共犯者
アントリュウスは、奏の近くまで行き魔人に斬りかかった。
「アントリュウス!何故、来たの?」
「奏が死んだら嫌よ!こいつらを殺さなければ、街の人達が殺されちゃう!私も、こいつらを斬る!」
だが、アントリュウスは敵の兵士達を見て殺すのをためらった。
兵士達全員が悪人には、見えなかった。
「何故、殺さなければ、いけないんだろ?」
ニンキがアントリュウスに言った。
「アントリュウス!殺さなければ、殺される!貴女も、奏も街の人達も、辛いけど殺すしかないの!」
アントリュウスは、剣を握り、人間の兵士の首を斬り落とした。
手に斬った感触が残り、罪悪感を感じた。
私、なんでこんな事を!
悔やんでるアントリュウスの目の前で敵の兵士が、街の人を斬った。
「何故斬るの~っ!」
アントリュウスは、怒りが湧きあがりその兵士の背中から斬った。
鎧ごと斬られた兵士は、大量の血を流し苦しそうに倒れた。
負傷した街の男にアントリュウスは、急いで駆け寄り治療魔法を使った。
「大丈夫!?死なないで!危ないから、何処かに隠れてて、この兵士達全員殺すから!」
「ありがとう!君も気をつけて!絶対死なないで」
そう言って避難した。
「ニンキ!私、この兵士達を殺すわ!誰も殺されたくない」
「アントリュウス!貴女だけに罪を負わせないわよ!私も貴女と一緒に戦う共犯者よ」
「ニンキ!ありがとう」
アントリュウスは、躊躇うのを辞めた。
躊躇えば誰かが殺される!
ニンキが、アントリュウスの神の力を高めた。
アントリュウスの背中から光の粒子が輝き出した。
敵の兵士達が動揺した。
「彼奴!!神の翼を持つ魔人じゃないか?」
敵の兵士達が緊張感の中でアントリュウスに斬りかかった!敵には、アントリュウスの動きが速くて見えなかった。
兵士の首が宙に舞った。
それを見た敵の兵士二人が同時に斬りかかった。
「クソッ!殺してやる」
アントリュウスは、見えない速さで動き兵士の首を斬った!
二つ首が宙を舞った。
兵士の首のない体から、大量の血が吹き上げ倒れ二つのの首が地面に転がった。
その首を見た敵の兵士達は、恐怖に陥った目でアントリュウスを見た。
「子供だろ!」
「神の翼じゃないない!!悪魔の翼じゃないか!?」
敵の兵士達は、脅えながら剣を握った。
街の人達が神の翼を持つ少年に祈った。
街を救ってほしいと、
だが嫌悪感もあった。
子供が私達を助ける為に敵の兵士を殺している!
まだ小さな子供が・・・
敵の兵士中に神がいた。
アガルタの兵士の中に神と半神半人が神の力を抑え、人間のふりをして戦っていた。
キツネコがそれに気づいた。
条約を気にしないで魔人や兵士を斬り始めた。
魔人達が次から次へとキツネコに斬りかかってきた!
キツネコが神と魔人に囲まれた。
アントリュウスに脅えているアガルタの兵士の所に魔人が加わり襲いかかって来た。
奏に教わった剣術に神のオーラを使い魔人の剣を受け流し斬った。
だが、アントリュウスの背後からアガルタの神が、斬りかかった。
アントリュウスは、剣を受け流そうとしたがオーラの威力があまりにも巨大だった為吹っ飛んだ。
「ようやくお前を殺せる!悪魔の翼!!」
倒れたアントリュウスに留めを刺しにきた。
アントリュウスは、かろうじて避け!加速を付けて神に剣を突き刺した。
敵の神がオーラを使って防御したことにより剣が刺さらなかった。
ニンキが焦った。
「アントリュウス!そいつ人間じゃない神よ!貴女の神の力がかなり消費してるのそいつと戦っては、ダメ!」
「こいつをこのまにしておけないわよ!」
アントリュウスは、神の力を使い過ぎた為、体力がかなり落ちていた。
「まだ力が残ってるのか!?観念しろ」
敵の神が、斬りかかってきた。
アントリュウスは、ありったけのオーラを使い剣で受けたが、吹っ飛ばされた。
倒れたアントリュウスに神が留めをさそうとしていた。
それを見ていたアシュレイが助けに行こうとした。
イダスがアシュレイを止めた。
「ダメだ!アシュレイ!相手は神だ!どうにもならない」
「どうにもならないなら見捨てるの!助けないの!?アントリュウスを!」
アシュレイは、イダスの顔を見た。
イダスは、アシュレイの言葉に動揺した!俺が、アントリュウスを見捨てる!?
殺されそうになっているアントリュウスを見た!
俺は、アントリュウスを見捨てるなんて出来ない!
イダスは、剣を握って敵の神を見た。
握った剣が震え!足もガクガクと震えだした。
イダスは、自分の弱さを思い知らされた。
「どうにもならないじゃないか!!俺達は人間だし子供なんだからぁ~~っ!」
イダスは、苦痛な脅えるような目でアシュレイを見た。
「だからって、アントリュウスが殺されるところを見てるだけなんてできないよ」アシュレイは、怒った顔をして言った。
アシュレイは、ナイフを持ってアントリュウスのところに走っていった。




