賭け
アシュレイが半神半人の所に走って行った。
「あの!その亜人の子、疲れてるみたいだから休ませてあげてください!荷物は、僕が運びますから」
「お前、人間だよな!誰の奴隷だ」
「僕は、奴隷ではありません!セーシェルからレムリアまで旅行で行くところです」
「まあいいや!急いでるんだとっとと運んでくれ」
イダスも手伝った。
半神半人が驚いた!
「お前達本当に人間か?」
アシュレイが「人間です!」
半神半人に身分証を見せた。
「お前!もったいねぇな、いい奴隷になれるのに」
「奴隷なんかなりませんよ」
アシュレイとイダスが全ての仕事を短時間で終わらせた。
「仕事は全部終わりですね!亜人の子は今日の仕事を終わりにしてあげてください」
「ああ構わないよ!なあ君達明日も来てくれないか?」
「いえ!僕達は今からレムリアに行くところなんですよ」
「そうか、明日は、今日の2倍の荷物を運ばなければいけないんだよ!亜人一人じゃ大変なんだよ」
アシュレイとイダスは困った顔をした。
アントリュウスが近くに来て「今日は、この街に泊まりましょ!明日仕事を手伝ってからレムリアに向かいましょ」
マサルが、「アントリュウス様!急がなくては!!」
「今日の2倍の荷物をあの亜人の子に一人で運ばせなれないでしょ」
マサルは、アントリュウスの言葉に止める事ができないと諦めた。
タヌキの亜人の女の子に高級な宿泊所に案内してもらった。
食事をする事にした。
マサルは宿泊所の中には入れてもらえずペット用の部屋で泊まる事になったが高級宿泊所のペット用の食事は豪華だったのでご機嫌だった。
アントリュウス達のテーブルに豪華な食事が並んだ。
亜人の子供があまりにも豪華な食事に大喜びをした。
周りにいた裕福な身なりの半神半人の男が不機嫌そうな顔をして近づいてきた。
「貴方達は、神ですか?」
アシュレイが応えた。「僕達は、人間です」
アントリュウスが神だとバレないように近づけさせないよう半神半人の前に立った。
「人間だと!?お前達人間がなぜこんな豪華な食事をしてるんだ!親の地位は?」
「僕達は、庶民です!お金を貯めて今からレムリアの街に行くところです」
半神半人は、身内に神か権力者がいるのではないかと警戒したが、只の庶民だと知り絡んでお金を巻き上げようとした。
「おい!お前達ここの由緒正しい宿泊所に奴隷の亜人をテーブルに座らせるという事がどういう事か分かってるのか?」
「どういう事と言いますと?」
半神半人が怒鳴りだした。「奴隷が座ったテーブルに誰も座りたくねぇだろ!この料理屋は、もう使えなくなった!損害を払え」
「ですが、僕達は、料金を払ってお客として来てます」
アシュレイもだんだん怒りが増してきた。
「俺達は、この料理屋に来る度に奴隷が使ったテーブルだと思うと気分が悪くなる慰謝料を払え」
亜人の女の子は震えなから泣き出しそうになった。
アントリュウスが立ち上がった。
イダスがアントリュウスを庇うように立った。
「いい加減にしろよ!親父」
イダスは、アドレナリンが出て半神半人の前に歩いて行った。
「イダス!ダメだ暴れては」
半神半人がアシュレイの言葉に怒りだした。
人間が神に挑んでくるだと!
「お前達!俺と戦おうというのか?」
半神半人が剣を抜いた。
イダスも剣を抜いた。
アシュレイが慌てて半神半人を止めた。
「ちょっと待ってください!剣を抜かなくても話しは合いか、せめて武器を持たず腕相撲にしませんか?」
プッ!アハハハハハ~っ!
アントリュウスがアシュレイの言葉で笑いだした。
「おっもしろ~い!腕相撲にしましょ!」
半神半人が怒りだした。
「てめえら神を舐めてるのか~~!!」
アシュレイが半神半人を押さえた。
「舐めてません!殺し合いをしたくないだけです」
「よし分かった腕相撲で勝負してやる!幾ら賭ける?」
アントリュウスが「幾らでもいいわ!お金はたくさん待ってきてるしカードもあるわよ」
「金貨100枚でどうだ」
「構わないけど貴方、金貨100枚用意出来るの?」
何!!金貨100枚持ってるのか?
こんな美味しい話はない!半神半人の顔がニヤけた!
「ああ!用意する」
「じゃあは始めましょ!」
半神半人は、アントリュウスのオーラを感じとった。
「ちょっと待て!相手は、そのガキだろ!そいつが言いだしたんだからな」
アシュレイが慌てた。
「ちょっと待ってよ僕が半神半人の神様に勝てるわけないじゃない!お金を払うのは、アントリュウスなんだから」
「何言ってんだ!殺し合いよりましだと言ったのはお前じゃねぇか!!」
アントリュウスがアシュレイに「大丈夫よ!アシュレイなら力持ちだから」
半神半人は、嬉しそうな顔をした。
何処かのお嬢様か?
世間知らずの子供に出会うとは!俺もついてるぜ!!
「ちょっと待ってよ!力持ちと言ったって神様に勝てるわけないよ」
周りにいた者達も集まりだした。
「オーイ俺達も賭けに参加させてくれ」
料理屋にいた客達が賭けだした。
全員半神半人に賭けた。
賭けを取り仕切る半神半人が困った顔をした。
「なんだよ!賭けにならないじゃねぇか!誰か人間の子供に賭けろよ」
「あんたが賭ければ!そうしないと賭けがはじまらないだろ」
「無理言うなよ!人間の子供が半神半人に勝てるわけないだろ」
アントリュウスがアシュレイに言った。
「お金を出して!アシュレイに賭けるわ」
「ちょっと待ってよ!まだ僕がやると来まった訳じゃないよ!アントリュウスが腕相撲をする交渉をしてるところだよ」
イダスがアシュレイに小声で言った。
「アントリュウスが神の力を出して勝ったら目立つだろ!アシュレイなら目立っても自慢になるだけだ」
「勝てるわけないだろ!!」
「アシュレイ!お前なら勝てる気がするんだ」
「本気で言ってるの?」
「希望を捨てるな!!お前ならいつか今の神にはない力を持った新たな神になる気がする!俺もだがな」
「イダス!!」




