花火大会の思い出
今日、ドライブに行って遠目で花火が見えました。すっかり夏です。
それで昔のことを思い出しました。
まだるー君が学校に入る前、五歳くらいのことです。旦那のお友達に誘われて花火大会を見に行きました。うちから電車で1時間半くらいの市、そこで花火大会があるというのです。
最初は車で行こうと思ったのですが、会場の駐車スペースがあまりなくて車は無理そう。そこで家族総出で電車を乗り継ぎ、いざ出陣! まだ当時はるー君、長時間電車に乗っていることが我慢できなくて騒いだりして公共交通機関での移動はかなりハードだったのですが、何とか頑張って連れ出しました。
駅からは何とか一台だけ駐車スペースを確保してくれていた旦那のお友達が車で迎えに来てくれ、会場まで連れて行ってくれました。
見物会場になっている小学校の校庭にお花見のようにマットを敷きオードブルやおにぎりや飲み物も持参で宴会です。るー君、大勢の人に興奮して歩き回っていました。もうすっかりごきげんです。
暗くなり、いよいよ花火が始まります。
この小学校、本当に真正面からでっかい花火が見られるのです。最高です。大興奮です。目の前の空いっぱいに開く大輪の刹那の花、ひととき夏の暑さを忘れてしまうほどの潔さ。
見事のひとことでした。
が、その最中雲行きが怪しくなってきました。
いえ、空ではありません。るー君です。
その頃はまだわかっていなかったのですが、どうやらるー君は大きな音が苦手なようなのです。花火大会も三分の一ほど進んだ頃、耳を押さえて泣き出しました。
いつも嫌なことがあって泣いていても10分と泣き続けないるー君が長時間パニクっています。
仕方なく私一人でるー君を連れ、帰ることにしました。みんなで帰っても良かったんですが、折角来たんだしアニキーズには楽しんでほしかったのです。
会場から駅まではバスかタクシーしかありません。泣き続けるるー君をバスに乗せるわけに行かないのでタクシー一択です。少し待って何とかタクシーに乗り、駅まで10分程の道を走りました。るー君、泣き続けています。
お家で手持ちの花火はよく好きでやっていたので、花火大会も楽しんでくれるだろうと思っていたのが大失敗です。かわいそうなことしたなあ。
ちなみに大きな音に対する過敏は今でも少し残っています。さすがにこれ以来花火大会には行っていないので花火が大丈夫かどうかはわりませんが、びっくりして泣き出すようなことはもうありません。
ただ、子供の泣き声だけは未だに苦手です。耳を押さえて何処かへ行ってしまいます。今でも学校で誰かがパニックを起こして泣き出したりしたときは嫌みたいですが、自分なりに折り合いをつけて我慢できるようになってきています。
少しずつ、少しずつですが彼なりの進歩が見えて嬉しい限りです。
さて、花火大会の後グスグスしながらも駅に着いた私とるー君ですが、るー君をなだめつつ駅に入ろうと歩いていた時、駅前で客引きをしていたらしい黒スーツのちょい悪ふうのホストさんに声をかけられました。
「坊主、泣いて母ちゃんを困らせてたらだめだぞ! 男なら母ちゃんを守らなきゃな!」
ほれてまうわっ! さすが女心をよくわかって……じゃない。
もちろんるー君は理解できたわけではないのですが、ホストさんの気持ちは嬉しかった。こうやって人の気持ちはありがたいものです。
それからちょっと時間はかかりますが人のほとんど乗っていない各駅停車の電車に乗って、ゴトゴトと帰りました。るー君は泣き疲れて電車に乗ってすぐに寝てしまったので、そこからは割りと楽でした。
まあ、電車降りてから抱っこで歩くという使命は残っているのですが!
大変な花火大会になりましたが、ちょっとほっこりもさせてもらった夜でした。




