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神の翼 ~黄金の翼の女神~ 転生したら男の子だった!  作者: 和(のどか)
第四章 伝説の勇者
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助ける命の選択

 イダス達はアテナ軍に包囲されていた。


 ゼウスは、戦争の準備の為、国境付近にアテナ軍を配置させていた。


 イダス達は、アテナ軍がいる事を知らず、準備が整い鬼の神達と大勢で結界に向かう途中だった。


 レニイは気づいた。

 アテナ軍に見つかってしまっている!包囲された!


 アテナ軍は500人くらいか?


 キュレアの騎士団は100人程


 レニイが焦った。


 アテナ軍のオーラの大きさから強者の神が多くいる事に気づいた。


 鬼の神達を守りきることはできない。


 戦えば全滅する!


「イダス!不味い!アテナ軍の兵士に包囲されている!とんでもないない数だ!それに強い神がたくさんいる」


 イダスが剣を抜き構えた。

「やるしかねぇな」


 イダスだけは戦う気だった。


 戦う!?

「相手は、アテナの大軍だぞ!ここにいる鬼の神達は守りきれない!俺達だけなら逃げらるがどうする?」


 レニイにとってはその選択しかなかった。


 あれだけの軍と戦っては全滅するだけ


 キュレアの騎士団なら逃げようと思えば全員逃げられる。


 守りながら逃げれば守ってる者は逃げ遅れて死ぬだけだとあきらかにわかっていた。


 レニイは、キュレアからイダス達の護衛を任されていた。


 この非常事態、鬼の神達は守れない、イダスとアシュレイだけ守って逃げる選択をした。


 鬼の神達の耳にレニイの言葉が聞こえた。 


 イダスは納得できなかった。

「見捨てるなんてできるわけないだろ!」


「助けると言ってもあれだけの大軍だ!戦えば全滅するだけだ!全員守ることはできない!助けるとしても20人くらいが限界だ」


 鬼の神達は、300人くらいいた。


 20人なら助けられる!?

 助ける者を選べっていうのか?


 どうやって選べっていうんだ!?

 イダスは、鬼の神達の顔を見た。


 見捨てる命を選べと言ってるのと同じじゅないか?


「助ける命を選ぶなんて出来るわけないだろ!!誰も殺されたくない!俺は戦う!」


「イダス、お前の気持ちは、わかる!だが相手は戦いのプロの軍人だ!このままだと助けられる者まで助けられなくなるぞ」


「俺は誰も見捨てない」


「冷静になれ、これは非情にならなければならない選択だ」


「俺達が迎えに来たんだぞ!ここにいる鬼の神達を置いて逃げるわけにはいかないだろ」


「キュレア様からお前を守れと言われてる!時間がないイダス逃げるぞ!」

 レニイは、急いでいた時間がたてばたつほど包囲が厳重になる。


「相手が、どんなに強くても俺は、仲間を見捨てて逃げねぇよ!見捨てるくらいなら死んだ方がましだ」


 イダスは、見捨てるくらいなら死んだ方がましだというセリフを気にいっていた。

 この言葉を出すと奏を思い出しもう後には、引けないと踏ん切りがついた。


「お前の気持ちは、わかる!だが、俺はこの小隊を任されてるんだ!全滅させるわけにはいかない、それにお前が死んじまったらキュレア様に合わせる顔がない」


「だっら俺を守ってくれ」


 イダスがアテナの兵士に向かって走った。


「バカな死ぬだけだろ」


 鬼の神達も荷物を置き武器を持った。


 イダスの言葉で鬼の神達が感化され戦う気になった。


「鬼の神がアテナ軍と戦うなんて!?」


 こいつら正気か!?

 あれだけの大軍だぞ!死を直前にしておかしくなってるのか?


 こいつらだって逃げれば何人か生き残れるかもしれないだろ


「レニイさんイダスを頼みます!鬼の神達は僕が守ります」


 アシュレイが剣を抜いた。


「お前も戦うのか?クソッ、とりあえずイダスの補佐をするがお前も危険を感じたら逃げろよ」


 レニイがイダスの所へ向かった。


 騎士団も一緒に行ったが危険を感じたら直ぐに撤退するつもりだった。


 どうなってるんだ治療魔法師までアテナ軍と戦う?

 守るだと?


 もう知らねぇ!!できるところまではやってやるが危険を感じたら逃げるからな


 イダスがアテナの兵士達を斬りはじめた。


 レニイの顔色が変わった。

「あいつ強い!」


 キュレア様との手合わせのときは弱いと思った。


 キュレア様が本気で戦ってたって事か?


 それだけじゃない!誰かを守ろうと思うと力が湧くって言うのは本当か?


 キュレアの騎士団もイダスの戦いに感化されアテナ軍と戦いになった。


 レニイやキュレアの騎士達がアテナ軍に斬りかかり乱戦になった。


 次第にアテナの兵士と戦場は激戦となっていった。


 アテナ軍の兵士達が鬼の神達の所へ大勢で向かった。


 レニイが気づいた。


「おいイダス!どうするんだアテナの兵士達が、鬼の神達に襲いかかるぞ」


 レニイは、やるだけやったんだから逃げるぞと言う言葉を遠回しに言った。


 アシュレイだけは、助けようと言おうとした。


「ここは、俺がやる!アシュレイの所へ行ってくれ」


 まだ戦う気か!?

 レニイは呆れた。

「お前な~!死ぬ気か?」


「死にたくないが、こいつらなら俺一人でも倒せる!キュレア様の剣と違って殺される気がしない」


 レニイは、イダスの戦いを見て、イダスならこの兵士達を殺せると思った。


「分かったイダス!アシュレイの所に行ってくる!だが、あのアテナの側近が、近づいてきたら逃げろ!1対1で戦えば死ぬぞ」


「分かったから、早くアシュレイの所へ行ってくれ」


「イダス!油断するなよ」


「大丈夫だ!俺には、油断する余裕なんかないよ」


 イダスが、ニヤッと笑った。


 バカヤロウ!震えてるくせに

 レニイがアシュレイの所へ向かった。


 何で俺まで戦ってるんだ?

 こんな分の悪い戦いなんて初めてだ。


 イダスとアシュレイにのせられた。


 やれるとこまでやるしかないな


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