賭け
フローラ達は、キュレアの神殿に招待された。
豪華な食事が出てきた。
タヌキンナは機嫌が良くなった。
タヌキンナの隣でドラゴも哺乳食を出され美味しそうに食べていた。
「だいたいの事情は、わかるけど、もっと旅人を受け入れるって事、出来ないの?」
キュレアは、「俺達だってそうしたいんだが旅人を入れると必ず被害に会ってるんだ!」
この国の事を説明した。
「この国の民は、闘神じゃなく豊穣や芸術の神、一般の神が多い、闘神の神が少ないんだ」
「なぜ!ここ闘神の国なんでしょ?」
「もともと、この辺りは、闘神の国ではなかったんだ!ゼウスを嫌う奴らがこっちに来たんだ!結界があるからこの天界の果てに居座ってしまったんだ」
フローラも久しぶりに豪華な食事を食べて少し機嫌がなおってきたのでキュレアの話しを聞いてしまった。
「ゼウスを倒そうと思ってる奴らもいる」
「ゼウスを倒すって?そんな強い神いなかったわ!数が多くて面倒なのは、いたけど」
「君が強いんだよ」
その言葉が気になった。
「あなたは、何で本気を出さなかったの?」
もし、本気で神のオーラを剣に注いでいれば簡単に剣が折れることはなかった。
「君が、どういう神か知りたかったからね!あそこで君と本気で戦っていたら周りにどれだけの被害をだしたかわからない!それに本気を出しても君には勝てなかったよ」
何、この神?
「あのねぇ!私が剣に呪いをかけて首を斬ってたら蘇生だって出来なかったわよ」
「君は、呪いをかけなかっただろ?」
「そうだけど・・・」
「君は悪意がない者を殺す神ではない、敵意がない者は殺したくない神だ」
「でも、勇者がみんなの見ている前で負けてもいいの?」
「構わないさ!俺が負けたから誰も怪我をしなかったんだぞ」
フローラは、キュレアが言ってる事が納得できた。
「でも、私は、あなたの事まだ信じてないからね!何だか私より二手先か三手先を読んでるみたいで嫌な感じ」
「ちょっと!俺は、悪気は無いんだよ、これは神生経験だ!俺は、千年生きている神だぜ、勇者なんて500才過ぎてからだ、それまでは弱くて何度も殺されかけた」
キュレアの話しに興味があった、どうやって勇者までなったのか?
「その度に死にたくないと思ってたら能力が覚醒されていったんだ!俺が勇者になるまでに何人仲間が死んだか!ああいう時はこうして上手くいったとか過去にあった経験で対処してる」
キュレアは、フローラの顔を見た。
「なあフローラ!俺と賭けをしないか?」
「賭け?賭けって何を」
「君を笑わせる事ができたら俺の勝ちだ!俺と同盟を結んでくれないか?」
「笑わせるって・・・」
「君は、怒った顔ばかりしてる」
「私だって笑いたいわよ!私は、大切な友達が殺された!そして私は、たくさん殺した!笑えなくなったわ!それで、期日はどれくらい?」
「3ヶ月でどうだ?あのドラゴンもミルクが必要なくなるだろ」
「いいわ!私もおもいっきり笑ってみたいからその賭けにのるわ!でも8才の私に1,000才の神が賭けを持ち掛けるのは良くないと思うけど笑ってみたいから受ける」
「8才?ちょっと待った~!あのオーラ100才は過ぎてるだろ」
フローラは怒った。
「100才って!お婆ちゃんじゃない?笑わせるって言っておいて初っぱなに怒らせないで!」
フローラは、生まれてから人間界にいたため100才はお年寄りだと思っていた。
キュレアは、苦笑いをした。
内心、神で100才は、子供なんだけど!今、反論しても大人気ないと思い我慢した。
「笑わせらなかったら俺の負けだ!何がほしい?」
「別にいらないわよ!ドラゴにミルク貰うし、私達もここで休ませてもらうわ」
「よし、わかった!明日、街を案内するよ!」




