【悲しみの前兆】
再び3話まとめて更新ですみません!
十二月初め。春里はいつものように学校で過ごしていた。学園祭の後、クラスメイトとも心を少し砕けるようになった。期末テスト間近になり、休み時間は春里の周りには多くのクラスメイトが集まり、分からない事を確認して来るようになっていた。
以前の春里なら面倒くさいと思っていたことが、何の心の変化か、今はそうは思わない。必要とされている事が嬉しいとさえ思えるようになっていた。
午後の授業が始まり、眠りに落ちそうな先生の声を聞きながら、春里は懸命にノートに重要事項を書いていた。
突然廊下を走る激しい足音が聞こえ、おもいっきり教室の前の扉が開かれた。驚いてそこを見ると、息を切らした男性教師が誰かを探すように教室を見ていた。
「篠原、篠原春里」
春里はその声に驚き、立ち上がった。
「篠原、ちょっとこい」
息が整わないまま呼ばれ、何か緊急事項なのかが分かる。そうなると、春里の心臓が早鐘を打つ。焦るあまり、机に足をぶつけながら、先生のところへと行った。
「お母さんが危篤らしい。急いで帰る準備をしろ」
予想していた言葉だったが、現実に口にされると、心がついて行かない。春里の足は力を失い、その場でしゃがみこんだ。
――息が苦しい。
春里は胸元を押さえ、眼を閉じる。
――お母さん、お母さん、お母さん。
思い出すのは元気だった春香の姿。休日楽しそうにキッチンに立っている姿とご飯を食べる春里の姿を嬉しそうに見つめている姿。そして――。
春里の胸がキュウとなる。涙とともに込み上げてくる激しい感情。苦しくてつらくて何かにすがりたくなる。
「貴之さん、助けて……」
小刻みにぱっぱといきます。658文字って短いな。
次回もお付き合いください。




