死の淵
ミノタウロスと睨み合いオーラとオーラがぶつかり合い周りにも二人の殺気が伝わった。
ニンキがアントリュウスの神の力を増幅させた。
小柄なアントリュウスとミノタウロスの剣がぶつかり合った。
お互いの力が互角だった。
「本当にとんでもない化け物ね!神の私と互角に戦うなんて」
アントリュウスは焦った。
ニンキの魔法を使い神の力を増幅した事で勝利を確信していた。
心の何処かに半神半人だと見下していたと反省した。
アントリュウスはオーラを高め本気になった。
ミノタウロスを半神半人では無く神と同格以上の敵と認めた。
奏から教わった剣術を使い加速をつけてミノタウロスの心臓を突き刺さした。
ギャ~~~~~~!
ミノタウロスは、アントリュウスの突きの速さに反応できず悲鳴をあげて倒れた。
「さて!ここからね、こいつ直ぐに回復するんでしょ!」
ミノタウロスが回復して立ち上がった。
アントリュウスは予測していた。
遠心力を使い首を斬り落とした。
ミノタウロスの首がふっ飛んだ!
ミノタウロスが倒れて死んだ!
「終わったわね!」
アントリュウスはイダス達の所に向かおうとした。
背後からの殺気に気づいたがその瞬間足首をつかまれた。
「何~いい!こいつ首が無いのに生き返るの!?」
アントリュウスは、ミノタウロスの手首を斬ろうとしたが硬くて切れなかった。
ミノタウロスの体は硬かった。
加速や遠心力を使わずに斬りかかっては斬れないと悟った。
アントリュウスは、オーラを剣に注ぎ込み何度も剣を刺した。
ミノタウロスがもう一つの腕で殴りかかってきた。
アントリュウスは、オーラを使い殴りかかってきたパンチを防いだがあまりの威力にふっ飛んだ!
「こいつ頭が無いのに御飯食べるときどうするのかしら!?」
アントリュウスは、いらない心配をした。
ニンキが助言をした。
「アントリュウス!こいつ神の力を持ってるけど本当の神じゃないわよ!蘇生するには、大量の神のオーラが必要なの!推測だけど蘇生は何度も出来ないと思うわ」
「こいつの神のオーラが消耗すれば蘇生出来ないってことね!」
「そうよ理論的に考えれば蘇生に必要な神の力をどのようにするかよ!神のオーラがなかったら蘇生は出来ない!」
ミノタウロスの首が飛んできて胴体にくっ付いた。
「貴方、凄いわね!その首リモコン仕掛けなの!!」
「貴様舐めてんの俺は不死身なんだよ」
「そんな事聞いてないわよ!私はリモコン仕掛けなのかって聞いたのよ!!」
アントリュウスが怒鳴った。
何故かこの会話があったまにきた。
アントリュウスとミノタウロスはお互い死の恐怖を感じおかしくなっていた。
アントリュウスは、緊張感と恐怖、そして冷や汗が出た。
些細なことでもイライラするくらい恐怖でおかしくなっていた。
心臓の鼓動が高鳴った。
ニンキはひたすらアントリュウスのフォローをするしかなかった。
ニンキも恐怖を感じていた。
アントリュウスが死んだら私はどうなるんだろ!
私も死ぬの?
それとも私だけ生きて一人ぼっち!誰とも会話ができず永遠に死ねないまま魂だけで生きるの!?
「いやだよ~~っ!!」
ニンキは、精霊と出会えたのは、アントリュウスが精霊達と魂の絆で通じていたことがわかっていたアントリュウスが死ねばニンキだけでは誰とも会話が出来ない事もわかっていた。
ミノタウロスが蘇生した。
アントリュウスが微笑んだ!
「そうよ!このまま終わってはつまらないわ!もっと私を楽しませなさい!!」
アントリュウスは戦いに酔った目をしていた。
この先がどうなるの!?
「死の淵を見たもの同士の戦いってオーラが違うわね!」
この感覚芸術性を感じる!!
回復したミノタウロスの顔に呪いを込めた剣を突き刺した。
ギャ~~~~
ミノタウロスが震えながら大きな声を出して悲鳴をあげた。
アントリュウスが微笑ながら近づいて行った。
「いい声ね!もっと聴かせて!」
アントリュウスは、ミノタウロスの回復を待った。
「早く回復しなさい!」




