親子そっくり
ミカエルがパネースの近くに来た。
周りの空気に緊張感が走った。
「いよいよ、やるのですね!」
アントリュウスとニンキは、重い空気を感じた。
「やるって?」
「ミカエル!アントリュウスに説明してやれ!」
「姫様!この地球は、天界の始まりのゼウスと天界の果ての姫様の勢力が真っ二つになっています!この二大勢力が戦争を起こせば地球は、かなりの被害をうけ死滅する可能性があります」
アルテミスはこの話しを知っていた。
「我々は、地球を諦め新たな惑星に移住する計画を千年前から計画をしていました」
「地球がなくなるって!?人間や動物は、どうなるの?」
「地球は崩壊するでしょう!その中でも能力がある者は、次の惑星に連れて行きます」
「能力がない人間や動物達は連れて行かないの?」
「人間や動物は、一部の者しか連れて行けません!弱い人間では新たな惑星では肉体が対応できません!次の惑星では天界の果ての神が中心になります」
「人間界に仲良くなった人達がいるの!その人達も連れて行きたいの」
「それは、無理だと思います!体が次の惑星の環境に耐えられなくなり行っても死ぬだけです」
ニンキが思った。「環境に耐えられなくなるなんて、なんかとんでもない所のような・・・」
ミカエルが話しを続けた。「最初は、強いオーラを持つ者しか住めないでしょうが、徐々に天界と地上界を創る予定です」
「今、この地球にいる人間や動物や植物が住めない惑星だったら移住しないわよ!この地球でゼウスを殺して戦争を終わらせるわ」
「ですが!姫様の翼が復活しないのであればゼウスを殺すのは、かなり難しいです!原初の神が直接手を下すしかありません!そして時間はかかるかもしれませんが姫様の翼を蘇らせましょう」
アントリュウスは、反対した。
パネースが動けばガイアが出てくる可能性がある、原初の神同士が戦えば地球は崩壊する。
ゼウスの呪いを解くには、アントリュウスがゼウスより強くなる事だった。
アントリュウスの神の力がゼウスより強くなればゼウスの呪いがとける!だが翼をなくしたアントリュウスがゼウスより神の力が強くなることはかなり難しい。
残された選択として原初の神同士の戦いを避け、天界の果ての神だけでゼウスを殺しゼウスの魂を使って呪いをとく研究をする選択が一番最良だという話になった。
どうするかアントリュウスは、悩んだ。
「アルテミス!翼を、諦めてゼウスとの平和協定を結ぶことはできないの?」
「そんな事できないわよ!ゼウスは信じられない、約束を守る訳がない!ゼウスを殺さなければアントリュウス、貴女を殺しに来るわ」
アントリュウスもゼウスが約束を守るとは考えられなかった。
天界の果ての神々でゼウスが約束を守るなど誰も思っていない事はアントリュウスもわかっていた。
「ちょっと待って!考えさせて」
その夜、食事をしながら今後の地球をどうするかが話しあわれた。
ニンキがパネースとアントリュウスの食事をしている姿を見て驚いた。
食べ方、食べる順番も同じだった。
親子だなと思った。
会話中にアントリュウスの体を女にするかの話しが出た。
パネースが反対した。
今の肉体は、アントリュウスの力が一番出せるように進化した体、もし肉体を女性に変えてしまえば神の力を出すときに支障をきたす。
肉体を女性に変えるのではなく変身魔法を覚えて女の姿になることを勧めた。
だが、女性に変身しているときに神の力を消耗すると説明された。
アルテミスがアントリュウスに言った。
「いいじゃない男の体で!」
「えっ!ちょっと待って私は女神よ」
「女神になっても、あの色っぽい姿で戦ったら男達の視線を感じてまた男の姿に変身するでしょ?」
「えっ?」
「女になって男の姿に変身するくらいなら男の体のままの方がいいんじゃない?」
アントリュウスは、ゼウスを倒すまでは、男の体でいることにした。




