カルト集団本部鎮圧戦 35
こうして騒ぎを起こした黒幕は、跡形もなく消え去った。
気付けば祭壇も無くなり、黒い魔力や嫌な気配はさっぱりなくなっている。
ナイフを鞘に仕舞い展開を解除して振り返ると、ヤツの居た所には白い布だけ残されている。
『おめでとうございます。強大な悪魔の討伐に成功しました。』
久しぶりに響く脳内へのアナウンス。
『討伐成功に伴い【救世主】【悪魔狩り】【巨悪を狩るもの】他多数の称号が与えられます。並びに称号報酬により、再編世界の情報をお与えします。』
「は?」
同時に脳内に流れ込んでくる大量の情報。
ダンジョンの悪魔と精霊の関係性、存在意義。
世界にダンジョンが出来た原因。
ダンジョン発生当時世界で何が起こったのか、その後どんな動きをして来たのか。
その結果、今世界の国々で起こっている問題。
そしてヤツが言っていた他の悪魔達の存在。
「ああ、そう言う事か。」
12年前のあの時、皆が教えられないと言った意味。
今この瞬間から俺がしなければいけない事。
「急がないといけないな。」
独り言を呟き来た道を戻り、待たせている部屋の扉を開ける。
そこにはワニと呼ばれていたあの子が推測蛇と呼ばれている者と対峙して口論していた。
「アンタ!何したか分かってんの!」
ヒステリックな女性の声、怒鳴りつけるようなその言葉に彼女は下を向き何も言わない。
その間にも相手の言葉はヒートアップしていく。
「前からアンタは気に入らなかったのよ!拾われたか何か知らないけど私より先にあの方と出会ってたからって調子乗ってんでしょ!」
「…そんなことない。」
「嘘つくんじゃないわよ!」
「…嘘じゃない。」
「もういいわよ!私はあの方にの元に向かうわ。アンタはそこで立ち尽くしてるといい。」
そう吐き捨てた女性がこちらを振り向く。
ばっちりと目が合った。




