只野、隊長達のお願い聞いて周るってよ 第五部隊隊長 白金 瑠璃華編 2
俺は竜胆に礼を言い立ち上がると、1度伸びをして白金の部隊のいる部署へと向かうのだった。
今俺は第二部隊の事務所であり、動画や画像の撮影、編集等を行う作業場でもある丸の内のオフィス街のビルの1つの前に立っている。
パッと見では行政機関の部隊が待機している場所とは思えない落ち着きながらも上品さを感じる外装が、まるで大きな芸能事務所の様だと思うと共に、ここも大きくなったものだと感慨深い思いだ。
建物の前で突っ立て居てもしょうがないので入る事にする。
少し前に入った竜胆の報告によれば、いつでも来てもらって構わないという事だったらしい。
扉に近付くとこちらに気付いたのか、中で待機していた者が扉を開け中へ導いてくれる。
足を踏み入れる直前、奥からレッドカーペットが伸びて来て足元で止まる。
「ようこそお越しくださいました只野隊長。話は聞いております。どうぞ奥へ。」
「あぁ、ありがとう…。」
「我らの隊長の願いを一番最初に選んでいただきありがとうございます。瑠璃華様も喜んでいました。」
「そうか、それにしても凄い歓迎だな。」
「申し訳ありません、本来なら部隊をあげて歓迎をしたかったのですが…。なにぶんタイミングが悪く多くの部隊員が出払っております故。」
「いや、そう言う事じゃないんだが…。」
黒髪の燕尾服を着た部隊の者が恭しく頭を下げ、手の平で奥を示しながら会話をする。
男装の麗人というべきだろうか、一束に結んだ髪を肩から流し中性的な奇麗な顔立ちをしている。
俺が中に入り進むと、彼女は扉を閉め俺の後を静かについて来る。
彼女を引き連れながらレッドカーペットを歩き奥に向かい通路に出る。
そこにはまるで俺を誘導する様にレッドカーペットが敷かれ、それに従い移動を続ける。
途中の部屋からは撮影のシャッター音や動画の撮影中だろうか、複数の話し声が聞こえる。
「ここのレッドカーペットはいつも敷いてるのか?」
「いえ、特別なお客様が来るとき限定になっています。」
「そうか。」
「ちなみに使われたのは今回が初めてです。」
「…そうか。」
妙にテンションの高い彼女を引き連れて歩くこと少し、他の扉とは違う両開きの豪華な装飾の施された扉の前に来た。
男装の麗人は俺の前に出て扉をノックする。
「瑠璃華様、第一部隊隊長 只野様がお見えになりました。」
『ご到着されましたのね。入ってくださいまし。』
扉の向こうから白金の声が聞こえ、扉が彼女の手で開けられる。
扉の先は白を基調とした広い空間になっており、その空間は上品さの中に神秘的な美しさのある部屋だ。
「本日はわざわざご足労いただきありがとうございます。さあ、どうぞこちらにいらして下さいですわ。」
声の方に視線を向ける。
豪華ながらも上品な装飾で、見るからに高そうなソファーに腰掛ける白金がそこにいた。




