真実は?
黄金の翼の神殿では、アントリュウスが戦場に向かおうとしていたがアルテミスが止めていた。
「貴女は、ここにいて、天界の果ての守り神が先頭をきって戦って、もし死んでしまったらどうするの?」
ニンキも心配そうな顔をしていた。
「私達はゼウスの魂を使って貴女の呪いをとく研究をしようしているのよ!ゼウスも貴女を殺すだけでなく二度と転生できない事を考えてるかもしれないよ!ゼウスが何を企んでるのか分かるまでは行かないほうがいいわよ」
アルテミスがアントリュースに抱きついた。
「もう死なないで!」
アルテミスとニンキの説得によりアントリュウスは、黄金の翼の国で待機する事となった。
アテナが地上から襲撃態勢に入っている報告がアントリュースの耳に入った。
いつの間に?
「国境付近からは軍の気配はなかったのに!?」
アルテミスが厳しい顔をした。
「アポロンの国から来たのね!」
「アポロンの国から!?アポロンは?」
「三年まえから姿を現さないのよ!アポロンは、ゼウスから脱退し、アポロンの領地はアテナが管理してるのよ」
アポロンの国は黄金の翼の国から近い国境の近くにあった。
アテナが率いる軍は、黄金の翼の国から50キロ程離れた所で待機していた。
その数はおよそ5万
ニンキが不思議そうな顔をした。
「アテナ軍だけで攻撃に来るの?襲撃態勢は、してるけど向かって来ないじゅない!なんか怪しいわね!」
ニンキは、この戦争では軍師やキュレアの相談役をしていた。
現状をニンキは知っていた。
アテナ軍とポセイドン軍が同時に襲撃に来れば天界の果ても苦戦しただろうが、5万とはいえアテナ軍だけなら軍事力からいって天界の果ての方が上だった。
「何か罠か!?とんでもない奴がいるかもしれないわね!」
アントリュースも不自然だと思った。
「こちらの戦力になる神が、ポセイドン軍に向かって行って主力の神がかなりいなくなってるのに、何故向かって来ないのかしら!?」
アルテミスも何故アテナ軍だけなのか疑問に思った。
「天界の果てとポセイドン軍が戦って弱まってから襲撃に来るのかもしれないわね」
ニンキがアルテミスに聞いた。
「どっちを?」
アントリュウスが疑問に思った。
「どっちって?」
ニンキが答えた。
「ゼウス達の狙いは、アントリュウスよ!でもアテナは、ポセイドンの事をよく思ってないからポセイドン軍が、弱まったらアテナは、ポセイドンを殺しに行くかもしれないわね」
「アテナがポセイドン軍を?身内同士で殺し合いをするの!?」
「ゼウスの所だったらしょっちゅうよ」
アルテミスがアントリュウスに説明した。
「アテナは子供の頃、ポセイドンの息子のトリトンに育てられたのよ!トリトンの娘バラスと親友だったけど剣術の練習中誤って、バラスを殺してしまったの」
「それでポセイドンと仲が悪くなったの?」
ニンキが
「よくわからないわよ!それだけじゃないわ!あの二人にはいっぱい色々な話があるのよ」
アルテミスも腑に落ちないところがあった。
「本当に誤って殺してしまったかさえ怪しいわ、アテナがバラスのことを親友といってることも、アテナに親友なんて言葉が出てきた時点で嘘だと思うわよ!アテナは友達もいないのに、親友?」
「じゃあ、誤ってではなくって嫌いだったから殺しちゃったんだ」
アフロディーテもおもしろそうだから話に入ってきた。
「私もそう思うわよ!アテナが親友・・・プッ・笑っちゃうわね!アテナは、その後、バラス・アテナと名乗ってたのよ!わざとらしいわね、生まれたときから兜を被ってたのよ!誰にも心を開かないでしょ」
楽しそうに話し出した。
「子供の頃思ったわよ兜を被った子と遊びたくないって!アテナとバラスが友達って想像がつかないわね」
ニンキがアントリュースに言った。
「神が死ぬなんて、よっぽど本気じゃなきゃあ死なないわよ!蘇生も出来ないくらいにやるなんてどんな死に方だったのか詳しい話しはないのよ!アテナがバラス・アテナというだけでポセイドン怒りそう」
ニンキも真実はわからなかった。
神の話は深く追求すると怪しく思える事が多かった。
権力がある者なら何とでも書き換えられる。




