元教え子 東 紅 20
全く持って解せぬ。
つい少し前の事を思い出しふけってしまった。
切り替えなくては。
俺が紅に掛けたのは精神耐性と精神高揚、これで竦んで動けないと言う事もないだろう。
「ともかく左右順番に、手前から開けていくぞ。モンスターを発見次第殲滅、行方不明者の保護が第一優先、だが無理はするな、先程より気配が強い、東はここから結晶装備を展開したまま行動してくれ。」
「は、はい!」
言うが早いか、隣で紅い光が迸り展開を終えた紅がフランベルジュを握りしめる。
「魔力ストックに気を付けて進むぞ、半分近くになったら補充してくれ。補充用の魔石が無くなったら渡すから遠慮なく言ってくれ。出し惜しみはしなくていい。」
「了解です!ありがとうございます!」
先程の動揺が無かったかの様に気合十分の返事が返ってくる。
これなら大丈夫そうだ。
左の一番手前の扉の前に移動する。
彼女にアイコンタクトで合図を送り、頷きと共に扉を蹴破り突入、扉は吹き飛び正面で待ち構えていたモンスターに激突した。
左右正面に一体ずつ合計3体、奥に檻があり正面のモンスターが邪魔で見えないが、そこに複数の気配あり。
「右を頼む。」
返事も聞かず飛び出し拳に力を纏い正面の敵に飛び掛かる。
扉が激突し怯んでいるモンスターに右上から左下に抜ける様に拳を振り下ろす。
鎧のモンスターが大の字で床に貼り付けになるのを横目に、振り下ろした右拳を左腰で一瞬力を溜め方向を調整し裏拳を放ち、少し離れていた左側にいたモンスターにこぶし大の魔力をぶつける。
ぶつけられた鎧の胸部分がひしゃげ潰れ音を立てて倒れる。
紅の方を見ると剣と剣を打ち合い、読み合いと言ったところ。
現状うまく立ち回っている様だ。
正面の鎧にとどめを刺そうと見る、そこには途轍もない力で引き裂かれた鎧がピクリとも動かずたおれていた。
傍らには魔力結晶が落ちていたので、最初の一撃で仕留められたようだ。




