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鑑定眼の社畜、今日もブラック魔王軍でなんとかがんばります!  作者: 鳶丸


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第038話 社畜、防衛拠点を作る計画を進めようとする


 ふわぁ。

 あくびがでちまった。


 黎明の朝焼けが夜の幕を焼く。

 おっと。

 ちょっと知性あふれるところを見せちゃったな。

 

 ま。

 現実逃避をしながら、オレは芋のジャムを作っているわけ。

 ヴェラの超お気に入り。

 っていうか、龍人族の女性陣も大好きだ。

 

 アヴィタさんとママさんね。

 だから、たぶん魔王様も大好きになるはず。

 

 焼いた芋を潰してペースト状にする。

 このときに龍人族の里でとってきた果物が役立つ。

 

 一見すると、大きなクルミみたい。

 でも殻を割ると、中には乳白色の液体が詰まっている。

 果汁っていいのかわからんけど。

 

 練乳みたいな風味なんだよ。

 これを芋のペーストにまぜまぜ。

 すると、ジャムができあがる。

 

 そもそも芋自体が甘いのに。

 練乳をさらに追加でドンみたいなジャム。

 

 でも、くどくない甘さって言うかな。

 なんか食べやすいんだよね。

 

 ってことで!

 

「魔王様、ヴェラ」


 二人は薄パンにジャムを塗って食べている。

 一心不乱に。


「もう、そろそろいいかな」


 つうか、オレも腹減ったって。

 さっきからずっと作ってるじゃねえか。

 

「ハルト……」


 魔王様が言う。

 

「そうですわね……」


 ヴェラもオレを見て口を開いた。

 

「おかわりだ!」


 ちくしょう。

 やっぱりこいつらの食いしん坊魂に火を点けたのがまちがいだ。

 

 朝食を終えて、一服タイム。

 ふふん。

 オレだって自分でキセルに火を点けられるもんね。

 

「で、だ。魔王様」


 紫煙をはき出しながら、オレは言った。

 

「次の指令はあるの?」


「いや、なーんもない」


 ないんかーい。

 まぁだとしたら都合がいい。

 

「じゃあ、聞いてもいい?」


 ちびっ子魔王様は今日も腹をだして横になっておる。

 威厳もクソもないな。

 べつにいいけど。


「ニンゲンが魔族の領域に侵攻してきてるって言ってただろ? そのことについてもう少し詳しく聞きたいんだけどさ。具体的にどこから攻めてきてんの?」


「むぅ……そうか。まだハルトは知らなかったか」


 魔王様がヴェラを見た。

 それで察したみたいだな。

 ヴェラが壁にかかっていた地図を持ってきてくれる。

 

 おお、なんかファンタジーな地図だな。

 大雑把な地形に、大きな町と街道が書かれている。

 山や川の配置もだいたいわかるな。

 

 ざっくり言うと、台形みたいな形の大陸? なのかな。

 よくわからんけど。

 ただし、上の辺の方が長い形だな。

 

 で、ヴェラによるとだいたい真ん中から北側が魔族、南側がニンゲンの領地ってことらしい。

 

 この真ん中のところにでっかい山脈があるんだってさ。

 で、この山を越えて攻めてくるのは難しいらしい。

 

「なるほどな。そうなってたんか」

 

 だいたい納得できた。

 

「ニンゲン側の主な侵攻先はこの三つ」


 まずはと、魔王様が地図を指さす。

 

「魔族領から見るとラスナサの大草原を南に行ったところに、ナコピェの洞窟がある。ここはその昔にニンゲン領と行き来するのに使われていた」


 うむ。

 天然の洞窟があって、そこからニンゲンが攻めてきてる、と。

 

 次にと魔王様が指先をすべらせる。

 

「ロリマミ大湿原の南にある赤デブラ渓谷」


 最後に、と魔王様が指を移動させた。

 

「キユタ遺跡からつながるバルグジャ大回廊」


「大回廊って言いますけど、ものすっごい山道ですわ」


 ヴェラの解説が入った。

 まぁわからんでもない。

 

「んーどこも攻めづらそうだな」


「基本的に軍が移動できるような道ではないな。だが、最近は特に赤デブラ渓谷からの攻勢が激しくなっておる」


「なぁなぁ、ここって渓谷だから左右が切り立った崖になってるとか?」


「で、あるな」


 ってことは、あれだ。

 要は大軍が通りにくい隘路になるわけか。

 だったら、ここに防衛拠点を作る?

 

 拠点を作ったとしても大事なのは兵站を確保できるかどうか。

 湿原が近くにあるってことは……米とかあるのかな。

 

「んーでも拠点かぁ」


 悩む。

 そもそもこういうのはゲームでしか経験がないからな。

 シミュレーションとか、タワーディフェンスとか。

 

 ああ!

 そうか。

 ダンジョン運営のタワーディフェンスゲームがあったな。

 

 昔、けっこうやりこんだ記憶がある。

 色々と細かいところまで決められるゲームだった。

 

 問題はダンジョンが作れるかどうか。

 

「どうしたハルト、なにか妙案でもあるのか?」


「いや考えはあるんだけどさ、実現できるかわかんない」


「とりあえず言うてみよ」


 さすが魔王様。

 器がでかいね。

 

「あのさ、ダンジョンってこっちにあるのかな?」


「ダンジョン……?」


 と、首をひねるヴェラだ。

 

「中が迷路になっていて、罠とか設置しておいて簡単には攻略できない感じで」


「ああ、神の試練のことか!」


 お、魔王様には通じたみたいだな。

 神の試練?

 

「ああ、確かにそう言われると神の試練のことですね!」


 ヴェラもわかってる?

 

「こほん。その神の試練ってなに?」


「だから、ハルトが言うダンジョンのことですわ!」


 うん、わからん。

 ブーメランが返ってきた感じだな、こりゃ。


リアルが多忙なため、次回の更新は少し遅れると思います。

よろしくお願いいたします。

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