芸術性
「何だこのガキ!?」
魔人が暴れたとはいえ神が取り押さえて、てこずるとは、思わなかった。
半神半人達がアントリュウスに殴りかかった。
凄いオーラを感じたが、アントリュウスは、避けた。
危険を感じ剣を抜いた。
神が、半神半人の一人に命令をした。
「お前が殺せ!魔人相手だ!神と半神半人が4人で殺したら変な噂が広まるかもしれないが、剣を持ったお前とだったら、丁度いい相手だろ」
「私が、ですか?」
神が、周りの人間の目を気にした。
「負けそうになったら助けてやる」
神が4人で、人間を殺してる噂が広まらないように警戒した。
「魔人相手に負けたら恥ずかしくて生きていけませんよ」
半神半人とアントリュウスの剣がぶつかり合った。
ニンキがアントリュウスの神の力を高めた。
このガキ俺の剣とぶつかり合って、何故吹っ飛ばない!?
半神半人がアントリュウスの首を斬り落とそうと斬り掛かったが、アントリュウスは、オーラを使い首を守りながら避けた。
かろうじて避けたが首に剣がかすり血が吹き上げた。
半身半人が本気になった。
アントリュウスは、治療魔法を使い傷を治しにいった。
生まれて初めて死の恐怖を感じた。
怖い・・・私、殺される!
死の恐怖を味わった。
半神半人がアントリュウスの顔を見て、何故だ!こいつ笑ってる
アントリュウスは、死の恐怖を感じ敵の殺気のこもったオーラと死線のギリギリの戦いに芸術性を感じて微笑んでいた。
ニンキがどうしたのアントリュウス!?
貴女の神のオーラが反応してる!?
ニンキがアントリュウスの神の力を使いオーラを増幅した!背中から光の粒子が輝きだした。
アントリュウスは、半神半人の胴体を斬った。
半神半人の胴体から血が流れた。
このガキ!!半神半人は、斬り抜けたアントリュウスの背中に追いつき剣を突き差した。
更にアントリュウスの首を斬り落としに掛かった。
アントリュウスは、剣で受け止めたが吹っ飛んだ!神の力をかなり消費していた。
ニンキが焦った!「アントリュウス逃げるのよ!」
ニンキは、アントリュウスの残りの神の力を使い、戦いでは なく全力で逃げる事に使おうとした。
アントリュウスは、逃げようとしなかった!この後にどんな恐怖を味わうか楽しみになっていた。
ニンキは、迷った。
これは、アントリュウスの本能!?
このまま戦えばアントリュウスの神の力が覚醒される!だけど敵は、半神半人一人じゃない他に神が一人と半神半人が二人いる!
それに神の力の消耗に焦った。
全員まとまって掛かってきたら覚醒する前に死ぬ可能性が高い!それに覚醒しても勝てるかわからない!
負傷した場合神と3人の半神半人から逃げきれるか!?かなりの不安があった。
騎士団がハンバーガー屋に駆けつけた。
神と半神半人がアントリュウスと戦っている事を聞き騎士団が急いで来た。
アントリュウスが殺されかけてる所を見て奏が剣を抜いた。
「奏やめろ死ぬ気か?」
「死にたくないわよ!だけどあの子を見捨てるくらいなら死んだほうがまし!だから死ぬ方を選ぶわ!団長、私が戦ってる間にアントリュウスを逃がして」
キツネの神が現れた。
殺気と巨大なオーラを放っていた。
騎士団は、キツネの神に恐怖を感じた。
更に敵の神が増えるのか!?
焦った!この神が相手ならどうにもならん。
緊迫した空気になった。
キツネの神は、シルバーフォックスの耳と毛並みをした綺麗な人間の女性の姿をしていた!目付き鋭く怪しい妖気を放ち近づけば一瞬で殺される感じがした。
キツネの神がアントリュウスに近づいて行った。
半神半人がキツネの神を見て弱小動物の神か!?
狐の神が剣を抜いた。
何!?
弱小動物の神が斬りかかってくるとは思っていなかった。
そして半神半人の首を斬り落とした。
キツネの神は、敵の神に向かって歩いて行った。
騎士団が「あの神!アントリュウスを助けた!?」
どういう事、味方なの?
半神半人が、剣を構えた。「こいつ動物の神の分際で半神半人を斬り殺しやがった」
神は、動揺した。
半神半人といえども神!神を殺すなど普通の神ではない!それにあの剣!まさかヘパイストスの剣か!?
神の側近達が剣を抜きキツネの神に近づいた。
まさかこいつ殺戮の神の従者!?
「やめろ!そいつに近づくな!」
キツネの神は、二人の半神半人に斬りかかった。
その殺気のオーラを含んだ剣を避けたが敵の半神半人は、傷を受けた。
「くそっ!何て速さだ」
傷を受けた半神半人が治癒魔法を使い自分の傷を治そうとしたが傷口が塞がらない。
それどころか傷口が痛みがひどくなり苦しみだした。
敵の神が、それを見て、何だこれは、呪いか?いや違う、やはりあの剣!神をも殺すヘパイストの剣だ。
神は、確信した。ヤバいあいつ、やはり殺戮の神の従者キツネの神だ。
キツネの神は、苦しむ側近の半神半人に更に剣を振り斬りかかった。
側近の二人の半神半人は斬られ死んだ。
敵の神は、その隙に即効で逃げた。
キツネの神は、アントリュウスに近づき怪我で血をな流し、苦しんでいるアントリュウスに治療魔法をはじめた。
騎士達もその巨大なオーラを感じた。
アントリュウスの傷が治っていった。
キツネの神がアントリュウスの顔を見つめた。
アントリュウスが、キツネの神の顔を見た。「貴女の顔、私、知ってる!」
「アントリュウス様!前世の記憶は無いのですか?」
「前世のことは、何もしらないわ」
キツネの神は、男の子の姿に女の話し方、顔がアントリュウスを幼くした顔にアントリュウス様だと思った。
アントリュウスとの魂の繋がりも弱かったが、かすかに感じとり確信した。
間違いない本当にアントリュウス様!!
キツネの神は、涙を流した。「アントリュウス様!!会いたかった!」
そう言って泣きながらアントリュウスに抱きついた。
アントリュウスは、キツネの神に抱きつかれてキツネの神の頭を撫でた「貴女の毛並み気持ちいいね」
「毛皮にしないでくださいね」と冗談っぽく言った。
「するわけないじゃない!こんなに気持ちよくて可愛いのに」アントリュウスは、キツネの神に抱きついた。
キツネの神は、その言葉に更に涙が溢れた、その会話は、千年前のアントリュウスと同じ会話だった。
「みんな、アントリュウス様のお帰りを待っています、すぐに黄金の翼の国へ帰りましょう」
騎士団達が寄ってきた。
キツネの神が、騎士団に「私は、キツネコといいます!アントリュウス様を保護して頂いた事に感謝します!いずれあらためてお礼をさせて頂きます」
そう言ってアントリュウスを連れて去ろうとした。
奏が、それを止めた。
「お待ちください!私は、アントリュウス君の保護者をしている奏です!お話しを聞かせてください」
団長も話しに入り「アントリュウス君は、まだ子どもです!身内の方かもしれませんが我々も、何も聞かされず連れて行かれるのは心配ですお話しを伺わせていただけませんか」
「保護して頂いた貴方がたには、感謝をしています!ですがここいればアントリュウス様の身が危険です」
アントリュウスが「どこに行くの?」と聞いた。
「取り敢えずフローラの国へ行きます」
騎士団達は、フローラの国と聞いて、この神、殺戮の神の身内?
アントリュウスが「ダメだよ!すぐには、ロックフェスティバルも近いし、食べたいケーキもあるの」




