4.ヒロインを探せ!!
表示されない不具合、直りました…!!
そして確認できていない間に、評価ptは1,500を超え、ブクマ登録は1,000を超え……。
すぐにお礼を言えなくて申し訳ないです…!!(>ω<;)
評価して下さった163名の方、ブクマ登録して下さった1,039名の方、本当に本当にありがとうございます!!m(>_<m*))ペコペコッ
「よし、探そう」
悩んで悩んで悩みまくった挙句、私が出した答えはそれだった。
いや、だって…!!
このままだと本当に何もないまま、ゲームが始まらないまま終わっちゃうから…!!
学生生活二年間しかないんだからね!?チャンスは短いんだよ!?
そう、だから。
出てこないのなら、探せばいいのだ。
前世でそんな感じの絵本があった気がする。
何とかを探せっていう、あれ。
つまり、私は、今。
現実世界で、それをしなければ進まない状況に追い込まれているというわけだ。
題して!!
ヒロインを探せ!!
見つけ次第青王太子の前に引きずってでも連れていって、無理やりにでもくっついてもらわなきゃ困るんだ!!
だからヒロインを…!!
ヒロイン、を……。
「……待って…一体、どこにいるの…?」
決心したはいいものの、一度教室にまで行ったのに姿が見えなかったから。
休み時間になるたびに校内を歩き回って、それでも見つからないから放課後も探し回って。
結果、見つからない。
「お嬢様…?」
「待って……少しだけ、待ってちょうだい」
考えろ。物語のヒロインだったら、他にどこに行く?
校内で青王太子が関わらないとしたら、担当教師……。
(いや、違った。だってさっきちょうど見かけた時には、他の女子生徒たちに囲まれてたから)
流石乙女ゲームのキャラクター。モテるなと思いながら、ヒロインがいないのを確認して横目で通り過ぎたのだ。
という事は、教師ルートではない。
じゃあ、お兄様ルート……?
(でもそこはさり気なくお兄様に探りを入れてるけど……。聞いたことないんだよね、ジャスミンなんていう名前)
そうじゃなくてもヒロインは目立つ。
可愛い見た目もだけど、何よりその色合いが。
だって髪色ピンクで緑の瞳だよ!?どこのアニメのキャラクターだよって色合いじゃん!?
乙女ゲームの主人公キャラだけどさ!!
「何か私、見落としている……?」
「落とし物でもされたのですか?」
「いいえ、落とし物ではなくて……探しているのは……」
「探し物?手伝おうか?」
突然声をかけられて振り向けば、そこには同じクラスのジェラーニ・ジプソフィール。
緑の髪に、瞳の色は淡い緑のようにも黄色のようにも見えるその容姿は、攻略対象キャラほどではないけれど。一般的には人好きのする見た目。
本人の実家もそれなりに高い家格だから、実はあの王太子様の隣の席に座っている彼は。
「どうして、ここに……?」
何を隠そう、ゲームのお助けキャラなのだ。
「ん?窓からクラスメイトが見えたから、かな?キョロキョロしてたから、何か困ってるのかなーって」
いや、おかしいでしょう。
あなたはヒロインのお助けキャラであって、悪役令嬢である私のお助けキャラではない。
まぁ、そういうお節介な性格をしているからこそ。
ゲーム中ではお助けキャラにされていたんだろうけど。
「そう、でしたか……。いいえ、お気になさらず。ちょっとした人探しなので」
でも今考えてみれば、どうしてただのクラスメイトがお助けキャラなんてやってたのか。
そもそも好感度とか、なんでこの人が知ってるの?
「人探し?それならやっぱり俺も手伝おうか?」
裏表なんてなさそうな笑顔だけど、私にとってゲームの登場人物は全員が警戒対象。特に攻略対象じゃないこの人は、背景が何も分からないから。
だから余計に、警戒してしまう。
ゲームだとそういうシステムだからと気にならなかったけど、それが現実になるとどうしても疑問が湧いてくる。
だって彼は、教師やお兄様の好感度まで把握していたから。
(侯爵家だって、言ってたけど……それ以外の情報は、何一つ知らない……)
自己紹介でも詳しくは語らなかったから、彼の実家が何をしていて彼自身何者なのかなんて。ゲーム中の解説もなかった相手の事を、知っているわけがない。
唯一分かっているのは、フランクに話したいから敬語がいいって人は先に言ってねと本人の口から言われていたことだけ。
でもこれ、ゲームの中でヒロインにも言ってたんだよなぁ…。
男爵令嬢のヒロインに、敬語とかいらないよって。
だからこれすら、ゲーム通りで。何一つ、彼についての新しい情報にはならない。
「先ほども申しました通り、お気になさらず。これはちょっとしたお遊びのようなものですから」
とりあえず、誤魔化しておくのが一番だろう。
万が一彼が転生者だとすれば、協力願いたいところではあるけれど。今のところそんな様子はないし、下手に関係性を疑われても困る。
「人を探す遊び?最近のご令嬢は面白い遊びをしているんだね?」
「えぇ。一部ではとても人気があるんですよ」
嘘だけどな。
でも嘘も方便。
というか、嘘でもいいからとにかく関わりたくない。
私が会いたいのは、ヒロインただ一人。
それ以外のゲームの登場人物には、正直言って会いたくないのが本音。
そもそもお助けキャラなんて、悪役令嬢と関わりあったの?
クラスメイト、ぐらいの関係でしかないと思うんだけど。
まぁ、だから。
「ですので、私が見つけ出さないといけないのです。しかも女性同士なのに殿方の手を借りるなんて、ご法度ですもの」
男は手を出すな、と。他の攻略キャラにも使えそうな言葉で追い返す。
「なーるほどなー。じゃあ俺は手伝えないなー」
「えぇ。申し訳ありません」
「いいや?でももし本当に何か困ったことがあったら、声をかけてくれて構わないから。じゃーな」
そう言って、爽やかに去って行くお助けキャラこと、ジェラーニ・ジプソフィール。
…………あれ……?もしかして彼、本当にただのお節介な良い人……?
何の含みもない笑顔を見せたから、なんとなく拍子抜けしてしまって。
今度会ったらもう少しぐらい優しくしようと、ちょっとだけ警戒しすぎたことを反省した。
まだ出てこないヒロイン(汗)
もう少し…!!もうあと数話で出てきますので…!!
もうしばらくお待ちくださいませっ…!!(>ω<;)




