真の翼
翌日、キュレアが街を案内してくれた。
キュレアと一緒に歩いてると民達が寄って来て挨拶をしてきた。
民から慕われてるんだなとフローラは思った。
音楽が聞こえてきた。
フローラの反応を見て「音楽好きか?」
「好きよ!」
演奏をしてる所へ行った。
「どんな楽器が好きなんだ?」
「ハープ」
ハープの演奏者の所へ連れて行かれた。
「凄くいい音!」
「弾けるのか?」
「うん!」
「弾いてみないか?」
「やめておく」
「どうして?」
「悲しい曲しか弾けないの!死んだ人達の為に弾く、私が弾いたら悲しくなる!みんな楽しそうにしているのに悪いわ」
「楽しい曲を何故、弾かないんだ?」
「私を守ろうとして死んだ人、その人の為に弾いてあげたい!でも私だけ楽しい思いをしたくないアントリュウスは、笑えないんだから」
「死んだその人は、君に悲しみをしょって生きてもらう為に死んだんじゃないと思うけどな!君に笑って生きてほしいと思って守ったと思う!守る奴ってそういうもんだ」
「貴方も誰かに守られたの?」
「俺は、逆さ!守りたかった!だが守れなかった、そいつは、いつも笑っていた、笑顔が綺麗な女だった!俺の死んだ彼女だ!俺が留守の時ここに来た闘神に殺された」
キュレアの顔が哀しそうな顔になった。
「俺も笑えるようになるまで何年もかかった」
「なぜ、笑えるようになったの?」
「時が解決したのかな!?ずーと、そいつの事ばかり考えてた、今の君と同じだ!あいつが死んだのに自分だけ笑っていたら悪い気がしてたんだけど、ある時酒飲んでて何かの拍子に笑ったんだ」
フローラがキャレアの顔を見た。
「そしたら、そいつの笑った顔を思いだしてな、自分が笑ってるとあいつの笑ってた顔が浮かぶんだ!自分が悲しく思うとあいつの悲しい顔が浮かぶんだ!これ凄い発見だろ!俺が発見したんだぜ!試しにやってみろよ」
「そんなの貴方だけでしょ!」
「笑えないんだったら、そいつの笑った顔を思いだしてみろよ、楽しかった事とか」
フローラは、アントリュウスと笑ったときの事を思い浮かべた!アントリュウスが笑った顔、アントリュウスと楽しかった事、アントリュウスがドジったところ・・・
プッ!!ワハハハハハハ~~っ
「え~~っちょっと待って~っ!もう賭け終わり?私の負けなの!?今の騙された感じ!!・・・・・・だけどキュレア!あなたの事嫌いじゃないから同盟結ぶわ!」
フローラは、久しぶりにおもいっきり笑った。
「ねぇキュレア私をもっと笑わせて!でも私、天界の果てに行かないといけないから3ヶ月したらここ出るわよ」
「ああ!構わないさ困ったら連絡するし、そちらが困ったら助ける」
「わかったわ!ねぇハープ弾いていい?」
「ああ!」
フローラは、久しぶりにハープを触った!そして人間界の街で楽しく演奏会をした時のこと、村の人達からハープをプレゼントしてくれたときの楽しい事を思い出すと楽しく笑えた。
そして他の音楽家達に「一緒に演奏しよ」と誘った。
私が楽しそうに演奏をすると、みんなも、楽しそうに聴いてくれた!
フローラは、音楽家やキュレアの国の神達と仲良しになった。
その後、フローラは、キュレアの国の神達に治療をしてあげたり畑仕事を手伝った。
タヌキンナとドラゴも一緒になって手伝った。
キュレアが笑った
それを見てアントリュウスも笑った。
「彼女の笑った顔を思いだしたのね!」
「いや君が賭けのとき豪快に笑った顔を思いだしたんだ」
アッハハハハ~~っ・・・!?
アントリュウスがムッとした顔で睨んでいた
「貴方は、相変わらず私を怒らせるわね!」
「誤解だよ、怒らせてるつもりはないんだよ!!」
貴方が暗い顔をすれば周りが不安になる、貴方が楽しい顔をすれば周りも楽しい顔になる、それを教えてくれたのは貴方でしょ
「キュレア、私ね、転生したら体が男の子になってしまったの・・・私って男なの?」
アントリュウスは、キュレアだったら何て言うか聞いてみたかった。
「そうか、でも君は君だよ、昔のままだ!君は、女の子だよ」
アントリュウスは、キャレアの言葉が嬉しくて笑顔になった。
だが神々の中には、アントリュウスの翼がない姿にゼウスとの戦いに不安を持つ神も少なくなかった。
ニンキが不安感を持つ神達を見て怒りが湧いた。
「翼、翼って、翼が蘇らなくて一番辛いのはアントリュウスじゃない」
ニンキがアントリュウスの神の力を増幅させた。
「アントリュウスには神の翼があるわよ」
アントリュウスの背中から光の粒子が現れ翼になった。
その翼から巨大なオーラが溢れた。
女神アントリュウスの新たな翼・・・神々から神の真の翼だと言われた。
天界の果てでは、神の翼と言うと女神アントリュウスの光の粒子の翼の事を言う事となった。
天界の果ての神々は、アントリュウスの神の翼に大喜びをした。
アントリュウスの新たな翼のお披露目になったがカーニバルが終わり、ゼウスとの決戦の準備に入った。
「ねぇ!ねぇ!アシュレイ」
「君は?」
「ニンキよ!」
「ニンキさん!?」
「さん?いいわよニンキって呼んで!」
「よかったですね体が出来たんですね」
「見て!男の子の体よ、私の体、触って触って」
「いや!僕は、そういった趣味はないから」
イダスは、最初に男の子って言わなければ触ったかもしれないのにと思った。




