魔獣
「団長!最近この街に狐の神が来てるんです」
「よその国の神が来てるって、穏やかじゃねぇな!そんな事をしたら戦争になる可能性だってあるだろう?どんな用件で来てるんだ?」
「いえ!詳しくは、わかりませんが、闘神の神には、間違いありません!近くに寄るだけで凄い闘気ですよ」
「いったい何が目的なんだろ!?」
「用件は、分かりませんが、人を探してるんですよ!紅い瞳のアントリュウスという女の子を」
「アントリュウスのことじゃないだろうな」
「ええ!アントリュウス君は、男の子だけど女の子だし、瞳の色は、違うけどアントリュウスという男の名前の女の子を探してるというのも何か引っかかりますね」
「奏にも、伝えておこう!用心しないと、アントリュウスは、まだ幼い子供だからな!何か関わられたら大変だ」
アガルタの神が半神半人と首輪を付けた魔獣を連れてセーシェルの国へ来ていた。
魔獣の姿は、ライオンの姿に龍の鱗を持ち尻尾が蛇だった。
アガルタの国がセーシェルの国を襲う計画がされていた!セーシェルの国に神の翼を持つ少年の話も伝わりアガルタが偵察を兼ねて訪れた。
「神の翼を持つ少年とか言っても普段から翼を出してないんじゃ、どの子供かわからないですね!」
「見た目が7、8才で碧い瞳に金色の髪だと聞いてるがな、セーシェル王家の騎士の称号を持ってるそうだ」
「そんな小さな子供が大人の魔人を倒したと聞いたら、いずれの驚異になりますね」
「ああ!成長する前に殺しておかないとな」
アガルタの神は、魔獣を使いアントリュウスを殺す気だった。
魔人のアントリュウスが、神のペットである魔獣を虐待しようとしたところ魔獣が暴れてアントリュウスを殺したというシナリオを作っていた。
もし、それでもセーシェルの国の者が何か言ってきたら戦争をすればいいとも思っていた。
半神半人が連れていた魔獣がいなくなった。
神達は、慌てて探した。
魔獣のオーラを感じ追っかけた。
アントリュウスがハンバーガー屋のテラスでロック部のメンバーとハンバーガーを食べながらロックを熱く語っていた。
ハンバーガーを食べてると魔獣が寄ってきた。
アントリュウスの手に持っているハンバーガーを食べようとした。
ハンバーガーに食らいついた!
アントリュウスは、とっさに危険を感じオーラを張って手を守った。
魔獣がアントリュウスのハンバーガーを食べた。
「何するのよ~!」
アントリュウスは、怒って魔獣を引っ叩いた。
「私のハンバーガー!お小遣い、もうあまり残ってないのに~っ」
魔獣は、アントリュウスに唸り声を出し落ちたハンバーガーを食べた。
アントリュウスは、悔し涙を浮かべて魔獣を蹴飛ばした。
それを見ていた人達は、アントリュウスを見て驚いた。
神達は、魔獣を見つけたが、子供が魔獣を蹴飛ばした事にびっくりした。
「子供が魔獣を?」
「あれ!金色の髪に碧い瞳?」
「まさか!あの子供が?」
ロック部のメンバーもアントリュウスを見て驚いていた。
アントリュウスは、地面に落ちたハンバーガーを見ていた。
ミックがアントリュウスを慰めようとした。
「アントリュウス残念だったなハンバーガー・・・」
アントリュウス!?
神達が見た!あの子供が!?
「何とかしてやりたいが俺達もバイト代あまり残ってないんだ」
キースがアントリュウスにフライドポテトを差し出し分けてくれた。
キースは、いい奴だった。
アガルタの神達は、学生服のアントリュウスを見てどうするか迷った。
予定していた魔獣がアントリュウスにビビってしまった。
これだけ大勢が見てる前で神が人間を殺したとなれば噂が広まる!アガルタの神達は、アントリュウスを拐って人目のない所で殺す事にした。
神が、アントリュウスに近づいて来た。
ニンキがアントリュウスの神の力を高めオーラを張った。
「アントリュウス!気をつけて、こいつら神よ」
アントリュウスは、不機嫌そうに「あんた達がそいつの飼い主?」
「うちの可愛いいペットを虐待したな!」
「あんた達!先に謝ったら!?私のハンバーガーをその犬が食べたのよ」
犬!?
神達も混乱した。
魔獣を虐待という話の予定が犬を蹴飛ばしたという話になりそうで、どうでもいい事だが調子が狂った。
「ここじゃ何だから向こうに行って話そう!」
ロック部のメンバー達が神に抗議した。
「おい!待てよ、あんた達、神だろ!神が人間を殺すのは条約違反じゃねぇか?」
神が言った。
「神に対して反抗をした場合は、その人間を殺す事を許されている」
「お前は、神に対して敬うことをしない人間だな殺しても罪にはならん」
アントリュウスがオーラを込めて、半神半人をぶん殴った。
半神半神は、まさか殴ってくるとは、思わず油断した。
ニンキが止める間がなかった。
3人の半神半人がアントリュウスを取り押さえた。
アントリュウスは、暴れた。
ハンバーガー屋の柱が折れ、テーブルや椅子がふっ飛んだ。
周りの人達は、避難した。
神がアントリュウスをオーラを使って取り押さえ連れ去ろうとした。
アントリュウスが暴れ抵抗した。




