【楽しさの後は】
相当ハードな休日だった。電車に乗りながら春里は眠りに誘われる。椅子に座る事ができないから、ぐっすりと眠ることは難しい。それでも眠気に勝てない春里は貴之と奏太が忍び笑いする程ふらふらとしていた。
「まるで子供だな」
「本当」
そんな声を聞きながらも、眠気には勝てない。瞼が重くなり、意識がもうろうとする。最後まで三人で楽しい思い出を作りたい。だから、眠るのはもったいない。そうは思っているのに、眠気には勝てそうもない。
今日は最高の日だった。春里が楽しめるように二人ともいろいろ考えてくれていた。絶叫系のものもきちんと制覇出来て満足だ。そのほかのアトラクションもキャッキャ言いながら楽しんだ。遊園地がこんなに楽しいものなのだと初めて知った。今までもったいないことをしたかもしれない。
最後に乗った観覧車はきれいだった。もうすでに陽は落ち、街の明かりがきらきらと輝いていた。星も月も。そして、ゆったりした動きの中で笑い合う。やはりこの二人と一緒にいる空間は心地良い。そう実感した時でもあった。もう少しでこの楽しい時間も終わる。そう思った時、とても淋しい気持ちになった。それくらい楽しかった。最後にいい思い出ができた。二人に感謝したい。これからも、こんな時間があればいい。春里は観覧車の中でそう思っていた。
「仕方ないな」
貴之がそう呟き、そっと春里を引き寄せた。抱きしめる形になったが、春里にはもう気にする余裕さえなかった。心地良い温もりと心臓の音を聞きながら、ゆっくりと眠りについた。
インドアの春里は体力がないので、はしゃぎ過ぎて疲れ果ててしまいました。本当に子供ですね。まあ、貴之に甘えているとも言います。
次は奏太視点。
もう一話お付き合いください。




