カルト集団本部鎮圧戦 12
どうやら俺の妨害は上手く行っているようだ。
狼狽した様子の狐の容貌をした男性と、その様子を冷めた目で見つめるワニという構図が目の前に出来上がっている。
なんとも正反対な2人だ。
「これ不味いですよ!アレと同じです!」
「ありえない。」
「ありえてるから困ってんですよ!想定以上、想定外の事が起こってますって!」
おそらく魔力を感知する能力は狐の男性の方が鋭いのだろう。
先程から俺の魔力に干渉してこの状況を打破しようと動いている。
「っ!なんて強力な…。ワニさんおそらくかなりの人数でこの結界を維持しているはずです。それでもこの規模でこれ程強力なものそんなに長くは保てません。時間を稼げれば他の方を呼べます。それを目指しますよ。」
「?。倒した方が早い。」
キョトンとした顔でワニと呼ばれる女性がそう言う。
狐の男性は呆れた様子で顔を手で覆うとため息交じりに答える。
「それが出来たら苦労はしないんですよ。目の前にいるあの人誰か知ってます?潜行者最強の名を欲しいままにしている只野 優斗さんですよ?無茶言わないでください。」
「問題ない。」
「問題あるんですよ!!」
「愉快な奴等だな。」
なんとも緊張感の無いコンビだ、と油断するわけにもいかない。
狐の男性は話しながらも油断なく周囲を観察し何か解決の糸口がないか探っているし、女性の方は呑気そうに見えて飛び掛かってくる気満々だ。
俺が一瞬でも気を抜いたら腕に付けた結晶装備を展開して襲い掛かってくるだろう。
残念ながらこの魔力は俺が1人で張っているのでそこは外れているしいくらでも維持できるのだが、それは別に言う必要は無い。
「それで?大人しく投降するか、抵抗して痛い目見た後拘束されるのか。どっちにするんだ?」
「どっちもお断りですね。大体なぜあなた方の方が勝てると思っているのでしょうか。観念するのは貴方のほうですよ。この結界が解けた瞬間我々の同志が駆けつけてきます。皆対策本部の隊長クラスはあるはずです。そうなれば貴方とてただでは済みませんよね?ささ、回れ右して帰ってください。」
「あなたを倒せばすべて解決。」
「交渉決裂だな。」
俺がそう言った瞬間。
ワニと呼ばれた女性が結晶装備を展開し、こちらに向かってすごい速さ突っ込んでくる。
戦闘の火蓋は切って落とされた。




