ダンジョン潜行者組織代表対抗戦 30
俺は問題ないと頷き話の先を促した。
竜胆は息を一つ付き続きを話す。
「そこまででしたらここまでの騒ぎにならなかったと思うのですが、途中で水藻隊長がやって来まして…。」
「…。」
「お察しの通り、水藻隊長のデリカシーの無い言葉で他の潜行者のプライドを傷付けてしまったらしく…。ギルドの方々も対策本部にコンプレックスを持っている人もいるとは聞いてますし、売り言葉に買い言葉で言い合いになり、それに蜂谷さんも便乗して今に至ると言う訳です。相手は我慢強いですね、まだ手が出てません。」
「頭が痛くなってきた。」
「お薬お飲みになりますか?」
「…いや、大丈夫だ。」
何だかどっと疲れた気がする…。
兎にも角にも今はダンジョンが落ち着いた事を報告してあの騒ぎを止めなければ。
頼むから暴力沙汰に発展してくれるなよ…。
あの2人の事だから先に手を出す事は無いだろうが、水藻も蜂谷も無意識的に人の神経を逆なでするきらいがある。
素直で正直者と捉えられる事も出来る。
しかし、事今回に関しては全く向いてないと言わざるを得ないだろう。
本当に何であの2人が対応してるんだ。
誰か途中で変わるとかしてくれ…。
俺は内心で愚痴をこぼしつつ急いでコーヒーを飲み切る(残すと捨てられた子犬みたいにシュンとする)と、竜胆に礼を言いカップを近くの机に置き外に向かう。
冬野さんにもう少し待ってて欲しい事を伝え、運営が待機しているであろう納品場所近くまで行く。
途中で現場をチラリと見たところまだ暴力沙汰には発展していない様で少し安心した。
納品所に入るとそこにはチーム毎に魔力結晶や素材が纏められており、警備の方に回ったのか先程とは違う職員が数を数えたり奇麗に並べたりしていた。
外の喧騒には気付いている様だがどう対処したらいいのか分からないのか関わりたくないのか、取り敢えず通常業務を進めている様子。
覚えのない顔なのでギルドの者かボランティアなのだろう気持ちは分からなくも無い。
「ダンジョン対策本部のチームにこれも足しておいてください。あとここの責任者に話があるんだが何処にますか?」
比較的穏やかに話し、威圧感が無いように笑顔を心がける。
怒ってるわけじゃないよアピールだ。
今の状況では動かない運営に直接クレームを入れに来たと思われかねないし、自分で言うのも何だがこの立場の人間に直接来られたら圧力を感じてしまう事だろう。
案の定話しかけられた者は怯え、出て来た責任者は土下座する勢いで頭を下げようとして来た。
それをする前に怪我をさせない様に肩を抑え止めさせるのだった。




