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神の翼 ~黄金の翼の女神~ 転生したら男の子だった!  作者: 和(のどか)
第四章 伝説の勇者
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説教

「キュレア様早く!姉さんを助けて~!」


 周りの騎士や兵士が驚いた顔をして見入っていた。


 キュレアも見入った。


 グレンは呆然とした顔で見ていた。


 奏とポセイドンが互角に戦っていた。


 ポセイドンの三つ叉の槍と奏の剣との凄まじい激突に周りが興奮した。


 周りの騎士や兵士の中に気づいた者が何人かいた。


「あれは伝説の勇者じゃないか?」


「ああ間違いない奏だ!!」


 奏の名前は強い神を目指す者なら知らない者はいなかった。


 奏の武勇伝は伝記として伝わっていた。


 景色を斬り、音を斬り、海を垂直に剣で振り斬り道を作った話まで伝わっていた。


 奏が伝説の勇者だと言うことがイダスの耳に入った。


 姉さんが伝説の勇者!?


 ポセイドンと勇者奏との戦いに周りの騎士や兵士が興奮した。


 ポセイドン軍の兵士と天界の果ての兵士達の中には兵士同士の戦いから離れてこの戦いを見ようとする者まで現れた。


 あまりにも凄まじい互角の戦いにキュレアも戦争とはいえ手出しをしてはいけない空気になっていた。


 だが、キュレアは剣を握った。


「騎士の戦いなら手は出せないがこれは戦争だ!悪いな奏!手助けする」


「あたり前でしょ!見せもんじゃないんだからとっとと手を貸しなさい」


 キュレアが奏に怒られた。


 ポセイドンが、奏とキュレアの会話の一瞬の隙を見てはるか後方に下がった。


 兵士がポセイドンに合図を送った。


 アントリュースを見つけたか!?


「奏!お前とはこのまま勝負をしたいが用事ができた!後日改めて戦いたい」


「何言ってんのよ!戦争中に敵同士で試合なんかするわけないでしょ!」


 ポセイドンを叱った。


 奏は、頭に血が上り説教がエスカレートした。


「あんたねぇ!神の王だったら人間に感謝されるような事何かしなさいよ!困って神に祈ってる人間がどれだけいると思ってるのよ!!」


 ポセイドンが消えた。


「まだ言い足りないわよ」


 ポセイドンの兵士達も撤退した。


 イダスに神だという事が知られしまった。


 イダスは私の事を姉だと思ってくれないかもしれない、それでもいいイダスは私の弟


 これからも永遠に


「姉さん!凄いね!前世は伝説の勇者だったんだね」


「えっ!?えっえ~~そうよ!天界に来たら前世の記憶を思い出したの」


「生まれ変わって俺の姉さんなんたから、俺は弟でいいんだよね」


 奏はイダスに抱き付いた


「貴方は私の弟よ!」


 奏とイダスは喜んだ。


 奏が、キュレアとグレンを睨み付けた。


「あんたたち!」


 キュレアとグレンは神にもなっていないイダスを戦場に連れて来た事で奏から散々と説教をされた。


 二人は奏に謝っていた。


「だいたいね、神にもなっていない未成年を戦場に連れて来て、ポセイドンと戦ってるのに大人は見てるだけ?」


 奏が兵士達を見た。


 兵士達がびびった!


 自分達も説教をされると思った。


 キュレアは何もいい返せなかった。


 凄い説得力だ!

 言ってる事が全部正しく聞こえる・・・ダメだ!いい返せない・・・


 未成年とは言え、ここは神の世界、人間界とは違う・・・だがイダスは人間だ・・・ダメだ言えない


 キュレアは、精神的ダメージを受け全く抵抗できなかった。


 キュレアとグレンは言い返す事が出来ず、ただただ一方的に説教を受ける事になってしまった。


 イダスはそれを見ていた。


 恥ずかしい!!


「姉さん!俺が行きたいって言って頼んだんだよ」


「イダスは黙ってなさい」


「はい!・・・」


 瞬殺


 イダスは止められなかった。


 説教が終わり奏はイダスを連れて黄金の翼の神殿に戻って行った。


 あとでキュレア様とグレンさんに謝ろう


 キュレアとグレンは奏の説教で精神的に落ち込んだ。


「キュレア様、説教ってこれ程精神的にボロボロになるんですね!」


「ああ!俺なんか2千年振りだな!だがこんな強烈な説教は初めてだ!説教がこれ程、精神的に廃人状態になるなんて知らなかった」


「俺も説教で相手を精神的に破壊できることを今知った」


 グレンはポセイドンに刺された傷よりも、奏の説教による精神的ダメージの方が大きかった。


「体の傷は治るけど心の傷は治らないとか・・・ちょっと違ったかな?」


 ダメだ!・・・意識がもうろうとする・・・


 それになんだ!この脱力感・・・


 グレンは、ポセイドンの傷とそれよりも強烈な奏の説教により大きなダメージを受けた。

 戦線を離脱し、救護班により黄金の翼の国へ運ばれた。

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