素敵な演奏
アントリュウスは、奏に頼まれて剣術の練習相手になることになった。
「奏と練習するとオーラのエネルギー使うからヘトヘトよ」
「私だってそうよ」
「奏!今日の御飯作れるの?」
「私は、今日無理よ!イダスに頼んだわ」
「そんな~~」
アントリュウスは、少しがっかりした。
家に着くとイダスが晩御飯を作っていた。
「只今!」
「お帰り!食事の用意できてるよ」
家に入るといい匂いがした。
「えっ!これイダスが作ったの?」
「えー大丈夫なの!?」
「おい!俺の料理は、最高だぞ」
そう言って食卓に料理が並んだ。
「へぇー意外!何か美味しそう」
「食べて見ろよ上手いから」
アントリュウスが一口食べた。
「旨い~~~!」
凄く美味しい奏よりも美味しい。
ダメそんな事思っちゃ奏に悪い!でもこの料理美味しい~!
アントリュウスは、最高の幸せそうな笑顔になった。
「イダス!あんた剣をふってないで包丁ふりなさいよ」
「何~!俺は、剣士だぞ」
「貴方!もったいないわよ、料理の神を目指すべきよ」
「何言ってんだ包丁振るのも剣の修行の一つだ戦場で敵を料理してやる」
「食事が不味くなるから変な事言わないでよ」
その夜ニンキに相談した。
「ニンキ、学校って行ったほうがいいのかな?」
「えっ!神の養成学校なんて行っても意味ないと思う よ」
「どうして?」
「だって神の力の使い方なんて人間に教えても使えるわけないでしょ!人間にたいしたこと教えられないわよ」
「そうよね!人間に何を教えるのかしら」
「おそらく!能力の高い人間を確保したいんじゃない!生徒は人間よ、神の力の使い方を教えても使えないんだから」
「なんだか神の養成学校って、つまんなさそうね!」
「そんな怪しい学校なんか、行かないほうがいいわよ!それよりも天界にどうやったら行けるか考えましょ」
「そうね!天界に行きたいね」
「天界に行けば!人間界と違って強いオーラを浴びれるわ!貴方の能力も高まるわよ!それに私は、肉体を作れる神を探したいわ」
「ええ!強力するわよ親友!ねぇ、ニンキ、私よく夢を見るの銀色の髪に紫の瞳の月ねような雰囲気の綺麗な女性!知らない?」
「それだけじゃわからないわよ!天界に行けば能力が高まって、もっと思い出すんじゃない?」
奏がイダスに相談した。
「アントリュウスを学校に行くように誘ってくれない?」
「えっ!俺が?」
「あの子、生まれたときから一人で山に住んでいて友達がいないのよ!性同一性障害だけではなく、記憶喪失でしょ!独り言も言うのよ」
ニンキの声は、アントリュウスにしか聞こえなかった。
「記憶喪失!?」
「あの子、7,8才くらいでしょ!生まれてまだ二週間くらいって言うのよ!」
「生まれてから今までの記憶がないの?」
「そうなのよ!それにあの子、初めて会ったとき裸だったのよ」
「生まれてから今までの記憶がないって・・・」
「あの子には、学校に行って勉強をしたり友達を作って遊んでほしいの」
「姉さん!アントリュウスのこと、かなり気にいってるんだね」
「そうよ!アントリュウス可愛いし!神になれる力があるんだったら神になってほしいわ」
「ああ!わかってるよ父さんと母さんだって神の力が、あったら死ななかったと思う」
奏とイダスの両親は、騎士だった。
父親が戦場で死に、母親も騎士だったが戦争で死んだ。
イダスが、アントリュウスの部屋に行き学校に誘った。
「学校に行かないか?」
「嫌よ!つまらなさそうだし、興味ないわよ」
「学校に行けば友達も出来るし、色んな事を知って遊ぶ事もできるよ」
「色んな事を知って?ねぇ!イダス、天界に行くには、どうやって行くのか分かる?」
「天界は、人間には、行けないよ!神になれば、学校の先生の推薦で動向して行った人は、いるけど」
「それ本当なの?」
アントリュウスは、悩んだ
「ねぇ、ニンキどう思う」
「確かに行けるかもしれないけど、ゼウスに絡んでいる神だったら危険よ、ゼウス神殿に行ってゼウスと対面になったら、貴方殺されるかもしれないわよ」
「そうよね!関わりたくないわね」
イダスは、目の前でアントリュウスの独り言を聞いてしまった。
「あ、あのアントリュウス!誰と話しをしてるの?」
「ニンキよ!私の友達の」
「ニンキって?姿も声もないんだけど」
「イダスは、ニンキの声聞こえないの?」
ニンキがアントリュウスに言った。「アントリュウス!私は、貴方の加護だから貴方としか会話できないのよ」
「そんな・・・」
「大丈夫よ!私は、アントリュウスがいるから、私のたった一人の大切な友達よ」
ニンキが可愛いそうになった。
ニンキをこんな目にあわせたゼウスは許せない。
「アントリュウス!学校に行こう!そしていっぱい友達を作ろうよ」イダスは、アントリュウスを誘った。
「友達は、いらないわ!私には、ニンキがいるから、それに奏も友達だし充分よ」
「姉さん!ダメだよ、見えない友達がいるし学校つまらなさそうだって」
休みの日、奏がアントリュウスを誘って街に行った。
街の広場で音楽家達が演奏をしていた。
その音楽を聞いてアントリュウスは、反応した。
「奏!素敵ね演奏会やってるのね」
「アントリュウスは、音楽好きなの?」
「うん!夢の中でよく聴いたわ」
奏は、アントリュウスの夢の話しなのか?失くした記憶なのか分からないけどアントリュウスが音楽を聞いて楽しそうな顔していることに興味を持った。
「アントリュウス!近くに行って聴こうよ」
「うん!行こう」
アントリュウスは、楽しそうに楽器の近くに行った。
ハープの演奏者に興味を持った。
曲が終わり演奏者がアントリュウスに話し掛けた。
「君は、ハープ好きなのかい?」
「ええ!これ凄くいい音ね」
「触ってみるかい?」
「触りたい!」
アントリュウスは、ハープを触らせてもらった!そしてハープを弾き始めた。
その高度な演奏に演奏家が驚き、周りに人が集まりだした。
アントリュウスは、楽しそうに弾いた。
曲が終わり周りから盛大な拍手が起こって。
「君は、一流の演奏家なのかい?」
「えっ?一流の演奏家って」
奏が、「アントリュウス!貴方ハープを弾いたことが、あるの?」
「ないわよ!初めて見たわ、この楽器」
奏は、確信した。
やはり記憶を失ってるんだわ!初めてハープを触って弾けるわけがない!以前どこかで習ってたってことよ!そのことを覚えてないのね
演奏家達に頼まれて、毎週土曜日と日曜日は、ここでバイト代をもらい演奏することになった。
街を散歩しているとイダスに会った。
イダスは毎週、土曜日と日曜日は、友達のアシュレイの所でアルバイトをしていた。
アシュレイは、髪が茶色で青い瞳、日焼けをした男の子、隣の村の農業地帯に住んでいて土曜日と日曜日は、村で作った農作物を売りに来ていた。
イダスとは、学校の友達で家計を助ける為にアシュレイの所で週に二回アルバイトをしていた。
イダスとアシュレイは、12才で学校のクラスメートだった。
アントリュウスが、「イダス!偉いわね!アルバイトしてるの?」
「ああ!姉さんばかり働かせるわけには、いかないからな」
「私も、来週からアルバイトするの!バイト代を家計にいれるわ」
アシュレイが、アントリュウスを見て「イダス、いいな!こんな可愛い女の子と一緒に住んでるの?」
その言葉にアントリュウスは、アシュレイに好印象になった。
「僕は、アシュレイです!イダスとは、学校が一緒で友達なんだ宜しくね」
「私は、アントリュウスよ!宜しくねアシュレイ」
アントリュウス?男の子みたいな名前だな!?
イダスは、後で説明しようと思い余計なことは、言わないようにした。
奏がアントリュウスに「二人は、お仕事中だから行きましょ!アシュレイ!たまには、家に遊びに来てね」
「はい!伺います!アントリュウス、またね!」
そう言って、アントリュウスと奏に手を振った。
イダスがアントリュウスのことをアシュレイに話した。
「あんなに可愛くてしゃべり方だって女の子より可愛い女の子じゃない」
「落ち着け!話しがめちゃくちゃだ!言いたいことは、わかる」
「いや~っ!ホモの気持ちが、少しわかってきたよ~」
「アシュレイ!ホモは、男が好きなんだ、女の子ぽいのを見て好きになるのは、ホモじゃない安心しろ」
イダスは。アシュレイをフォローした。
「イダス!君も可愛い女の子として見てしまうのかい?」
「見た目はね!だけど手におえないし、強い!そのうち可愛いい女の子扱いしなくなるから安心しろ」




