おまけ・るー君と朝のごあいさつ
お久しぶりの「かいじゅうにっき」です。
ちょっと書きたくなって、おまけを投稿させていただきます。
るー君が小学二年生の時に書き始めたこのエッセイですが、気がつけば彼ももう中学二年生。まるっと六年経ってるんですね。時の経つのは早いものです。
中学に上がっても相変わらずのるー君はよく食べ、よく遊び、よく笑います。身長も伸び、そろそろ私も追い抜かされそうです。
横にもちょっぴり広がりましたけどね! でもまだ肥満ではないのよ、セーフ。
学校も大好きなようで、毎日楽しそうに通学しています。
通学はスクールバスなのですが、バス乗り場までは毎朝私が送っていくことになります。
何しろひとりにしたらどこ行っちゃうかわからないからね! 去年も警察に捜索願だしたよ! 四回も!
とはいえ落ち着いて来てはいるので、とっさに走り出してどこか行っちゃう的な心配はなくなりました。バスまで歩いて行くときも手をつながないで大丈夫。進化しました。
さて、そのバス乗り場までの道のりでの話です。
るー君、歩いている間は「ごあいさつ怪獣」と化します。道ですれ違う人ほぼすべてに「おはようございます!」と大きな声であいさつをするのです。知ってる人でも知らない人でも構わず、です。
あいさつすることはいいことなんだけど、初めてあいさつされた通りすがりの人はびっくりしちゃうよね……初めの頃は私も「驚かせてすみません」とか思っちゃいました。でもしっかりあいさつできることは悪いことではなく、むしろ褒められるべきことだよなと考えを改め、素直にあいさつさせています。
でもせめて相手の方に不安を与えないよう、るー君が声をかけた人には私も一緒にごあいさつすることにしています。
最初は無視していた人達も、慣れてくれたのか最近は返事を返してくれるようになってきました。返事が返ってくるとるー君もとってもうれしそうです。
元気にあいさつする姿を見ているとこっちも元気になってきます。
さて、朝よく会う人たちの中には時々会う人と必ず毎朝顔を合わせる人がいます。
その毎日顔を合わせる人のうちのひとりは、同じバス乗り場を使っている小学生Hくんのヘルパーさん。Hくんのご自宅からバス乗り場までの送迎をする優しそうなおじさんです。
あっ、ヘルパーと言っていますが、障がい者の外出を支援してくれるガイドヘルパーさんのことです。移動支援従事者とも言います。
けどその人がヘルパーさんなのか違うのかを見極めるのは大人でも難しいです。ついるー君にはそこを説明してなかったんですよね、私。いつもHくんを連れてくるおじさんはヘルパーさんだよ、って。
るー君はごあいさつしたかったんでしょうね。ある日ヘルパーさんに向かって
「おとうさん、おはようございます!」
――うん、Hくんのお父さんなんじゃないかと思ったんだねぇ。
この人がHくんの何なのか一生懸命考えたんだろうけど、ごめん、違うのよ。
さて、毎朝会う人のもうひとりは、いつも犬の散歩をしているちょっとシャイなおじさん。バス乗り場の近くで必ず一休みして行かれるので毎朝会うのです。
そのおじさんは、要はただの顔見知り。なので呼びかけるならただ「おじさん」でいいと思うのですが、るー君にとってはなんて呼んでいいかわからない人だったみたいです。
ある日るー君は呼びかけました。
「男の子先生!」
――必死に考えたんだね。でもごめん、思わず噴き出しちゃった。
男性の大人の人で家族じゃない、っていうとるー君にとっては先生が一番身近な存在。そして「男性」「男の」っていう単語より慣れていてとっさに出てくる言葉が「男の子」。そんな自分の知っている言葉を自分なりに組み合わせて表現しようとしたんですね。親バカながらすごく感心してしまいました。
ちなみに犬の散歩のおじさん、珍しく大笑いしてました。
こんなふうにゆっくりと発達しているるー君。問題行動も多々ありますが、私にとってそんなるー君のこれからが楽しみなことも事実なのでした。




