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【春里は甘いものに弱いはず】
貴之は思わず春里の手を握った。春里が儚く見えて、消えてしまいそうで怖かったのだ。そして、少しでも元気になってほしくて、その手に触れた。貴之の手を受け入れてくれた春里をじっと見つめる。今にも泣きそうな顔をしているが、泣くのを我慢しているようだった。こんな場所では泣けないだろう。
「今日は映画はやめよう。そのまま帰ろうか。そうだ。ケーキでも買って帰るか。甘いものを食べると元気になる」
「それは貴之さんだけじゃないですか?」
無理やり笑みを浮かべながら春里は言い返した。
「春里だってそのくらい単純だろう?」
「何それ」
春里がクスクスと笑った。
「ほら単純だ。甘いケーキを想像しただけで元気だもんな」
「はいはい。なら、ご馳走してくださいね」
春里は貴之とつないでいる手を大きく揺らして見せた。
「来週も一緒に行ってくれますか?」
「喜んで」
春里が必要としてくれるなら――そんな思いで貴之は答える。
短すぎますね。でも、これ以上書くのはしつこいような気がして。と言うよりも他に書くことがないという感じでしょうか。
あと一話お付き合いください。




