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鑑定眼の社畜、今日もブラック魔王軍でなんとかがんばります!  作者: 鳶丸


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第013話 社畜、エルフとサラマンデルの仲裁をする


 異世界の空も青いなぁ。

 そんなことを考えていると、ヴェラの声が聞こえてきた。

 

「あそこにいるのがハルトですわ。ニンゲン……ではありますけど、わたくしたちの味方ですので」


 うむ、えらいぞ。

 ちゃんとフォローをしてくれて。


「で、なぜ揉めているのか、なんていうのは今さらですわよね。エルフとサラマンデルの仲の悪さは魔族の中でも有名ですもの」


 今回はオレ抜きでやるつもりか。

 まぁいいけど。

 こっちは聞き耳を立てておこうかな。

 

「まぁそれを言われちゃうと、どうにもなんないんだけどさー」


 メルの方か。

 ちょっとギャルっぽいな。

 見た目もそうだけど。


「そもそもサラマンデルの方が後からきたのですから、私たちの言うことをきくべきです!」


 モアナの方だな。

 真面目な優等生タイプだ。

 

 そりゃ意見が割れるわな。

 自由にやりたいメルと、規律正しくしたいモアナ。

 

 軍ってことで言えば、モアナの方が正解だと思う。

 規律が緩んじゃったら、統制がとれないから。

 

 でもなー魔王軍って言っても、基本的には寄せ集めなんだよね。

 ニンゲンっていう共通の敵がいるから集まっているだけ。

 

 そういうのは烏合の衆って言うんだぜ。

 規律とまではいかなくても、もうちょっとこうなんとか協力するようにしないと。

 

 なんちゅうかあれだな。

 世界は変わっても集団をまとめるってのは難しいもんだ。

 

 特に魔王軍なんてのは魔王様のカリスマだけでやってるようなもんだからなぁ。

 さて、どうしたもんかね。

 

「んー困りましたわねぇ。どこかで妥協点をだせませんか?」


 ヴェラが粘り強く交渉している。

 ただなぁ。

 お互いが理屈よりも感情で物を言っているうちは平行線のままだと思うぞ。

 

「妥協? って言われてもなんでエルフの下につかないといけないんだ? オレたちは魔王様に協力してるのに!」


 うん。

 メルの言うようになっちゃうよな。

 

「だから! その魔王様のために私たちのやり方に従った方がいいと言っています。これまでそうしてきたのです! 急にやり方を変えるとか言われても意味がわかりません!」


 だよなぁ。

 モアナの言うことにも一理あると思う。

 そりゃ新参者が好き勝手したら、気分悪いよな。

 

 既得権益ってほどじゃないだろうけど。

 それがないがしろにされるってのは気分が良くない。

 しかも、仲が悪いサラマンデルが原因だと言うなら、思いも一入(・・)だろう。

 

「はいはい! お互いの言い分はわかりました! 双方とも少し落ちつきなさい」


 ヴェラが仲裁に入った。

 つかみ合いでもしそうな雰囲気だったからな。

 

「ハルト! 出番ですわよ。いつまでも寝転がってないでこっちにきなさい!」


 はいはい。

 わかりましたよ。


 三人の美人さんたちに近づいて、気になっていたことを聞いてみた。

 

「あのさ、ちょっと教えてくれないかな。そもそもなんでエルフとサラマンデルは仲が悪いの?」


 まずはここからだと思う。

 種族として仲が悪いのなら、その原因を探らないと。

 

「なんか昔に大げんかしたとか、覇権を巡って争ったとか、そういうのがあったりするの?」


 オレの質問にメルとモアナの二人はきょとんとした顔になった。

 お互いに顔を見合わせている。

 

「いや、なんつーかさ。反りが合わないって言うか。まぁ昔っからケンカしてるし?」


「言われてみれば……まぁ小競り合いみたいなものは定期的にありましたけど、なにかこう大きな問題がと言うのは聞いたことがないですね」


 となると、現役のエルフとサラマンデルは特に事情もなくケンカをしている、と。

 

 ある意味では良かったかな。

 これが根深い差別の問題とかだったら、解決の糸口なんて見えないところだからな。

 

 二人の感じだと、なんとなくキャラ的に合わないみたいなものかな。

 陰キャと陽キャというか、不良と優等生みたいな。

 

 なるほどね。

 ちょっと解決の糸口が見えてきたかな。

 

 だったら……。

 

「んーじゃあさ。もうひとつ聞かせてほしいんだけど、エルフとサラマンデルで得意なこととかはちがうの? ヴェラからは似た種族だって聞いたけど」


 ヴェラがくわっと目を見開いた。

 わたしのせいにするな、とか思っているのかもしれない。

 まぁまぁ、いいじゃない。


「オレたちは火の魔法が得意なんだよ。で、住処もどっちかって言うと山に住んでるしな。エルフは森に住んでるから、その辺りはちがう。あと、エルフはお子様体型だからなー」


 ちらりとモアナの胸に目をやるメル。

 オレも釣られてモアナの胸を見る。

 うん、つるぺただ。

 

「いだだだ!」


 ヴェラがオレの耳を引っ張っている。

 

「なにを見ているのです! まったく!」


 いや、これは男の本能ってやつだ。

 仕方ないだろう?

 

「ふん! せいぜい無駄肉がついているのを喜んでいればいいのです。私たちエルフは風の魔法が得意ですわ。そこのメルが言うように森に住み、調和を旨としています」


 なるほど。

 モアナは無駄肉が嫌い、と。

 

『そうじゃないですわよね? まったくしっかりなさい!』


 おっと。

 念話で怒ってくるとは。

 

 ヴェラってば、どんだけオレのことが好きなんだよ。

 わかります。

 これは焼き餅ってヤツですよね?

 

「ち、ちちちちがいますわ! ハルトのバカ!」


 念話じゃない方で怒られた。

 うーん。

 この態度、嫌いじゃない。


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