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東京メトロ浅草駅ダンジョン 18

俺は最早呪いなのではないかと思い憂鬱な気持ちを抱くのだった。



条件付きとは言え瞬間移動と未来予知の能力を一個人が持つという事の問題性を分かっているのだろうか?

しかも俺は世間的には政府側の人間だ、その俺に自分の(わざ)を教えるリスクは百も承知のはず…。


そもそもそのリスクが分からなければ幾らカリスマ性があってもあの癖の強いギルド連盟を纏めるなど出来はしないだろう。

形は作れるかもしれないが、どこかで不和が発生し瓦解するのが目に浮かぶ…。


その組織を纏め上げる彼女の手腕に感心しながらも心配な事がある。

これ程稀有な業なのだ、内からも外からも狙われるのは確実と言えるだろう。


「何と言うか…。それは俺に言っても良かったのか?対外的には俺達の組織はライバル関係と言うか複雑な関係だろう?」

「その事でしたら問題ありません。この事は貴方様にしか話していませんので。」


俺の色々な心配事を知ってか知らずか彼女は余裕のある笑みを浮かべあっけらかんとそう答えた。


「それはどちらもか?それとも片方だけ?」

「どちらもでございます。長距離の転移は皆さんの前では行わず、目で追えない高速移動能力という事にしております。予知能力に関しては勘で誤魔化していますね。」

「何と言うか良いのか?そんな事まで俺に話して。」

「フフフッ。勿論他言されては困ってしまいますが良いのです。道は違えてしまいましたが私達の向かう先は何れ交わり同じ目標へ帰結すると信じておりますから。今まではお互い地盤を整えるのに多忙な日々でしたがそれも落ち着いてきました。今後は言葉を交わしお互いに高め合い、より良い世界にしていきましょう。これはその為の先行投資の様な物です。」


表情は相変わらずの笑みを浮かべ彼女はそう述べた。

恐らく嘘ではないのだろう自分の業を隠している事もより良い世界とやらを目指している事も…。


「取り敢えず分かった。俺の頭ではこのまま考えててもどうしようも無さそうだ。今回の事は言葉通りに受け取って信じる事にするよ。」

「はい。今はそれで構いません。信じていただきありがとうございます。」


彼女は俺の返答に満足したのか、先程よりも笑みを深めて頷いた。

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