勇者キュレア
天界の果ての副官であり、アントリュウスがいない間、天界の果ては勇者キュレアが守り神の代役をしていた。
「キュレア様!アントリュウス様の翼が、蘇らないとなると天界の果ての神々が動揺されるのではありませんか?」
天界の果ての重臣達も不安感を持っていた。
「仕方ないだろ!翼が蘇らないことが事実なんだから」
「傘下から離脱し、ゼウスにつく神も現れるかもしれません!」
「構わないさ!離脱してゼウスに付きたい神は、ゼウスの所に行かせればいい!旗色を見て付こうとしている弱い神達だ!止めなくていい、好きにさせろ」
キュレアの側近レニイが口をだした。
「いっそ貼り紙でもしましょうか?アントリュウス様の翼が、蘇らないないのでゼウスに付きたい神はどうぞって」
「それは、やり過ぎだがあの戦いから千年たった、心の底からアントリュウスを慕ってる神だけで天界の果てを作り直す方がいいしな!」
キャレアと仲のいい神達が頷いた。
「そういうことですね!寝返る神は、弱い神、この天界の果てにいてもゼウス軍との戦いになれば守ってやらないといけなくなるから、とっとと行かせちまったほうがいいですよね」
天界の果ての重臣の神達は、キュレアの言葉に納得した。
キュレアとイダスの目が合った。
キュレアがイダスの所に近づいて来た。
「君は、イダス君だね!」
「俺のことを知ってるんですか?」
イダスは、アリエルの言葉が気になっていた。
千年前、グレンさんより俺の方が強かったと言われた言葉が、その時の自分がどうだったか知りたかった。
キャレアが答えた。
「ああ!知ってるよ、千年前、グレンと一緒に黄金の翼の国に来ていた人間だよね」
「俺は、その時の記憶がないんです!俺はグレンさんより強かったんですか?」
「君の戦ってる所は見たことがない、直接会話をしたこともないんだよ、アントリュウスを尋ねてここに来ると君とグレンがいつもいたから覚えてるんだ!それと君に興味がある」
「俺に興味!?」
「グレンとは、何度か手合わせを頼まれて戦ったことがあるが剣術では、一度も俺に勝てたことがない、あいつ負ける度にイダスが蘇ったらこんなもんじゃないと何度も聞かされたよ、君と手合わせをしてみたいんだが」
「いや、俺は、まだ神になってないし、一人前じゃない、いずれお手合わせをお願いしたいと思います」
確かに勇者キュレアと手合わせをしてみたいが、今の俺じゃ、まともな試合には、ならないだろう!
キュレアがイダスを冷たい目で見た。
「そうかい、残念だね、君は、戦場でも、敵にそんな事を言うのかい?自分は、まだ一人前になってないからまたにしてくれって、見込み違いだったようだ」
イダスがその言葉で怒りが湧いた!
その怒りは、キュレアではなく、セーシェルで震えてアントリュウスを見捨てた事に、その時の自分を思い出して怒りがわ湧き上がった。
あんな思いは、もうしたくない!
敵が強いからって逃げるなんて事は、もうしたくない。
相手が神だから、自分は、まだ子供たから・・・クソッ
もう誰も見捨てない!見捨てるくらいなら死んだ方がましだ。
イダスの頭に奏が浮かんだ。
これ、姉さんの口癖だよな!姉さんにようやくたどり着いた気がするよ
怒りでイダスの背中から青白い闘気が出た。
「キュレア様!お手合わせをしてください」
キュレアがイダスの闘気を見て微笑んだ。
これが勇気か?
勝てるはずもない強い相手に挑む気持ち!
神にはないオーラだ!!
このオーラを見せられたら手を抜けないな。




