転生
「ようやく私達、生まれるのね!」
アントリュウスは、見た目が、七才くらいの金色の髪に碧い瞳の女の子のような可愛いらしい顔をした男の子だった。
魔法の加護ニンキと転生の日がきた。
「いっぱい遊ぼうね!ニンキ」!精霊さん達が出迎えてくれるわよ!」
卵の殻を割って外に出た。
口を大きく開けた熊がいた。
熊は、卵の殻から出てきたアントリュウスを食べようとした。
「危ない!アントリュウス逃げて~!」
ニンキが浮遊魔法を使い、アントリュウスが五メートほどジャンプした。
熊が、アントリュウスに襲ってきた。
「アントリュウス!逃げるのよ!」
お腹を空かした熊が涎を滴ながら必死に追ってきた。
「ちょっとニンキ!何で私が、逃げなくちゃいけないのよ、私は、神よ」
「ダメだよ!貴方の神の力弱すぎるのよ!」
「だけど熊にも勝てないってことないでしょ」
「生まれたばかりで神とは、思えないくらい弱いのよ、今は、戦ってはダメ!逃げて~」
必死で逃げた。
熊よりは、速かった。
「ニンキ!私、変なものが付いてる」
「何が付いてるの?」
そんな事言えないわよ!どうしょう
泣きそうになった。
「私達、友達でしょ!隠し事は、無しよ!何がついてるの?」
「ち◯ち◯!」
「えっ!貴女、女神でしょ!何でそんなものがついてるのよ」ニンキは、驚いた。
転生前の眠りの中で会ったときは、確かに女神だったのに・・・
女神は、焦った。
「ニンキ!剣かナイフみたいな物作れないの?」
「ダメだよ!それ切っちゃ、落ち着いて~」
アントリュウスは、落ち込んだ。
「ニンキ!パンツほしい」
「動物を捕まえて皮で作ろうか?」
「さっきの熊、捕まえて毛皮にしよ」
「熊は、やめようよ!兎とか狐やタヌキの毛皮にしようよ」
「狐やタヌキの毛皮は、ダメよ!前世の私の家族だったような夢をみるのよ!」
「じゃあ、兎で決まりだね」
アントリュウスは、兎を捕まえようとしたが兎の近くに子兎がいた。可愛いそうで殺せなかった。
「ニンキ、パンツなくても強く生きるわ!私」
「アントリュウス!貴方は、幸せよ、まだ肉体があるんだから!私なんか男でも女でもどちらどもいいからほしいわよ」
ニンキの事を考えたら私は、まだ幸せなんだな!
「ねぇ!ニンキは、体があった頃、女だったの?」
「覚えてないわよ!そんな大昔の事なんか!」
「前世の記憶は、あるんでしょ?」
「あるけど!どっちだったかな!?爺って言われてた事が、あったような・・・」
「爺!?」
「でも私は、加護でも転生してるんだから少年よ」
「ニンキって話し方が、女の子みたいだからてっきり女だと思った!」
「そうかしら!」
「ニンキは、肉体が手に入ったら、男の子と女の子どちらがいいの?」
「私は、男の子がいいな」
「えっ!何で男なの?男って気持ち悪いでしょ!付いてるし、髭が生えたり、女の体見て鼻息を荒くするのよ」
「そうかな!女だって、男の体、見て鼻息荒くすると思うけど」
「髭は?」
「カッコいい髭を生やしたいわ」
アントリュウスは、山を散歩しながら木の実、果物、獲物が取れる所を探索した。
木の実を食べた。
「ねぇ、ニンキは、食事とかしなくて平気なの?」
「私は、貴方の加護だから貴方のオーラのエネルギーが、食事よ」
ニンキも天界に行きたかった。
肉体を作れる神を探したかった。
「ここ人間界よね!」
「ゼウスの呪いよ!天界に行けないようにされてるわよ」
「ゼウスの呪い?」
「貴方、前世の記憶は?」
「前世の事なんか覚えてないわよ!転生前の眠りの中でニンキと会ったところから覚えてるけど、それより前の事は、わからないわ」
「アントリュウスのオーラは、凄かったんだよ、貴女から翼を奪ったとしたらゼウスしか考えられないよ」
「その時、私は、なぜ死んだのか、ニンキに話さなかったの?」
「あのねぇ~、聞こうとしたのに、貴女が眠いって言って寝ちゃったじゃない覚えてないの?」
確かに!あの時は、眠かった。
「ねぇ!ニンキ、パンツできたら人間の街に遊びにいこうよ!」
アントリュウスとニンキは、武器を作る事にした。
棒に研いだ石をくっつけて槍を作った。
「これでよし!」
アントリュウスは、神のオーラを槍に注いで槍で木を刺した。
刺した槍が木の中心まで食い込んだ。
「凄い、私!この武器があれば熊に勝てるわね」
「アントリュウス!やっぱり弱いよ!」
「そう!でもかなり威力がありそうよ」
「人間と比べたら強いけど、神の力を考えたら弱いわ」
「熊だったらなんとかなるかな?」
「槍が折られるかもしれないし、避けられたらたまったものじゃないわ、危険よ!それに魔獣だったら槍が、折れてるわよ!まだ戦うのはダメよ」
「魔獣って、そんなに強いの?」
「貴女の本来の能力が出せればたいしたことないけど、今の貴女のオーラは、弱小の神や弱小動物の神より弱いかも」
「私は、別に強い神になりたい訳ではないし、芸術の神か豊穣の神を目指したいわ」
ニンキは、気になった事があった。
神の力が弱すぎる!
七色の小さな光の球が、アントリュウスの体から抜けアントリュウスの目を見た。
「アントリュウス!貴女、瞳の色碧いけど、紅い瞳だったわよね」
「えっ!そうなの」
ニンキは、アントリュウスが成長するまでは、戦わせないようする事にした。
それに、あの時の熊、普通の熊とは、思えなかった千年たち、熊が進化したのか?それとも魔獣に進化しかけてるのか?危険を感じた。
ちょっと待って!魔獣と普通の熊すら識別できないって神の能力がかなり弱いって事じゃない。
ニンキの能力は、加護になったアントリュウスの神のオーラを使って魔法を使ったり、能力を出す、アントリュウスの神の力が弱いと大きな魔法は使えない。
木の実を食べてると背後から殺気がした。
熊が襲いかかってきた。
アントリュウスは、とっさに避けた。
直ぐ様、槍を熊の腹に刺した。
熊は、苦しそうな声で、吠えた。
熊が腹に刺さった槍をへし折った。
アントリュウスは、逃げようとしたが後ろは、崖だった。
「どうしょう!ニンキ飛んでも大丈夫かな?」
「ダメだよ、この高さからだと着地しても、今のアントリュウスの肉体では、耐えきれないよ」
騎士団がその近くを通りがかった。
団長が、「大変だ!子供が熊に襲われてる!すぐに助けないと」
助けようとしたが、距離が離れていた。
団長が、飛び出そうとしたが女の騎士、奏が飛び出した。
走って、アントリュウス所に向かった。
アントリュウスは、槍が折られ焦った!熊の殺気が伝わってきた。
アントリュウスは、折れた槍の棒にオーラを注いだ。
熊が爪を使ってアントリュウスに襲いかかってきた。
アントリュウスは、避け3メートほどジャンプして槍を熊の首のあたりにオーラを注いで突き刺した。
熊が倒れ痙攣を起こして死んだ。
何!今のオーラ、それに3メートくらい飛ぶなんて!この子、神なの?
「貴方大丈夫?」
「ええ!大丈夫よ」
アントリュウスは、下と胸を手で抑えた。
「貴方!ここで何をしているの?」
「私、2週間前にここで生まれたの!」
この子錯乱してるのかしら?
「お姉さん!私行くねサヨナラ」
「待ちなさい!子供がこんな所にいたら危ないから街に行きましょ」
「ダメよ!街には、行けないの」
「何故?」
「パンツがないの?」
アントリュウスは、恥ずかしそうに言った。
騎士団達が駆けつけた。
アントリュウスは、慌てて奏の後ろに隠れた。
騎士達が死んだ熊を見た。
「凄いなーこれ、見てたよ君が倒すところを」
奏が自分の上着をアントリュウスに着せた。
「ねぇ!ここは、危険だから街に行きましょ!お洋服も必要でしょ!」
「洋服くれるの?」
「ええ!あげるわ」
「ニンキ!行こうよ!」
「そうね!この人、悪い人じゃなさそうね!」
奏は、アントリュウスを見て!独り言?誰と話しをしてるのかしら?
アントリュウスは、騎士団と一緒に騎士の訓練所に行くことにした。
騎士団は、王家直属の騎士でセーシェルの国の中でも神に近い能力を持つ人間によってつくられた騎士団だった。
奏に更衣室に連れて行かれた。
トランクス?
これ男ものじゃない!?
あなた、付いてるんだから女ものを履いたらおかしいでしょ!
ブラジャーは?
あなた小さいから必要ないわよ
私、転生前の眠ってるときは、巨乳だったのに・・・
アントリュウスは、おっぱいマッサージをするかどうか悩んだ。
騎士団の一番小さい制服を着せられた。
「今晩はうちに来ない?ここには、普通の洋服がないから、うちにくれば、弟の洋服があるわ」
「弟の!女ものは、ないの?」
「家にいらっしゃい!私の休みの日に買いにいきましょ!」
「買ってくれるの?」
奏は、アントリュウスの言葉から、この子、自分のことを女だと思っている!それに会ったときに、二週間前に生まれたって言ってた。
神の子供?それとも精神的に何かおかしいの!?
王家直属の騎士団の神の医者に見てもらうことにした。




