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カルト集団本部鎮圧戦 36

ばっちりと目が合った。



驚きに目が見開いた女性。

やせ型で背が高く、色白の肌に細く鋭い目から放たれる視線はなるほど蛇を彷彿とさせる。


 ◇ ◇ ◇


「約束通り大人しく待っていてくれたんだな。」

「うん。」


現在俺達は帰路の途中だ。

先に捕らえられていた連中を解放し、気絶させた構成員の搬送を手伝ってもらっている。


「おい、あの人1人で5人運んでるぞ。」

「隣の女の子も4人運んでるわね。」

「引きずってるけどな。」

「片手で2人ずつね。」


聞こえてないとでも思っているのだろうか?

帰路につく俺達の後ろの方で解放した潜行者達がひそひそと話している。


「うるさい?」

「ん?いや問題ない。喋れるってことは余裕があるって事だからな。」

「そう。」


相変わらず彼女は口数は少なく表情も変わらないので、なにを考えているか分かり辛い。

だが、何か憑き物が落ちたかのようなものを感じる。


もうすぐ地上への出口といったところで無線が外の声を受信する。

それはとても慌てている様子で、どうやら俺の事を探し回っているようだ。


時々聞こえてくる内容から、制圧は無事完了した模様。

俺は歩きながらマイクをオンにして話す。


「皆ご苦労。こちらも組織施設と思われる地下を制圧完了した。今から出る。」


それだけ言うとマイクを切る。

無線は一瞬静まり返った後、またしても騒がしくなる。


「大変そう。」

「そんな事ないさ。そういえば名前を聞いていなかったな。俺は只野(ただの) 優人(ゆうと)よろしくな。」

「?鰐淵 美楽(わにぶち みがく)。」


彼女は俺の急な自己紹介に戸惑いながらも応えてくれた。

ダンジョンの秘密を知った今、日本に残す戦力は大いに越したことはない。


彼女を含め、話し合いが出来る者なら何とか交渉して対策本部付けで戦力化出来ないだろうか。

俺がいなくなった日本でもしっかりとダンジョン周りのシステムが回るように…。


今回の出来事で俺はある覚悟を固めるのだった。

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