのドア。


 これまた大好きで、知らないうちにインターネットでエレベーターの動画を探しだし、ただただ「エレベーターに乗り、行き先階のボタンを押し、エレベーターが動き、目的の階でドアが開く」だけのものを繰り返し見ています。

 っていうか、世の中そういうのが好きなディープな方がいらっしゃるんですね。世界は広い。そしてそんな動画を見つけ出するー君の執念…


 なので、実際にエレベーターに乗ったときは大変です。

 とにかく全ての階数ボタンを押したいのです。

 エレベーターに乗ったら、とにかくるー君は私が両手をがっちりホールド。そしてボタンから離れた角にるー君を押し込める。

 それでもめげないヤツは、空手の美しい蹴り技の如くしゅっと真っ直ぐに足を伸ばし、爪先で器用に壁面についてる身障者用の階数ボタンを押してしまいます。

 仕方なく、両手ホールドの上に、片足をるー君の足に巻き付けるように固定。

 何て言うか…そう!イヤミ氏の「シェー!」のポーズの足です!!

 うわ、年がばれる。

 てか、恥ずかしいんですが。やってる方も。



 要は、ドアがひとりでに開いたり閉じたりするのが嬉しいみたいなんですね。だから、何度も見たくて全部の階数ボタンを押しちゃうんだろう、と、最近になって気がつきました。


 一見、訳のわからない彼らの行動にも、ちゃんと彼らなりの理由があるんですね。実感。



 まあ、でもそれとこれとは話が別なので、新宿の高層ビルのエレベーターとかは乗せないようにしよう。

 何十階って各駅停車になったら洒落にならないわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ