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5.ヒロインまで転生者!?

 直りましたとご報告した翌日から、また評価やブクマ件数表示されなくなりました…(汗)


 しばらくこの状態が続きそうですが、更新できる限りは今まで通り更新していきますので。

 よろしくお願いしますm(_ _)mペコリ



 改めてヒロインを探し始めて思うのは……


「学園内、広すぎるわ……」


 そりゃーね?そりゃー国の王になる予定の人も通うくらいの場所だから?

 お金もかけてるだろうし、国の威信なんかもあるだろうし?

 それはそれは豪華絢爛に、けれど華美になりすぎないように使い勝手よく作られているし?

 当然のように緑の多い素敵な空間に仕上げられているけれど?



 こんな場所で人探しとかできるかぁ!!!!



 広すぎるんだよ!!この学園!!

 何とかドーム何個分とかいう広さじゃないんだよ!!

 なんで学園の中に森かと思うような場所が存在してるの!!人の手が入ってるから正確には林なんだろうけどさ!!


 そもそも!!


 どうして!!


 ヒロインは!!


「どこにもいないのよぉ!!」


 メイドが後ろについていようがもう構わなかった。そんな事を言っている場合でもない。


「お、お嬢様…?どうかなさいましたか…?」


 まぁね、そりゃあね、驚くでしょうけどね。

 驚かせるって分かってたけど、そんな事気にしてたらやってらんないのよ。


「……何でもないわ、気にしないで…」


 一応そう言っておくけど、正直どうして教室内以外はこうして後ろをついてくるのか…。

 いや、分かってる。分かってるんだ。放課後だから、いるんだって。

 別に一言ついてくるなと言えばいいんだろうけど、そんなことしたら色々疑われる。公爵家の娘なのに、なんで使用人一人連れていないんだとか。どこかで誰かと逢引きするつもりなのかとか。


 ほんっと、どうでもいい勘繰りしかしてこないんだから。

 たまには一人になりたい時だってあるでしょうに。


 その上私には王太子殿下の婚約者候補とかいう、個人的には超絶不名誉な肩書まであるから。


 この赤い髪色とその肩書のせいで、どこに行っても注目の的。

 それなのに放課後使用人一人連れずに校内を歩き回っていたら、本当に何を言われるのか分かったもんじゃない。

 下手すればラヴィソン公爵家は本当は貧乏なんじゃないかとか、トンチンカンな事を言い出す馬鹿も出てくるかもしれないわけで。


 結果、彼女を連れていかないという選択肢は初めから潰えているという詰み状態。


「はぁ……」

「お嬢様?ここ最近ずっとどなたかをお探しになられていますよね?」

「えぇ、そうね……」

「その方は本当に女性ですか?何よりお嬢様のお知り合いなのですか?」


 案外鋭い指摘。

 とはいえ彼女が疑っているのは、私が王太子殿下ではない誰かに懸想しているのではないか、という事なんだろうけど。


「安心して。紛れもなく、女性だから」

「ですが、お知り合いなのでしたら……」

「知り合いではないわ。私が一方的に彼女のことを知っていて、用事があって探しているだけ」

「でしたらクラスメイトの方に伝言を残されてはいかがですか?」

「私がそんな事をすれば、瞬く間に噂が広がって相手の女性が大変な事にならないかしら?」

「それは、その……」


 うん、分かってる。それが一番手っ取り早いんだって。

 でも、さ。

 私、良くも悪くも注目されてるわけじゃん?

 そんな人間から、知り合いでもないのに一方的に呼び出されるとかさ。

 怖くない?普通に考えて。


「でも、そうね……どうしようもなくなったら、貴女にお願いしようかしら?」

「は、はい!お任せくださいお嬢様!!」


 私が連れているメイドだと、たぶん一発で見抜かれるだろうけど。

 それでも私自身が出向くよりは、ずっといいのかもしれない。



 そう、諦めて。


 今日も帰ろうと馬車が止めてあるところへ歩き出してから、ふと気づく。



「あ…」

「お嬢様…?」

「ねぇ、鞄の中に歴史の宿題の紙、入っているかしら?」


 配られたのが授業の始まりだったので、机についている引き出しの中に入れたのまでは覚えている。

 でも、それを……学校指定の鞄の中に、入れた覚えが、ない。


「歴史の宿題、ですか?少々お待ちくださいね」


 当然荷物は使用人が持つものであって、貴族の子供たちが持つようなものではない。

 だから私も彼女に中身を確認してもらったわけだけれど……。


「……ありませんね…」

「いやだ。やっぱり机の引き出しの中に入れっぱなしにしてきたのね」


 頬に手を当てて、はぁ、とため息を吐く。令嬢教育で癖になってしまったものの一つだ。


「取りに戻らないと」

「いえ、私が参りますので。お嬢様はこちらでお待ちください」

「え、でも……」

「校内を歩き回ってお疲れでしょう?それか先に馬車の中でお待ちいただいてもよろしいですか?」

「いいえ、そこまで警戒する必要はないわ。むしろ学園がそんなに危険な場所では困るもの」

「えぇ。ですので、私が一人で行ってまいります」


 まぁ、朝と放課後以外は一人行動をしているわけだし。

 何より将来の王が通うこの学園で、令嬢を一人にして何かがあるわけがない。というか、あってはならない。

 それに忘れたのは私だから、先に馬車で待ってるというのも、なんか、こう……罪悪感が……。


「そう、ね……ごめんなさい、お願いしていいかしら?」

「はい、お任せください」

「ありがとう」


 ニッコリ笑顔で答えてくれるのが、彼女のいいところ。

 それにあんまり謝るのは良くないのは分かっているけれど、今回ばかりは私の不注意だから。

 そういう事を口うるさく言わない辺りも、彼女を気に入ってる理由の一つだ。


 公爵家のメイドの名に恥じぬ、すっと伸びた背中を見送って。やってしまったなぁと思いながら、ため息を一つ。

 普段はしないミスをここにきてしてしまうなんて。

 帰る前に気づいたからよかったものの、そうじゃなかったら大変な事になってた。


「げっ…!」


 一人でちょっと反省しつつ落ち込んでいたら、不意に聞こえてきた声。

 女性が出す声にしてはちょっとどうなんだろうと思いながら顔を上げた先で。


『何でここにローズがいんのよ……。まさか…ゲームの強制力…!?』


 聞こえてきた懐かしい言語に、私は目を見開いて驚く。


 だって、それは。

 小声だったけれど、間違いなく。

 前世で聞いたことのある、日本語で。



 そして何より、彼女の髪色はピンク、瞳の色は緑。



 つまり……。



『ヒロインまで転生者!?』



 驚いた私はつい、彼女と同じ日本語で叫んでしまっていた。



 ようやくヒロイン出てきた…!!

 お待たせいたしました!!(>ω<;)


 そして今後日本語で話すときは、常に『』で表示します。



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