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天使達と一緒にらんでぶー?

          



この頃天使達とラブラブしてないから公園に行くことにした。


この頃鷹司くんは手をつなぎたがらない。その事がちょっぴり寂しいお姉ちゃんです。誠ちゃんは何時も手を自分からつないできてくれるのにね‥‥


鷹司くんは少し私たちの前を歩いている、たまに後ろを振り返って私たちがちゃんときているか確認しているようだ。‥そんなに振り返ってくれるならおててをつなぎたいなーと思うんだけどなー


鷹司くんは将来亭主関白になりそうだなぁと考えながら、家から少し離れた大きい公園にでる。鷹司くんと誠ちゃんはブランコに人がいないのを見るとすっ飛んでってしまった。ふっ、いいんだ、気持ちは分かるから、ブランコ楽しいもんね、泣いてないし寂しくないよ、‥ぐすん。


二人に向かって手を振って、近くにあるベンチに座りながら持ってきた飲み物を飲む‥ちなみに誠ちゃんのリクエストでお味噌汁も入れていている。今日の大根のお味噌汁が大変お気に召したようで、水筒で持って行く!と目をきらきらさせながらいってきた。


そよそよ気持ちいい風を頬に感じる。少し汗をかいていたので、余計に風が気持ちよく感じられた。


目を閉じてぼーっとしていると、右肩にふわりと何かをかけられた。

ゆっくりとした動きで、そちらに振り返る。


「‥‥やっぱり子持ちなわけ?」


「ほわい?」


そこそこ高い背を窮屈そうに丸めて、ベンチに寄りかかっている、何となく見覚えのある子だ。学ランを着ていて、学校に行けといいたくなるが、ちょっとやんちゃしてそうな感じなので相手の出方をうかがうことにする。


右肩にかけられたものを見ると、それは黄緑色のバンダナだった。‥これはどっかで拾った少年に渡した、おにぎりを包んだバンダナじゃまいか。


「‥今日休みだったのに、わざわざ学校来いって命令されてさ、やんなっちゃうよね。」


「そ、そうでござんすか。」


後ろからすすっとこっちにきて、隣に座る。あの時はたいして顔を見ていなかったが、なかなかかわいい顔立ちをしている。だが何となく、生意気そうな顔立ちだ。そんな子ほどかわいいと思ってしまうのは仕方がないことなのだろうか。


「おにぎり、うまかったよ。ゴマ油の奴。」


「あ、本当?良かった、あれ美味しいでしょーお母さん直伝なんだ。」


へらっと笑ってしまう。それはお母さんがよく作ってくれた私が大好きなご飯のお供なのだ。今はなかなか顔が見れないが、そのうちまた帰ってくるだろう。


少しだけお母さんのことを思い出してしんみりしてしまったが、隣に人がいることを思い出し、男の子の名前を聞くことにした。


「ところで少年、お名前は?」


「お姉さんの方から名乗ったらどうなの?」


ぐ、やはりこいつぁ生意気だぜ‥‥憮然とした表情の少年は、きっと相手を悪気なく傷つけるタイプの人だ。あと正直者過ぎるんだろうな。


「私は祝咲花だよ。さぁ、少年名を教えろ。」


「‥‥佐原賢(さはらすぐる)だよ。多分、あんたの二つ下。」


「はぇ、高校一年生か!じゃあこれから高校生活頑張るんだよ。」


何を偉そうに、と言いたげな表情だったので人生の先輩だからね!と胸を張っていってやった。たった二年でしょ、と佐原くんは不服そうに言っていた。


佐原くんに揚げ足ばかり取られていると誠ちゃんがこちらにやってきた。鷹司くんが見えなかったので目で探してみると、滑り台で寝っ転がっていた。うん、邪魔になっちゃうよ?


「ねぇねぇ、お味噌汁!」


「はいはーい、どうぞ。」


佐原くんがはなしていた途中だったが誠ちゃんが来たことによってぶったぎることにした。手を差し出してくる誠ちゃんにお味噌汁を入れたコップとお箸を渡す。この頃お箸を上手に使えてきてるようで、お姉ちゃんはちゃんと見てます。


「なにそれ‥‥俺の分は?」


「いや、普通用意できないよね?」


当たり前のように聞いてくる佐原くんに少しイラっとしたが大人の余裕を見せつけた。誠ちゃんはちらちらと佐原くんを見ているが、お味噌汁に意識がいっているようで、そんなに気になっていないようだ。


「‥今度はちゃんと用意しておいてよね。俺、じゃがいもが好きだから、覚えておいて。」


長い足を組んで、足の長さを見せつけてくる佐原くんにとりあえずこくりと頷いておく。今度がいつになるかわからないのだが。


そんなときに、佐原くんの携帯がなって、チッと忌々しげに舌打ちした後、電話に出ずに切ると、私の方に振り返る。


「言っとくけど、俺結構お得だと思うよ。あんまり文句も言わないし、よく働くし。」


よくわからない捨て台詞‥ではないな。よくわからない事を言って、またねと言って去ってしまった。


その様子を見ていた誠ちゃんは、お味噌汁を飲み干したようで。


「たつとり、あとをにごさずなのにね。」


こちらを見上げて難しいことを言う。なんか、どこでそんな難しいことを覚えたのかお姉ちゃんは知りたいなぁ。


少し不機嫌そうな誠ちゃんのことを凝視していると、鷹司くんがやってきた。こちらも不機嫌そうで、肩のあたりが汚れている。


「どうしたの?」


「寝てたら踏まれた。」



‥それは鷹司くんが悪いと思う。

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